目次 次へ PR 1/13 序章 建国伝説 遥か昔、善なる国は夢の中にしかないと神仙は考えた。 神仙は深く眠り、夢の中に国を創った。 悪夢に侵されぬよう、国の護りに獏が選ばれた。 獏は悪夢を喰うあやかしである。守護のお役目に応えんと、重い瞼をぐいと開いた。 獏は悪夢を求め、夜な夜な夢を渡った。 悲鳴、絶望、嘆き。獏の腹はそれらの悪夢でたちまち満ちた。 だが、獏が喰いきれぬほどに世界は悪夢で満ちている。 それゆえ獏は姿を変えた。 幾代にも渡って、この睡嘉国(すいかこく)を護り続けるために。