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序章 建国伝説

 遥か昔、善なる国は夢の中にしかないと神仙は考えた。

 神仙は深く眠り、夢の中に国を創った。

 悪夢に侵されぬよう、国の護りに獏が選ばれた。

 獏は悪夢を喰うあやかしである。守護のお役目に応えんと、重い瞼をぐいと開いた。

 獏は悪夢を求め、夜な夜な夢を渡った。

 悲鳴、絶望、嘆き。獏の腹はそれらの悪夢でたちまち満ちた。

 だが、獏が喰いきれぬほどに世界は悪夢で満ちている。

 それゆえ獏は姿を変えた。

 幾代にも渡って、この睡嘉国(すいかこく)を護り続けるために。

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