表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

「円安国家」 ~ブタブタ金融有限公司【外伝】~

掲載日:2026/03/10

 ――ある日の東京。


 都内某所の会議室で、日本の大企業の大物経営者たちが集まっていた。

 議題は一つである。


「日本の未来について」


 司会が重々しく口を開く。


「皆さん、日本の未来はどうでしょうか?」


 会議室に沈黙が流れる。


 やがて一人がつぶやいた。


「日本はもうダメでしょう」


 全員が深くうなずく。


「そうだな」

「人口も減るしな」

「低成長だ」


 司会が熱心にメモを取る。


「では対策を考えましょう」


 少し考えたあと、一人の大物経営者が言った。


「円を売りましょう」


「なるほど」


「そしてドルを買う」


「いい案だ」


「そのドルでアメリカの不動産や株を買い、海外に工場も建てよう」


 会議室がざわめく。


「天才か!?」


「合理的だ」


 こうして満場一致で決議された。




◇◇◇◇◇


 ――半年後、再び会議が開かれた。


 司会が報告する。


「皆さん、円安が進んでいます」


 会議室がざわつく。


「困りましたね」


「日本は弱くなった」


「その証拠に円が安い」


 司会が企業経営者たちに尋ねる。


「原因は何でしょう?」


 一人の男が手を挙げた。


「円を売っている人が多いのでは?」


 全員が考え込む。


 そして誰かが言った。


「確かに」


 司会が熱心にメモを取る。


「では対策は?」


 しばらく沈黙が流れたあと、同じ男が言った。


「円を売ってドルをもっと買いましょう」


 会議室が沸いた。


「それだ!」


「合理的!」


「日本の未来は海外だ!」




◇◇◇◇◇


 そのころアメリカでは――。


 とあるアメリカ人がニュースを見ていた。


「日本は衰退したらしい」


 友人が言う。


「でも、日本の年金基金がうちの会社の株買ってるぞ」


「このビルのオーナーも日本の投資会社だぞ」


「先日、取引先の会社、日本企業に買収されたぞ」


 二人は少し黙る。


「……本当に衰退してるのか?」




◇◇◇◇◇


 そしてまた東京――。


 三回目の会議である。


 司会が言う。


「皆さん、困ったことに日本は衰退しています」


 全員がうなずく。


「間違いない」


「TVのニュースでも言っている」


「円安だしな」


 司会が質問する。


「では、どうしましょう?」


 一人がゆっくり言った。


「円を売って、米国株への投資を増額しましょう」


 会議室が拍手に包まれる。


「賛成!」


「未来はアメリカだ!」


「日本はもうダメだからな!」


 こうして会議は満場一致で決議された。



 ――その結果。


 円はさらに下がり、

 日本人の海外資産はさらに増えた。


 しかし翌日のTVのニュースではこう言われた。


「日本は衰退しています」


 日本人はうなずいた。


「そうなんですよ」


 そう言いながら、、、


 また円を売った ( ˘ω˘ )




【備考・参考】


 日本は今、「輸出で稼ぐ国」から「海外投資の配当で稼ぐ国」になっています。

 例えば、海外子会社の利益とかが大きいですよね。

 日本の年間の経常黒字額は、なんと約30兆円です (*´▽`*)


 消費税収:約23〜25兆円

 防衛費:約8〜9兆円


 こう比べてみると、デッカイ額ですよね (;^_^A


 でも、受け取った外貨は円に換えず、さらに海外へ再投資されるのです。

 だから、いくら海外との収支が黒字になっても、ほぼ円が買われることはないのです (´・ω・`)

「――星間覇道 ――  すべてを失った少年貴族と、それを値踏みする女海賊が、帝国の内乱に関わる話」という宇宙モノを連載中です。

お気が向きましたら、読んで頂けると嬉しく存じます。

https://ncode.syosetu.com/n1244lk/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なんですよねえ。 アイスランドの轍を踏むなんてことがないといいですが。
なるほど、こうして円安になるのですね( ˘ω˘ )
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ