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出戻り勇者は自重しない~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~  作者: TB


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第85話 デカスロンどう?

 ヤンキー原発跡地から核弾頭八発の回収をした俺は拠点へと戻った。


『斗真さん。事態は深刻です』

『どんな状況なんだ翔君?』


『アメリカから核弾頭四発が盗み出され、そのうちの一発をキャンプハンセンの襲撃犯が所持していました』

『犯人は拘束して核弾頭は回収しましたが、残り三発が行方不明です』


『しかしどうやって日本へそれを持ち込んだんだ?』

『犯人達の尋問を俺がやればある程度は、判明すると思いますが、現時点では俺と同レベルの能力者の可能性が高いと考えられます。以前も向こうの世界の高位の魔人が現れていますし、無いとは言い切れないですね』


『何故沖縄だったんだろうな?』

『それも多分ですが……新たな次元の裂け目『Dimensional rift』が存在する可能性がその場所にあったんでは無いでしょうか?』


『危険な状況には間違いないが、私の権限では日本国内でも米軍キャンプ内に指揮権限は存在しないからカーネル大将の要請に従って動いてくれ』

『解りました。残り三発の核弾頭をどこに使って来るのかが非常に気になりますが、斗真さんの方でも情報入手をよろしくお願いしますね』


『ああ、了解だ。翔君……この世界をよろしく頼む』

『改まってどうしちゃったんですか? 俺の大好きな世界を壊させたりは絶対にしませんよ』


 ◇◆◇◆ 


「香奈、今回の事件はまだこっちの世界のメンバーでは無理がある。異世界帰りの六人だけで動く」

「しょうがないね。私はインフルエンザになった事にして解決までGBN12もお休みで良いかな?」


「それはしかたない。俺は一応学校だけは顔を出す」


「なぁ翔?」

「どうしたヤリマンスキー?」


「向こうの世界の設定は覚えているか?」

「ん? どういう事だ」


「魔王城に辿り着くための七つの拠点を攻め落として、ヒントを得るってやつ」

「ああ、確かに有ったな」


「恐らくだがこの魔王の情報だとイルアーダ自体がこの世界の未来の連中のゲーム世界だろ?」


「そうだよな?香奈」

「うん」


「それなら同じような設定で七箇所の拠点にヒントがあるとかじゃ無いのか?」

「無いとは言い切れないな。厨二臭漂う感じの七つの大罪の名前の付いたダンジョンだったよな」


「今この世界に現れているバチカン、兵馬俑、済州島、チェルノブイリ、その外に三か所あるのか?」

「恐らくな、今回核が持ち込まれてた沖縄は第一候補じゃ無いか?」


「翔君? 向こうの世界のマップデータは今でも見れる?」

「何か気付いたのか香奈? 紙に転写したのを持っていたはずだ。マップスキル自体はこっちの世界だと、こっちの地図しか表示しないからな」


「その地図をちょっと貸して」

「良いけど何するんだ?」


「この地図にこっちの地図を大きさを揃えて重ねてみるよ」


「おお、香奈。凄いじゃねぇか」


 現在ダンジョンが確認されている四か所が、ぴったりと向こうの世界の七つの大罪ダンジョンと重なってるし、沖縄の位置にもあった。


「あと二か所はニューヨークと福島か」

「イルアーダの作成チーム自体が日本出身のプログラマーだったはずだから、不思議の無い場所配置かもね」


「よーし俺はとりあえず、洗脳されてた四人の精神支配を解いて今回の黒幕探しを始める。みんなも他に気付いた事なんかを調べてくれ」


 俺は、ほぼ間違いのない残り二か所の情報を、カーネル大将と斗真さんにそれぞれ伝えて厳重な警戒態勢を取って貰う事にした。


 今の福島に更に核弾頭なんかで攻撃を与えたりすると、首都圏が壊滅する処の騒ぎだけで収まらないかもな?


 ニューヨークに核でも全くシャレになってないしな。


 ◇◆◇◆ 


「綾子先生はアンナや香織達が危険に巻き込まれない様に気を付けててね。なにか問題があれば能力使ってもいいからね」

「解ったわ。ホープランドは大丈夫なの?」


「そっちはアナスタシアとリンダが気を付けてくれる。美緒もいるし心配は無いはずだ」

「俺はどうするのが良い?」


「遊真もまだ今回の件に首を突っ込むには実力が足らない。陽奈ちゃんとGBN12のお姉さん達を守って上げて欲しい」

「解った。今は言う通りに動くよ。でも必ず、俺ももっと鍛えて翔にあてにされる存在になるからな!」


「おう、期待してるぜ遊真。アンナと香織にも言って置くけど不安が広がる事が一番危険だ。十分に気を付けながらも普段通りの生活を心掛けてくれ」

「「うん。解ったよ」」


 ◇◆◇◆ 


「カーネル大将、沖縄の実行犯の身柄を引き渡して欲しいんですが可能ですか?」

「翔君スマン。それは出来ない」



「え? どういう事ですか?」

「四人とも、もう死んでしまった」


「……理由は? 何があったんですか?」

「あの四人が所属していた大隊の少佐が四人を射殺して自殺した」


「理由が全く分からないですね? 単純に上官としての責任でやったのか、何らかの口止めなのか」

「遺書も何も残っておらず、こちらでも状況が掴めていない」


「とにかくニューヨークの警戒を徹底して下さい」

「解った。何か判ればすぐに翔君に連絡する」


 ◇◆◇◆ 


『一年Cクラスの松尾翔君、職員室までお願いします』


 昼休憩の時間に校内放送で呼ばれて行って見ると明石さんが瀬古先生と話をしていた。


「明石さんお久しぶりです」

「松尾君久しぶり」


「明石さんの要件なら断れないですけど何の話ですか?」

「そう言って貰えると助かるよ。七月の世界陸上に参加して欲しいんだ」


「七月なら大丈夫ですよ。八月はボクシングの試合が立てこむので」

「そうか、よろしく頼む。競技は日本が不得手な競技で、十種競技(デカスロン)を頼みたいんだけどいいかな?」


「へぇ、意外な競技でした。大丈夫ですけど競技に参加した事ないので、標準記録とか持ってないですよ?」

「来月頭の国内大会で記録だけ作って置いて欲しいんだが急で済まないね」


「大丈夫です。ゴールデンウイーク中って言う事で間違いないですね?」

「ああ、そうだね」


「一応ルールやなんかが、解り易く説明して有る物があれば用意して置いてください」

「ああ解ったよ。練習は今、瀬古先生にもお願いしたんだけど学校の施設を利用して貰って構わないから」


 俺は七月の世界陸上に向けて練習を始める事になったぜ!

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