第81話 高校生活って騒がしいぜ
入学式に先駆けてクラス発表が張り出してあったんだけど、当然の様に御都合主義で俺と遊真とアンナと香織と陽奈ちゃんは同じクラスだった。
一応全員進学コースで入学してたし可能性は高いと思ってたけど、これはきっと理事長とかが気を使ってくれたのかな? 若しくは作者の都合上かもしれないけど……
結構な有名人の俺達がここに入学する事はそれなりに知れ渡っていたし、クラス割を張り出していた掲示板の前では俺達と同じクラスになった子達とそうでない子達が悲喜こもごもの嬌声を上げていた。
入学式の後は簡単なホームルームがあってすぐに解散だったんだけど、俺達の周りにはクラスメイトが殺到してきて簡単に脱出と言う訳には行かなかった。
いっぺんに来られても名前と顔覚えるのが大変だぜ、まぁ覚えれるんだけどね。
でも一人づつ対応するのはちょっと大変すぎるから「みんなこれからクラスメイトとしてよろしくね! 俺の事は気軽に翔って呼び捨てで頼むね! 今日はこの後ちょっと香織やアンナ達も一緒にテレビ局呼ばれてるからゴメンけど先に帰らせて貰うね!」って言って一気に脱出したぜ。
まだ両親は保護者説明会って言うのを聞いてて、帰れなさそうだけど遊真以外はみんな帰る所が同じマンションだから遊真も一緒に俺のマンションについて来た。
「なぁ遊真もここに部屋一つ用意するから、こっちから通えばいいじゃん?」
「それもありだけど、折角家族で一緒に暮らせる環境なのに、態々家を出る必要も無いしな。高校生らしく実家暮らしをするよ」
「そうか、まぁ一緒に暮らせるうちはその方が良いのかもな」
「翔は両親は名古屋だろ? こっちのビルには完全に一人暮らしなのか?」
「いや、俺の場合一人って言っちゃうと色々面倒事が降りかかりそうだから、一応家族がしょっちゅうこっちに来ているって言う事にする。隣は綾子先生だし、アンナ達もみんな同じフロアだからな」
「でもさ、何でこんなでかいビルなんだよ? 何部屋あるんだ?」
「今泉さんに任せてたから、俺も見てびっくりしたけど、三階まではテナントの事務所とか入ってて、四階がマンション住民の共有スペースで、スポーツジムとかラウンジになってて、五階から上が三十階まで1フロア八部屋だから二百八部屋かな?」
「最上階と二十九階はフロア自体にカードキーが無いとエレベーターも上がらない構造だからセキュリティーも問題無いしな」
「一体いくらで買ったんだ?」
「建築途中の段階で今泉さんが先を見越して一棟丸ごとで交渉始めてたらしいから、そんなに高くないって言ってたぜ?」
「でも二十三区内でこのサイズのビルのオーナーって凄いな」
「法人所有にしてあるから、そんなに凄くは無いよきっと」
「ねぇ翔君、部屋の間取りって全フロア共通なの?」
「各フロア八部屋って言ってたし同じだと思うよ?」
「アンナ達の部屋と同じ1LDKタイプが四部屋と2LDKが二部屋、4LDKが二部屋かな? 4LDKはリビングも三十畳はあるし、結構広いよ。アンナ達の部屋はどうなの?」
「広さは十分すぎるよ! リビングが二十畳くらいかな? ベッドルームは六畳くらいだけどウオークインクローゼットが三畳くらいあるし、玄関とかも凄い広いよね。お風呂もメチャ広いし」
「家賃を普通に設定したら、アンナ達の部屋でも二十五万円くらいだって言ってたしな。勿論所属タレントはみんな無料だけどね。香奈たちは親子三人で俺の部屋の真下の4LDKだし」
「待遇良すぎだよね。昨日言ってたGBN12のお姉さんたちは今日全員の所属事務所に今泉さんがそれぞれ連絡入れてくれるんだって。なんかみんな凄い喜んでるよ」
「お姉さん達も移籍問題が片付いたらみんなこのマンションの中に部屋を用意してあげるからね。賃貸では今の所百八十部屋分募集出してて、掲載から一週間で全部屋賃貸決まったって言ってたからね。今泉さんも事務所をここの二階に構えて、不動産関係の専門の人とかもパートナーで入れるって言ってたし。頑張ってるよね」
「そろそろテレビ局行かないといけない時間だね。綾子先生が運転するって言ってたけど大丈夫なのかな?」
「先生、めっちゃ運転上手だよ。送迎用のアルファードも事務所で用意したし、俺は先生よりも美緒のランボルギーニの方が怖いよ。ホープランドでランクル運転させた時は滅茶苦茶飛ばしてたからな」
「美緒さんは殆どこっちに居ないんだよね?」
「ホープランドももう二十万人近い人が居るからな。バチカンの人達が色々協力してくれるけど任せ過ぎちゃうと宗教色が濃くなりすぎるから、アフリカ出身の女性達に自治をして貰う為の手助けで色々忙しいみたいだよ。でもそっち方面はナーシャが協力してくれてるから全く時間が無い訳では無いからね。結構転移門で戻って来てるよ。温泉入りに」
「ホープランドの温泉はどうなってるの?」
「施設の建築を中央アフリカの国の業者に頼んでるから、結構時間が掛かるみたいだね。まぁ別に急ぐ必要も無いんだけどね。アメリカがホープランドに全面協力を約束してくれたから、結構難民の人達も安心して来てもらいやすい状況にはなったんだけど、まだまだアフリカでは男尊女卑で有ったり、部族ごとの勢力争いであったりする考え方が根強いから、人の意識改革の方が難しいよね」
「なんだか翔君も凄い真剣に取り組んでるのが解るよ。私達も出来るだけフォローして上げたいな」
「でも、俺達が『カラーレンジャーズ』の格好以外であの街に存在する訳にはいかないからね……あ、思い付いた。GBN12でさ今度難民支援の応援ソングやってみない? 世界中の言語バージョンでレコーディングしてさ。話題作りにもなっていいんじゃないかな? 国連難民高等弁務官事務所【UNHCR】にCDの印税の半分くらい寄付するって、言う触れ込みでやったらよさそうだね。早速綾子先生と今泉さんに相談して企画練ってみよう」
アンナと香織もその意見は気に入ってくれたようで、高校在学中のタレント活動の指針的な位置づけにしたいとか言い出した。
綾子先生の車でメインメンバーの四人と俺を乗せて、都内のお台場の局に移動する途中で綾子先生にさっきの話を提案してみたら、先生も気に入ってくれたので、今日の収録が終ったら今泉さんと待ち合わせて具体的な案を詰める事に成った。
大雑把だけど、高校生活での目標が決まってなんだか楽しくなって来たぜ!




