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出戻り勇者は自重しない~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~  作者: TB


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第64話 プロアマトーナメント①

 先週の文化祭での騒動がSNSで大量に晒され俺の進学先の本命か? とワイドショーでも話題になってた。


 もし落ちちゃった時に、めちゃくちゃ恥ずかしいから勘弁してほしいよね……

 

 今週は木曜からプロアマトーナメントが開催される為に学校にお願いして木曜日から休みを貰っている。


 まだ決勝ラウンドまで残れるかどうかも解らないのに土日はGBN12の応援がテレビ局の主催で予定されていて、もし予選落ちした場合でもサイン会などのイベントに付き合わないといけないから頑張ってなんとか残りたいぜ!


 だって予選落ちして握手会とか絶対罰ゲームだよね?

 黛さんの主導でデザインされたゴルフクラブセットの売れ行きも好調だそうで、一セット三十万円もするのに既に予約待ちの状況らしいよ。


 俺のゴルフチャレンジを追いかけるテレビ番組も好調な滑り出しを見せており、全国的にゴルフブームが再燃してきてるんだって。


 特に俺の家の近所のゴルフ練習場なんかはテレビでも実際に放送されちゃってて、俺専用ゲージを常に開けて置いてはくれるけど他のゲージは連日超満員状態なんだって。


 俺がゲージに入って練習始めたら後ろで見る人の数も半端ないし、ちょっとやりにくい感じもするけどしょうがないかな……


 ◇◆◇◆ 


 水曜日に学校終了後、倉田さんと黛さんが迎えに来てテレビ局の用意した車でプロアマ大会の開催地へと移動になった。

二時間ほどで到着して今日は近所のビジネスホテルに泊まることになる。


 プロアマ大会は出場者も多くラウンドは朝七時からスタートだし、その前に最終調整で少し練習したいから六時にはゴルフ場に来ていた。

 今日と明日のラウンドで上位六十四人までが土日の決勝ラウンドに進出できるんだって。

 百人丁度の出場者だから三十六人が予選落ちするってことだね。


 アマの参加者は二十人が選ばれていた。

 この出場枠は予備大会が有ったりするわけでは無くて、あくまでも主催者や協賛企業からの推薦枠だけらしい。


 それでも最低条件はあってハンディキャップがシングルと言うのが基準なんだって。

 俺自身は、まだ今日までにラウンドは二回だけしか経験が無いんだけど両方ともアンダーパーでは回れていたから問題は無いと判断して貰ったみたいだ。


 テレビ局のクルーから前回の撮影の時に「参考にしてください」って言われて渡されたのが昔の漫画で猿顔の男の子が主人公のゴルフ漫画だった。

 十九冊の単行本を渡されたぜ。


「翔君もなんか必殺技みたいなの考えておいてね」て、凄い笑顔で言われたけど必殺技って……ゴルフで人殺さないんだからね?


 でも折角だから俺もそれなりに考えては見たんだよね。

 倉田さんから渡されていたコースレイアウトを参考に脳内シミュレーションをしてここはワンチャンショートカット出来そうかな? とか、池の手前で刻むところは確実に池越えを狙っちゃえとか華のある展開を考えたんだ。


 流石に漫画にあったような旗直撃で絡ませて落とすなんて言うのは現実問題として出来そうにないよね? 旗を狙うような直球で、もし旗が風でなびいて外れたらOB確実だからね?


 相変わらずグリーン上では倉田さん頼みだけど、このコースは倉田さんも初めてらしくて芝目の読みとかが難しそうだと言ってた。


 自分でグリーン上の読みなんて全然できないから倉田さんが読めなかったら自爆確実だな。

 むしろ転がすよりウエッジでバウンドさせる方が寄せる自信があるけどね。


 今回のコースは比較的簡単なコースレイアウトでアンダーパーじゃ無いとほぼ予選通過は無理だろうって予想だった。


 四日間のトータルスコアだと、十五アンダー辺りが優勝ラインの予想なんだって。

 俺もそのあたりを狙って頑張るぜ。


 今回俺が、最も気になっているコースはアウトの五番四百九十五ヤードのロングホールだ。

 大きくドッグレッグしていて、俺のドライバーの飛距離だとショートカットが成功すれば1オンも狙える可能性がある。


 実際は大きな木がショートカットを塞いでいて、その木を超すような弾道の玉じゃ間違いなくOBになるような設計なんだけどね。


 でも諦めが悪い俺は秘策を用意してるぜ。

 内容はその時のお楽しみ! って事で。


 ◇◆◇◆ 


 平日の早朝にもかかわらず国内のトッププロも多数参加しているのに俺の組には多数のギャラリーが付いて来ている。


 俺の番組を制作しているテレビ局は勿論だけど、他の局の取材も沢山来ているから気が抜けないよね。

 今回は紳士のスポーツらしくタオルを首に掛ける訳にもいかないから、俺の尻ポケットにはハンカチが入っている。


 当然の様にメーカーのロゴが入ったオリジナルデザインのハンカチで全十二色のラインナップで一枚八百円もする。


 クラブハウスで十二色セットでギフトボックスに入っているのが1セット一万円で売られていて、今回百セットが用意されていて、サイン入りハンカチを五十枚用意しているので、二分の一の確率で俺のサイン入りハンカチが当たる可能性がある。


 流石に一万円のハンカチセットとかそんなに売れるもんじゃないだろうけどね?


 そしてラウンドはスタートした。

 俺はインスタートで十番ホールからの出発だ。


 実績上は何も結果を残してないので最初の組でのスタートになる。

 三百九十五ヤードパー4のコースは中間地点に川が流れていて一打目を川越か手前で刻むかの判断をさせるコースだ。


 当然俺は川越えを狙う。

 三人一組で回る俺の組はアマチュア三人の組み合わせだ。


 最初に握手を求められたから二人ともにしっかりと握手した。

 二十歳で大学生の佐藤さんと、三十二歳で会社経営をしているという真中さんという人だった。

 真中さんはプロで十分やっていける程の実力を持っているが、早くに家業の会社を継いでしまったためにプロへの道を諦めたんだって。


 佐藤さんはインカレのゴルフ大会で優勝経験もあるらしい。

 一応公式試合なのでハンディの低い真中さんがオナーで競技は始まった。

「ナイスショット」の声がギャラリーから上がる。


 会社経営を行っている人らしく川の手前に刻む堅実なショットだった。

 佐藤さんは川越えを狙って、川は超えたけどフェアウェイは外してしまった。


 そして俺、アプローチに入る寸前まで声援で騒がしかったけどピタッと静寂に包まれた中、第一打を放った。


 三百ヤードを超えるスーパーショットはフェアウェイど真ん中をキープしてグリーンまで七十ヤード程の距離だ。


「良し! 狙い通り」


 俺は最近の倉田さんとの練習の中で七十ヤード以内だとほぼ狙いの五メートル以内にピッタリ止めるショットを放つ事が出来るようになっていた。


 一緒に回る二人は俺のショットに驚いていた。

 結局第一ホールから


真中 4  0

佐藤 5 +1

俺  3 -1


 と好調なスタートだ。

 ギャラリーの歓声も凄いぜ!


 十一番ホールは三百七十三ヤード、パー4のまっすぐのホールだ。

 俺がオナーでスタートする。

 思いっきり叩いたドライバーは、ワンオン目前の三百五十ヤードの飛距離を出した。


 あまりの歓声の凄さに係員の人が『お静かに』と書いたプラカードを大きく掲げた。

 

 このホールは三人共にバーディだった。


真中 3 -1

佐藤 3  0

俺  3 -2

 

十二番ホール 百八十五ヤード パー3


 オナーは引き続き俺なんだけど佐藤さんに譲った。

 キャディの倉田さんと少し打ち合わせをする。

 当然1オン狙いだけどクラブは何が正解かでの打ち合わせだ。


 俺なら五番で十分だけど倉田さんは三番を薦めた。

 グリーンの形状からして手前に落とすと奥まで転がるから、奥に落として逆に回転を掛けて戻してほしいとの要望だった。


 俺はその案を受け入れて三番で狙った。

 結果は……


 飛びすぎちゃった……


 グリーンを超えたラフに突っ込んだ球はちょっと埋まったような感じで、難しい感じだな。

 何とか2オンして残り五メートルのパットは登りラインだったから、倉田さんの言う通りに狙って捻じ込めた。


 佐藤さんがバーディを決めて真中さんはパー


真中 3 -1

佐藤 2 -1

俺  3 -2

 

 中々接戦だ。


 そんな感じで初日の前半インの九ホールを終えクラブハウスへ戻ると黛さんが日頃は冷静なのに少し慌てて駆け寄ってきた。

 

「翔君、大変なの、百セット用意したハンカチが、わずか十五分で売り切れちゃって、ちょっとした騒動になっちゃったのよね」


「マジっすか。なんで一万円もするハンカチがそんなに売れるんだろ……」


 訳わかんない状況だ。


「本社から要請があってね、翔君に今日ラウンドが終わったら、お願いしてサインハンカチ二百枚位用意して貰えないかな? って頼まれちゃったんだけど大丈夫かな?」

「まぁしょうがないですね。前半の調子ならほぼ初日、足切りは無いと思うから頑張ります」


「翔君何言ってるんですか? 足切りどころか翔君の組の三人は揃ってベスト10に入ってるんだよ? 」

「えっ? そうなんですか? みんな同じ感じだったから実感わかなかったです」


九ホール終了時点で


真中 -3

佐藤 -2

俺  -4


 というスコアで、まだ全組が九ホール終わってる訳じゃ無いから、暫定だけど俺は全体でも首位タイのスコアなんだって。


 一安心だぜ!


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