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出戻り勇者は自重しない~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~  作者: TB


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第51話 魔王が知ってる秘密

 夏休みも終わり、新学期が始まり俺の忙しかった夏もようやく一段落した。


 学校では五輪の活躍やモトクロスの世界選手権での姿を、これでもかと言うほどに囃し立てられ若干煩わしいとは思いながらも笑顔で対応したよ。


 アンナ、香織、陽奈もGBN12のメンバーとして、いきなり全国区のアイドルになってしまって、日本中から注目を浴びる存在になっちゃってたけど九月からは学業優先と元々決めていたので、ちゃんと教室に揃っている。


 香織の主演する映画は、主要出演部分を夏休み中にほとんど撮影してあり、後は編集作業が終われば来月から公開される予定になっている。


 俺の出演シーンもあるから見に行くのは照れ臭いけど地元の大きなシネコンで舞台挨拶のイベントは入ってたな……

 綾子先生も俺達の卒業までは担任の先生として頑張ってくれる。


 それ以降は俺の表向きのマネージメントをする会社でマネージャーとして活躍してもらうことが決まっている。


 まだまだ俺もGBN12も、世間からの認識は未成年の子供だから色々と大変なんだよね。


 ◇◆◇◆ 


 先週の半島国家で行った左派勢力の排除に関しては、アナスタシアらしからぬ不手際で、あわや全滅の危機に陥った所を『COLOR RANGERS』で不測の事態に対して警戒していた俺達が助け色々な新事実とともに解決した。


 結局ロシアの黒幕はハーフエルフの正体を持つヤリマンスキーで、こいつは行動基準が世界の支配とかそう言う野望がなく、単純に女にもてたいとか楽して稼ぎたいとか根っからのいたずら好きのグータラ種族の特性のまま、子供のような思考で行動していただけなので脅威になるとも思えない。


 面白半分に各時代の支配者を焚き付けては居たが目的が無いので、そこまで大きな影響力は残していなかったようだ。


 イルアーダで知り合った他のエルフ達も、俺は知り合いが多いが、この種族は寿命が他の種族と比べて十倍以上あるために、あまり人間の世界の政治などには興味を持つ事も無く自分に危害が及ばない限りは、ほとんどのエルフ達は自分の趣味を極める生活を行っている。


 このヤリマンスキーと言う男はエルフと人間のハーフではあるが、この世界では結局異種族でしか無い自分の存在を理解し、表舞台に立つことを嫌い本来の自分の世界へと戻る方法を探している状態だ。


 でも、行動がポンコツだよな。

 何で銀行の金庫を襲ったりするのか意味解んないよ?


「ねぇ翔、ゴメンってぇちゃんと話すから機嫌直してよぉ」

「なんか信用出来ないから出禁な」


 今俺に、そう本気で謝っているとも思えない謝罪をしているのはイルアーダで俺が討伐するラスボスとして君臨した魔王、見た目はツルペタロリ少女だが精神年齢は四十三歳を迎える『香奈』だ。


 こいつは俺が知らない事実をどうやら知っているようだ。

 実際、俺に倒されて先にこの世界に戻ってから、いち早く自分が倒されて戻った事実から自分が過去に倒した存在である、ヤリマンスキー達がこの世界にいることを理解していたにも関わらず俺には誤魔化していた。


 俺がヤリマンスキーを最初に鑑定した時にハーフエルフである事を看破出来なかったのは香奈の父親を介して既に面識が在ったヤリマンスキーに隠蔽を施していたのが香奈だったからだ。


 この世界とイルアーダを繋げる鍵となる魔物の存在する場所、バチカンの地下、中国の兵馬俑、ウクライナのチェルノブイリの三箇所に関しても、こいつは何かを知っているはずだ。


「じゃぁ翔は私の協力無しで魔物の襲撃からこの世界を守れるの?」

「ちょっ、香奈それはどう言う事だ? この先この世界を魔物が襲うって事か?」


「今すぐは大丈夫だけど、そんなに猶予は無いわよ? 実際チェルノブイリでは既に外に出てきたでしょ?」

「誰かの意志なのか?」


「向こうの世界では普通だったけどレベルや能力値やJOB、スキルなんて自然発生すると思う?」

「そう言われてみるとおかしいな? ゲームのシステムとあまりに似通っているし」


「でしょ? 作られた世界なのよイルアーダは。問題は誰が作ったか何だけど世界を作り上げる存在は神様だよね?」

「でも発想は、せいぜいRPGゲームの開発会社と同じだよな? ラノベ作者とか」


「正解だよ。今から十年後に開発されるラノベ系テンプレ世界を舞台としたヴァーチャルリアリティ型のフルダイブゲームの人工知能が勝手に進化してしまって、その時点で接続していた世界中の八千万人を超える人々を取り込んだ世界がイルアーダだよ」

「ゲームの世界なら何で、この現実の世界で俺が能力を使えたりしてるんだ?」


「そこが謎なんだけど私は邪神の力を利用した四天王に呼び出されて魔王になったわ。勇者は、創造神の力を利用したビッチ姫が召喚するでしょ?」

「邪神と創造神の存在を突き止めれば答えは出るかもね?」


「なんか納得は行かないが香奈は実際はどうなんだ俺の敵なのか?」

「違うわよ、知りたいだけよ真実を。ただ向こうの世界で三十年も過ごしてたから色々考えちゃうのよ、私は男じゃないから翔みたいに向こうの世界で、自由に恋愛を楽しんだりしてないし、四十三歳で処女のままだったからね」


「あーなんかそれは色々考えが拗れそうだな」

「私が向こうの世界を疑ったのは重要NPCの存在が在ったからだよ。例えば四天王とビッチ姫、いつまでも歳とらないし絶対死なないのよね。エルフじゃないのに」


「そう言えばそうだな、俺はあの姫のビッチさに気づいてからは、距離を置いてたけど確かに十四年経っても見た目は十台後半のままだった」

「と言う事で隠し事はしないから、ちゃんと今まで通り仲間にしてよね。私のバージンも捧げるから」


「それは別にいらないし自由に恋愛は楽しめよ」

「翔以外の相手を見つけるとか無理だし、ハーレムメンバーで構わないから、そこは納得してよ」


 まだ納得行かないことも多いが、香奈の言ってることも嘘だとは思えない。

 俺が力を持ったまま、この世界に戻れた事にも意味はあるはずだ。


 いいだろう。


 解き明かしてやるぜ『イルアーダ』の謎を!

 そう言えばアナスタシアは前回のミッションでスペツナズを抜けて、『COLOR RANGERS』に入れろとしつこかったから全員で多数決を取ったら「まぁ秘密知ってるし、しょうが無いんじゃない?」と言う意見が多くてホープランドでボランティアを一年続けたら、採用すると伝えたら「何それ、凄い楽しそうじゃない」と二つ返事で受け入れた。


 イヴァンは秘密を守る事は約束してもらった上で組織に残るそうだ。

 今後カーネル大将の組織とも連絡を取り合い、この世界の危機に関しては国境を超えた協力を約束してくれている。


 ◇◆◇◆ 


 今週は俺のボクシングジュニアチャンピオンズリーグ全国大会が開催される。


 後楽園ホールで行われるこの大会はプロボクシング連盟の主催する、アンダー十五の日本チャンピオンが決定する大会だ。


 今日優勝すれば十二月にアマチュアボクシング連盟のアンダージュニアのチャンピオンとの王座決定戦を戦う。


 俺の目標は来年度デリーで行われるアマチュアボクシングの世界大会での優勝を果たし、プロA級デビューから最速での世界チャンピオンを目指すことにある。


 土曜日曜の二日間で全国四ブロックから勝ち上がった四人によるトーナメントによる大会だけど小学生、中学生で別れ更に男子、女子で別れているので男子十六階級、女子十三階級が存在する。


 初日だけで五十八試合も行われる。


 会場にはテレビ局も来ていてGBN12も応援に訪れている。

 当然のようにボクシング応援用に書き下ろされた新曲の披露も兼ねているので会場は超満員になっている。


 俺の初日の試合は西日本ブロックを勝ち上がってきた選手との試合で、全試合をK.Oで勝ち上がってきた強豪だ。


 手数の多さが判定に直接繋がるアマチュアボクシングの試合らしく、K.Oを狙わずに判定勝ちを狙ってみようと思い応援に来ていた会長にも方針を伝えた。


「翔がそれでいいなら、俺は別に何も言わねぇけど手を抜くことは相手に対しても失礼だから本気は出せよ」と言われた。


 なるほどなぁ、と思いながら試合に臨んだ。


 ゴングとともにフットワークを使い鋭いジャブを繰り出して様子を見ることにしよう。

 と思い左からジャブを三発繰り出した。


「あれ?」


 一発目のジャブでガードを大きく弾かれた相手の選手に、二発目と三発目のジャブが突き刺さって、そのまま倒れてしまった。


 コーナーに下がった俺の前に再び相手が戻って来ることはなく、1R20秒で初戦が終わってしまった。


 「翔、言ってる事とやってる事が違わないか?」

 「健人さん達のスパーと同じ入り方をしてみたら、ガードが弾け飛んじゃったから止まらなかったんです」


 プロの世界戦を控えた健人さんと同じレベルで考えたら駄目だったな……

 だって会長が本気でとか言ったからしょうがないじゃん!


 初戦を終えて、テレビ局的に物足らない映像になっちゃったから悪いかな? と思ってインタビューには丁寧に応じてあげたよ。


 後は試合後に他の階級の選手達には、みんな希望者にはサインと握手してあげたぜ!

 小学生達や女の子達はみんな喜んでくれたからいいよね?


 ボクシングやってる女の子達はみんな腹筋とかバッキバッキに割れてて、結構カッコいいよね。

 ついつい目がいっちゃうよ。


 でも香織達は俺の視線の先をチェックしてて後で結構突っ込まれたよ。


 二日めは各階級の決勝戦だ。


 俺の相手は凄いコワモテの選手だった。

 バッチバチにメンチ切ってきて凄い怖いよ。


 見つめられたら怖いから、ゴングと同時に潜り込んでボディに一発突き刺すと一発目は耐えた。

 でも、相当効いたみたいで足がベタ足になっちゃってる。


 でもやっぱり顔が怖いから早く終わらせようと思ってヘッドギアの上からワンツーを叩き込むとそのまま終了した。


 やっぱり中学生クラスの大会に出ちゃうと、しょうが無いよね?


 これで次は十二月の統一戦だぜ。

 それでも観客席はちゃんと盛り上がってくれたから、まぁ良いだろう。


 明日は学校に行った後でゴルフの企画がスタートするんだったな。

 一応俺の自宅の横にマネジメント会社用の社屋も用意できたし、そこでメーカーの人との打ち合わせシーンから撮影するみたいだよ。


 自宅の側にある、ゴルフの打ちっぱなしの練習場ともメーカーが契約していて、いつでも好きなだけ練習できるようになっている。


 そこの練習場も俺の人気にあやかって一気に会員数を増やそうと色々企画してるみたいだけど頑張ってゴルフ人気も盛り上げたいよね。


 ボクシングが終わった後は会長の奢りで東京で美味しいお寿司を食べに行ったよ。

 こういう面倒見だけは凄く良いから普段少々やらかしちゃっても、なんか許せちゃうんだよね。


「来月のラスベガスは、よろしく頼むぞ」と念を押されちゃったけど。

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