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出戻り勇者は自重しない~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~  作者: TB


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第39話 V1orV8?

今日は折角お昼はゆっくり出来ると思ったけど、加山会長の頼みで世界チャンプの弟君のスパーに駆り出されて、あんまりゆっくり出来なかったよ。


 でも、アマチュアの世界レベルが大体見当付いたし、悪い事では無かったかな?

 今プロデビューをしたなら、一番世界チャンプに近い存在だと言われてるのが今日の弟君だったらしいよ。


 そうだとしたらさ、加山ジムの五人全員世界チャンプになっちゃうかもね?

 何が彼らを急激に育てたのかを、冷静に考えるとやっぱり『目』かな?


 パラパラ漫画を十分程見ると、バッティングセンターで自分が普段当てることが出来ないような、スピードボールに対応出来るようになるって言う実験を前にやってたけど普段から俺のスピードに合わせて練習してるうちに、強くなっちゃったと思うのが一番考えられる結果かな?


 まさか……この世界には魔素が基本的に存在してないけど、俺は体内に膨大な魔素を蓄えてるし、魔獣の魔石もアイテムボックスに大量に保有してる。


 その魔素が俺が運動している空間では撒き散らされて、少量ずつでも吸収する事で基礎能力のアップに繋がっている、なんて事は無いだろうな?


 だとすると、スイミングクラブの子達のタイムなんかも影響出そうだな、ちょっと所長に確認してみなきゃ。


 ◇◆◇◆ 


 十九時からの夜の部の競技のスタートにあわせて十八時三十分に競技場入りをした。

 基本的に、俺はアップなんかは余り必要としないんだけど、採尿なんかがあるからしょうがなく早目に行くしか無いんだよね。


 でも二十二時までは殆どやることが無いし、俺がフィールドやトラックをウロウロしても変に歓声が上がって、競技の邪魔になりそうだし選手控室でテレビで応援するくらいしかやる事がないよな。


 今日は遊真と綾子先生と両親は来てくれるけど、GBN12は準決勝を迎えた横浜球場の応援に行っている。

 盛り上がってるんだろうね!『ガンバレニッポン』だぜ。


 で、二十一時三十分になって漸く出番が回ってきた。

 明石さんが念入りにマッサージとかしてくれたから、身体は凄く調子いいし体調は万全だ。


 本来明石さんは直接選手のマッサージとかするような立場じゃないんだけど、ここまでまだ日本にメダルの獲得が陸上競技ではない状況だから、俺に掛ける期待度はそれだけ切羽詰まってるんだろうね。


 トラックに姿を現した俺は四コースでのスタートだ。

 クラウチングスタートもだいぶ慣れてきて、蹴り足の強さは自信があるので他の選手と比べても出遅れることはないぜ。


 会場は、完コピパフォーマーが一生懸命に応援してくれて、今日一番の盛り上がりを見せている。

 アメリカやジャマイカの陸上界のスーパースターと呼ばれる選手が勢揃いした舞台だ。


 俺はその中で現役の世界レコードホルダーとして挑む。

 スターティングブロックに足を乗せ「On your marks」の声がかかる。

「Set」の声が聞こえ号砲が鳴る。


 綺麗なスタートだ。

 百二十メートルに渡る曲線区間を走り切る時点で既に先頭に立っていた。

 残り八十メートルの直線区間はグングン引き離していく。


 二着以下を大きく引き離したゴールだ。

 注目される表示は、O.R(オリンピックレコード) W.R(ワールドレコード)の二つの表示が並ぶ。

 注目のタイムは……


 18秒85


 【OCSC】時の世界記録を更に縮めてのゴールだった。


 会場はもう総立ちだ。

 今日競技場内に居る全ての選手が集まってきている。


 俺はここで迷った……

 指何本が正解なんだ?


 陸上では最初だけど金メダルは八個目……どっちが正解だ?


 多いほうが盛り上がるか!

 右手をパー左手を指三本立てて会場にアピールし、みんなも合わせてくれている。


 そして大きく両手を天に向けて突き上げた。

 集まってきてた選手達も観客も全員が指八本を突き上げてた……

 

 と思ったら、明石さんだけは指一本を高らかと突き上げてた。

 立場上そうなんだろうな……苦労が多そうだね……明石さん。


 時間的にもう二十二時直前になってるので、色々問題が在るから早々にトラックから引き上げさせられ、当然囲み取材もなくマスコミ的には残念な展開の中、俺は両親に送られて選手村へと戻った。


 選手村では沢山の選手から祝福の言葉を掛けて貰い、今日の夕食は選手村で海外の選手達に囲まれながら食べる事にした。


 選手村で視るテレビ番組は、当然のように俺の走る二百メートル走を何度も映し出している。

 手を広げて突き上げる姿もだ。


 周りで一緒にテレビを見ている外国人選手達は、凄く乗りのいい人達が多くて放送を見ながら俺と同じ様に指を八本立てて突き上げるポーズまでしてくれてたけど、目の前でやられると結構恥ずかしいよね……


 そう言えばアナスタシア達はどうしてるのかな?


 ◇◆◇◆ 


 明日の午前中は、またテレビ局へ呼ばれてるよな……競技は夜の千五百メートル準決勝だけだから少し余裕はあるし、明日の局は友好的な番組だったら良いけどね。

 メンタルは結構強いつもりなんだけど、色々なテレビ局のいろんな番組に出ると、テレビ局毎に方向性ってあるんだよなぁって言うのが解ってくるよね。


 素直に楽しもうって言う方向性が明確な局と、物事を曲解して捉えて裏側を探ろうとする事がメインな感じの局があって、当然キャスティングもそれに応じたキャスティングになってるんだよね。


 メインパーソナリティーの人は、きっと構成作家さんの台本通りに進行してるから、必ずしもその通りの性格じゃないかも知れないけど、良い意味でも悪い意味でもプロだから、完全にその役に入りきっちゃってて、俺みたいに殆ど初対面で合う場合は、その演じてる役柄を本人の性格だと思っちゃうんだよな。


 まぁ俺が考えてもしょうがないか、その人達もそれを仕事としてお金を稼いでるんだから、それで俺が嫌いと思ったら諦めてもらおう。


 ◇◆◇◆ 


 翌朝は八時からの番組だったんだけど、三十分前には両親と綾子先生の付添の元でテレビ局に到着していた。

今日はGBN12は午前中から応援の仕事が入っているので出演は俺だけだ。


 すると当然のように出演予定の生情報番組から、一つ前の時間帯の生放送の時間帯で出演をお願いされた。

 この前の事があったから一瞬考えちゃったけど、局の司会者の凄く感じのいい人が、女性アナウンサーさん達を引き連れて、中学生な俺を低姿勢で迎えに来てくれたから、これは断れないよね。


 結局、出演してよかったと思った。

 局アナさんという人は本当に常識的って言うか、相手が誰であろうと立てる事を忘れない接し方が出来るんだなぁ、正にプロ! って感じで少し憧れちゃったよ。


 気分を良くしたまま、次の時間帯のモーニングバラエティ番組に出たけど、こっちは癖が強い芸人さんがメインの番組で、凄いフレンドリーな感じでグイグイ来てたけど嫌な感じはしなかったな。


 息子さんが俺と同年代で、息子と同じ様な感覚で扱ってくれてるみたいだ。

 でも、この番組には地元の市長さんが中継出演してて、既に五輪後の表彰の話題とかになってきて、俺的になんて答えていいか迷っちゃったけど、今日のM.Cの芸人さんが大事な事を教えてくれたんだ。


 俺がもし、これから当然授与されるであろう、国民栄誉賞を始めとする各褒章を、何らかの理由で辞退したりすると、他にも沢山の資格者が居ても、もっと凄い記録を出してる人が辞退してるのに自分は貰う事で、賞自体の格が下がって捉えられてしまう。


「他の有資格者達の為にも気持ちよく受賞して下さい」と、ここだけは敬語で頼まれちゃったよ。 


 成程な! と思ったよ。

 俺にしてみれば、ここは通過点で、国民栄誉賞なんて烏滸(おこ)がましいから、辞退しようって確かに考えてたんだよね。


 他の人達の貰う同じ賞の格を保つ為に、俺が受賞しないといけない義務がある。

 大事な事を教わった気がしたな。


 この芸人さんは何だか好きになったな、人生の先輩って感じがするよ。


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