第一章 プロローグ
オベリオ王国。
海に浮く島国である。
遥か昔、神々が降り立ち聖地と言われている。
神の血族で神聖力を継承するのが王家である。
そして、神の使いと言われる聖霊の加護を受ける家系が貴族として王家を支えてきた。
数億年の時を越え、ただの能力主義社会になりつつあるオベリオ王国。
高い能力を維持する為に政略結婚が主流になり家系を繁栄に導く事こそが当主の役割とばかりに、この国での女性の価値は生まれながらの能力だけだった。
その為、王家に次ぐ能力を誇る二大公爵家による嫁取り選びも過熱を極め国王も頭を抱える事となる。
何故なら、王家並びに二大公爵家であるミシェーレ家とダグラス家に同じ年に男児が生まれてしまったからだ。
近い年齢の能力が高い女児を取り合うのは目に見えていたからである。
この世界で、能力とは魔力量であり属性でもある。
これまで、能力は遺伝的な要素が多く劣るものから能力が高い赤子が生まれる事も無かった。
家系を維持する為に、能力の高い嫁を娶る事こそが重要とされてきていたのだ。
しかし、その常識を覆す娘が現れる事となる。
後に『神の落し子』と呼ばれる娘の名は、ミリティア。
これは、ミリティアのシンデレラストーリー。
小説【幻想の夜想曲】の世界観である。
その小説の世界に転生した私が、アリス・ミシェーレとして他人様の恋愛模様に巻き込まれ最悪な状況で前世の記憶を思い出すと言う、何とも小説の様な展開を開き直り生まれ変わる気で生きると藻掻いていく話だ。
女が子供を産むだけの道具なんて有り得ない!
義務で結婚?義務で子作り?
馬鹿にしてんのか?
こんな世界の常識なんてひっくり返してやるんだから!