力と力のぶつかり合い
「雪無は武器を使わないの?」
何も持っていなかったため雪梛はきいた。
「いや、使うわよー?ただ持っていなかったら取りに戻らなかっただけよ」
「そうなんだ。じゃあここは私も拳でいこうかな」
雪梛は香澄に刀を渡して間合いをとった。
「いいのかしらー?刀を使わなくてー」
「大丈夫だよ。刀が特段好きだから使っているってだけで何を使おうと実力は変わらないよ。ちなみに聞きたいけど急に火が出てきたり氷が出てきたりしたことはある?」
どうやら遠回しに魔法と呪文を使えないか聞いているようだ。
「そんな現象が起こるなら見てみたいわねー。じゃあ早速やりましょうか」
雰囲気が一気に変わり雪無は構えた。
雪梛はとりあえずミカエルは発動せずに見切りと立体的視認で観るようだ。
雪梛の準備が終わった瞬間に雪無は動き出した。
かなり速い速度で接近してきたが見切りが使用可能速度だったため回避からの先読み攻撃を選択した。
雪無は避けられるのがわかっていたのか行動後の隙が少なく難なく雪梛の攻撃を回避して距離をとった。
雪梛は雪無が距離をとることがわかっていたので流体無焦点による空破弾を一発撃った。
空気の塊が見えていたのか雪無は難なく回避した。
「これは朝月の技よね。面白いわね」
「準備運動はおしまいだよ。早速勝負といこうか」
雪梛は雪無に気づかれないように微量の魔力を放出して手を銃の形にして人差し指で標準を合わせて撃った。
『ブレイキングショット』
左肩を狙った一撃は見事まっすぐ飛んでいった。
雪無は魔力の塊が身体に触れた瞬間に反射的に進行方向に身体を回転させた。
少しダメージはもらったもののほとんどは流されたようだ。
「面白いわね。今のは何かしら?」
「別世界で習得してきた魔力ってものだよ。ここからは使わせてもらうからね」
雪梛はそういうと魔力を展開した。
「なるほどね。これは結構面白い技だわ。今度はこっちからいくわよ」
先ほどの速度とは比べ物にならない速度で雪梛に接近していった。
雪梛は試しの衝撃吸収を選択して待機している。
接近時の速度を拳に乗せて重く素早い一撃となった拳を雪梛の腹部に入れた。
流石に全て吸収はできなかったので少し放出をしつつ受けきった。
違和感を感じたのか雪無は即座に距離をとった。
雪梛はガタガタ震えながらもゆっくり近づいた。
「ど、どういう状況かしら?なんかやばそうなんだけど」
雪無は未知の恐怖を感じながらも準備した。
雪梛は観察眼で何らかの技を決めてくると把握したため近づきながら立体的視認を発動してカウンターの準備をした。
どうやら見た感じでは詩奈の流体拳に似ているようだ。
雪梛は接近してから腕を肩の高さまで上げて拳を構えた。
雪無は少し笑ってから拳を合わせた。
「わざわざ合わせてくれるのね」
「似た技を使うやつがいるからね」
二人は会話が終わった瞬間に同時に技を発動した。
『ダブルパワー』
『無焦点』
互いの力がぶつかり衝撃波が発生した。
二人はあまりの反動に抑えきれず仕方なしに吹き飛んだ。
雪無は着地時に受け身を取って雪梛は石にぶつかったが衝撃透過で無効化した。
両者腕の調子を確認したが少し内出血が起こっているようだ。
二人はとりあえず香澄と朝月の方に行った。
「今回はこれぐらいにしておこうか。それにしてもすごい技だったね。流石に高速連発は思い付かなかったよ」
「貴方こそすごいわねー。正直侮っていたわー」
とりあえず必要はないが安全確保のため街の中に入っていった。
「雪梛は今回どんなことを目標にしているのかしら?」
現在は街の中にある毎世界恒例のカフェにいるようだ。
まあ今回は朝月がすでにいるからそう変なことは起きないであろう。
「この世界では刀以外をなるべく鍛えるつもりだよ。同じものをやり続けるよりも似たものをやったほうが得られるものが多いかもだからね」
「それはいいわね。そういえば銃のポテンシャル的にはまだいけそうなのかしら?」
「全然いけると思うよ。流石に中距離じゃ厳しいかもだけど近接戦ならまだいけるはず」
少し言い聞かせるように言っていた気がするのは気のせいだろうか。
少しするとすぐに頼んでいた飲み物が提供された。
どうやら四人ホットコーヒーのようだ。
「んー、やっぱり美味しいわねー。ここのはいいわー」
どうやら雪無はここに何度かきているようだ。
「そういえば雪無、なんで街中は中立が保てているのかしら?見た感じ殴り合いや殺し合いが発生していないじゃない」
外があんな状況なので当たり前な疑問だ。
「その理由は簡単よー。単純に街中で争うほど元気がないのとそういうのが嫌いな人が大多数だからよー。外は無法地帯なのにここでやる利点が無さすぎるのよー。それに街中でそういうことをしたらここを出禁になってほぼ確で死ぬのよねー」
どうやら結構うまい具合にまわっているようだ。
「なかなか面白い世界にきたんやな。久しぶりや」
やはりイレギュラー枠は避けれられなかったようだ。
今回はてんちょうが唐突に亜空間を開いて出現した。
「あらてんちょうー。久しぶりねー」
どうやら雪無とはすでに知り合いだったようだ。
「雪梛、今回は刀使わんっちゅうことは体術の強化でもしはるんか?現在でもかなりの効率化は済んどるように見えるんやが」
「体術強化だね。まだまだ無駄が多いからね。今の私だと拳のみの戦闘なら基本無効化できるけど強い相手が来たらそうはいかないからね」
どうやら今回は衝撃系統の技とフルブレイク、パワードライブあたりが多く使われそうだ。
「貴方は何をしに来たのかしら?こんなこと聞きに来たわけではないのでしょう?」
「確かにそうやな。この世界ではこの中立都市と無法地帯の二ヶ所のみなんやがどうやって物語を展開しなるんかきになったのやさかい来たんや」
前回の魔王討伐編ではダンジョンや街の襲撃など色々なイベントが発生したが今回はどうなのだろうか。
「そこも問題ないよ。最悪本部の方に行ってイベントを始動するし森の奥から洞窟がっていうのも悪くないからね。まああとは原初も行きたいけど今はいいかな」
とりあえずの方針は決まっているようだ。
「まあ決まっとるんならええわ。あとアドバイスとして香澄の戦闘描写を増やしてみたらどうや?毎回少ななっとるのに雪梛に追いついていてかなり謎やで」
「なるほどね。それは確かに重要だから気にしておくよ」
この後は少し雑談をして朝月はてんちょうとともに原初に帰っていった。
カフェを出て二人は一旦家に帰るため出口に向かおうとした。
「どこかに向かうのかしらー。なにはともあれ気をつけてねー」
「心配ありがとう。でも家に帰るだけだから問題ないわ」
「どんなとこに住んでんの⁉︎」
雪無は大層驚いていた。
まあ実際作者以外には認識できない雪梛宅ぐらいしか無法地帯に建造物はないだろう。
「気になるならくる?結構安全な場所だったよ?」
雪無はどんな場所か気になるためついて行くことにした。
街の外に出ると二人は準備を開始した。
「雪無は高速移動ってできる?具体的には吹っ飛んでいく感じの」
「一応できるけど何をするのかしらー?」
「じゃあついてくるのよ」
香澄がそう言い終わると二人は流体拳で地面を蹴っ飛ばして吹っ飛んでいった。
「間に合うかしらー」
少し規格外なことに呆れながらもダブルパワーを発動して追いかけた。
吹っ飛びながら地面を見ていると確かに結構さまざまな場所で戦闘が起こっていた。
着地して2回目を発動して家を目指した。
何回か発動して家についてから少しするとすぐに雪無が来た。
「貴方たちなんて速度しているのよー。ギリギリ見失わなかったわー」
「あら結構早かったのね。ちなみに今回は角度を上げていたから少し遅めだったわ」
ちなみに街から雪梛の家まではかなり距離があることがわかった。
流石に外れすぎているためここは結構安全なようだ。
「こんな森のような場所があったなんて知らなかったわー。かなりいい場所ねー」
とりあえず家の中に入ることにした。
雪梛の部屋に集合して今後の方針を決めるようだ。
「あそこの無法地帯で戦いたいわね。もしそうなればあの頃を思い出すわ」
「そこなんだよね。実際無法地帯の戦闘レベルってどんなもんなの?」
「そうねー。すごい弱いって感じじゃないけど今の貴方たちじゃ面白みがないと思うわよー」
「そしたらこれはどう?」
雪梛そういうと強化状態を落として吹雪になった。
「制限のできるのねー。まあそれだったら少しくらいは面白いと思うわよー」
「そしたら少ししたらいくわよ吹雪。貴方はどうするのかしら?」
聞かれたら雪無は少し考えた。
「そうねー。私はとりあえず本部に戻って書類だけ片付けちゃおうかしらー。せっかく貴方たちが来たのに仕事に追われちゃもったいないものー」
飲み物を飲んだりして少しの間しゃべったあと解散となった。
解散後、二人は流体無焦点で飛んでいった。
こんにちは雪梛です。
いよいよ戦闘も始まって次回は乱戦になりそうな予感です。
今回は短いですけどこの辺で。
ではまた次回お会いしましょう!




