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雪梛の一閃  作者: 雪梛
魔王討伐編

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勇者と魔王

翌朝、少女たちは支度をして少しゆったりめに魔王城へと向かった。



「やっぱりちょっと荒れているね。この間本気を出したからそのせいかな?」


「流石にそんなことあるかしら?まあこの程度はどうでもいいわ」



ちなみにたまに来る魔物は初雪が簡易呪文で即座に殺しているようだ。


魔に対しては流石に初雪の方が与えるダメージ量が多いらしい。



「便利よねその加護。付与しておいて正解だったわ」


「変な話ではある気がするけどね。女神様がくれたとか聞いていたら香澄とか雪梛とかがくれたなんて話だからね」



そんな話をしているといつの間にかもう目前に魔王城があった。



「さてどう入ろうか。世無離はどうせ起きていないだろうから正直な話殴り込みか強制力が有効な手立てだと思うけど」


「私は少し早起きなんですよ。とりあえず中で話しましょうか」


何故かタイミングを見計らったかのように世無離が出てきた。


世無離に誘導されて中へ入ると闘技場まで連れてかれた。


闘技場に入ってから雪梛はとりあえずあれを聞いた。



「最近外で魔物の気性が荒くなっているのは知っているでしょ?なんとかしなくていいの?」



実際今は被害がないが放置しておけば街にまで侵攻されてしまう可能性が十分にあるようだ。



「もちろん知っていますよ。今は調整しているところなんですよ。そこでその調整を少しばかり手伝って欲しいのですよ」



この後の説明を聞くにどうやら世無離が作成した媒体の魔力の流れが乱れているようでそこの調整をしてくれという内容らしい。


元々魔王の体内にその媒体があってそれで調整をしていたようだがそれだと本気を出した際にやばいらしいのでそのような仕組みにしたらしい。



「これです。あまりにも久しぶりすぎるので少々手こずってしまいまして」


「なるほどね。まあ流れを統合させるのはかなり至難の技だからね。こういうのは一度魔力総量を減らしてから自身の魔力を多めに流して流しながら古い魔力を放出させれば簡単にできるよ。なんせ今の自分の魔力の流れしか入らないからね」



雪梛はそう言いながら実際にやってみせた。


調整自体はすぐに終わってあとは時間で解決するようだ。



「助かりました。そういえば今朝はどうしてこられたのですか?これだけが用事だったわけではないのでしょう?」



やはり世無離には簡単には隠せないようだ。



「まあね。そろそろこの世界とは一旦のお別れになりそうだから挨拶に来たんだよ。それとこの後の初雪と戦って欲しいんだよね。もちろん全力で」



どうやら本格的に終盤に向かっているようだ。



「いいですよ。どうやらかなり強くなっていそうですしね」



世無離は案外乗り気のようだ。


雪梛の目的としては一応この戦いで魔王討伐編の大元はおしまいにしてそこから香澄との戦闘とからしい。


香澄と初雪の元に戻った二人は初雪に戦いのことを話して了承をもらうとすぐに間合いを取った。


雪梛と香澄は入り口で待機しているようだ。



「この戦いが私たちのまともな物語中最後の戦いになるね」


「そうですね。なので全力で来てくださいよ?」



世無離は高速詠唱でそこそこ大きい氷の塊を二つ生成して初雪に撃った。


初雪は小さな炎の塊を二つぶつけてさらにピンポイントで氷を生成して相殺した。



「前戦った時よりも格段に精度が上がっていますね。刀を抜かなくていいのですか?」


「大丈夫だよ。何も刀が主軸の戦闘方法は採用していないからね」



初雪はそういうと二重詠唱をして氷と炎の高密度の特大サイズを比較的早めに生成した。



「これを防げるかな?」


初雪は両方を同時に世無離に発射した。


世無離は二つの軌道を確認してからサイズの計算を行い計算し終えた瞬間に闇呪文を発動した。


闇の壁が二つの軌道上に生成されてどんどん飲み込まれていった。



「遊んでいるのですか?今のをぶつけて超高エネルギー爆発を起こせばよかったじゃないですか」


「今のは準備していなかったからね。まあもっとゆったりと楽しもうよ」



世無離は氷の愛剣を生成してさらに冷気を流し込んでから初雪に向けて一振りした。


初雪は少量の闇を薄く伸ばしてやり過ごした。



「いいね冷たくて美しい刀だ。私もそろそろいこうかな」



初雪はそういうと精霊を即時召喚した。



「今回もよろしくね」


「任せて。貴方もかなりいい感じになってきたから頼りにしているよ」



どうやら精霊に頼りにされるレベルで強くなったようだ。


初雪は精霊と共に世無離に接近をして手刀に冷気の刃を生成して連携攻撃を開始した。


世無離は二人の光撃を受けながらも何度か簡易呪文で妨害を試みるが即座に相殺されてしまう。


分が悪いと思ったのか一度氷の壁を作って二人の行動を制限して距離をとった。


世無離が距離を取った瞬間に初雪は氷の粒子を大量に放出してフィールドの大半を充した。


温度の低下はさほど問題はないようだがこれはかなり世無離が追い詰められているようだ。



「素晴らしい立ち回りですね。実際かなり追い詰められていますがここで負けるわけにはいきませんよ」



世無離はそういうと炎系統の粒子を生成しようとしたが精霊によって阻害されてしまった。



「させませんよ。私がいる状態では容易にこの粒子を消せると思わない方がいいですよ」



精霊は粒子の塊的な存在なので粒子の変化や動きに敏感なのだ。


世無離は冷や汗をかきながらもやるしかないと思ったのか刀に粒子を多量流し込み闇をいくつか生成しつつ攻撃を開始した。


初雪はいくつかの闇の軌道を把握しながら世無離からの攻撃を体術回避しつつ氷の手刀でカウンターを入れた。


精霊は初雪がカウンターをしたときに世無離が回避してきそうな場所に対して氷柱を撃った。


世無離はカウンターを受けるしかないと判断したため刃を合わせた。



ガキィン



氷同士がぶつかり音を立てたが刃こぼれはしていないようだ。


以外に初雪が推しているため世無離は闇で初雪の背後から不意打ちをした。


初雪は何故か背後からの奇襲の気づいていたので難なく回避して世無離を見ている。


この時雪梛と香澄には初雪の行動のカラクリがわかった。


世無離は決める時は今と判断したのか二重詠唱をしながら回避にていした。



「初雪、闇呪文の二重詠唱による破壊が来るよ。どうする?」



初雪は闇の特性を思い出してから即座に方法を思いついた。



「波長変化はできる?」


「一応できますよ」



精霊は初雪の意図を読みとったようだ。



「じゃあよろしくね」



初雪は世無離の詠唱が終わる前に準備をするようだ。


初雪は展開している氷の粒子を少しずつ波長を変化させている。


そしてその作業をしつつも体内に少しずつ波長を流し始めたようだ。


世無離は初雪が何かしていることには気づかなかったようだ。



「全てを無に変化させよ!デリート」



詠唱を完了させると巨大な闇球体が生成されて初雪と精霊の方へと向かっていった。



「世無離、貴方の負けだよ」



初雪はそういうと精霊と背中合わせになってから世無離の方へ向き二人で手のひらを世無離の方へと向けて標準を合わせた。



「貫け。アイスチェンジナイト」



初雪と精霊はそう唱えて手のひらをドンっと突き出した。


空間を満たしていた闇の一塊が闇球体に向かって飛んでいった。


そのまま衝突するかと思われたが波長が同じため闇の特性をすり抜けていってそのまま世無離に到達した。



「ぐはぁ…」



世無離は闇を喰らうと同時に倒れた。


一方の初雪と精霊は闇の中で世無離を見ていた。



「はい、お疲れさん」



雪梛はそういうと闇球体に近づいてから地球割りで破壊した。



「ありがとう雪梛。貴方のおかげでようやく世無離に勝てたよ」



初雪は嬉しそうに笑いながら言った。



「私は特に場所をかしらぐらいなんだけどね。よくさっきの闇をすり抜けさせたね」


「普通すり抜けるんじゃないの?」



初雪は不思議そうに首を傾げた。



「確かに理屈の上では通る話だけど実際はそうじゃないんだよ。人に性格があるように魔力にも個人特有の波長があるんだよ。そうすると人に波長に合わせたものを使用しないとさっきの理論は通らないでしょ?ほら、闇の特性をすり抜ける話」



どうやらナレーション部分に入り込んでいるようだ。



「まあ私と世無離は同じ呪文を使ったりするから偶然そうなったんじゃないかな」


「そんなにうまくいかないよ。私が流れを調整したからね」



精霊が話に入ってきたようだ。



「なるほどね。まあ何はともあれお疲れ様。私たちはそろそろこの世界から一旦出ていくけどまた後で会おうね」


「うん。後でね」



初雪はそういうと地面に倒れた。


どうやら疲れているだけらしい。


雪梛と香澄はその場で亜空間を生成してそのまま亜空間に入っていった。

こんにちは雪梛です。

なんか急展開であれですがやっと終盤に向かい始めました。

たぶん後何話かで魔王討伐編の物語は終了なので楽しみに待っていただければと思います。

ではまた次回お会いしましょう!

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