相棒兼恋人
「よし。じゃあこの世界を終わらせようか」
「まあ復興したら戻ってくるのだけれどもね」
2人は桜吹雪と紅葉を腰にさして家を出た。
事前にカルマと綺雪、美雪には連絡していたため段取りは完璧のようだ。
「わざわざ集まってくれてありがとうね。じゃあ早速だけどカルマ、綺雪、美雪の順番でやり合おうか」
「わかった。どうせ私は瞬殺なんだろうな…」
もはや諦めの表情を浮かべながらカルマが出てきた。
「安心しなさい。今回は久しぶりに私とこの子のコンビネーションよ」
「おおそうか。それは苦しまなくて良さそうだな」
「逆に死なないように調整しようか?」
「絶対やめてくれ。いや頼むからマジで」
そんな会話も終了して緊迫した空気が流れ始めた。
今回は雪梛と香澄が同時に戦うので構えがいつもと違うようだ。
雪梛は重心を軽く低めにして香澄はただ突っ立ってるかのように構えている。
そして雪梛が動き出した。
最初から並行移動して流れる読みずらい軌道で刀を振った。
そしてその瞬間にカルマの装着しているブースターが作動して範囲外に逃げた。
その隙を香澄が魔力弾で撃って確実に最速で殺した。
血溜まりが完成したが誰も気にせず2人は元の位置に戻った。
「私たちも共闘でいいですか?」
「せっかくだしいいよ」
というわけで雪梛香澄対美雪綺雪となったようだ。
間合いをとって構えると時間が惜しいかのように戦闘が始まった。
綺雪が接近してきて美雪が援護射撃をするようだ。
綺雪が接近して刀を振ってきた瞬間に香澄はデスカウンターを発動。
爆速で綺雪の首を切りかかると美雪が生成した魔力の塊で防がれてしまった。
少々驚いたが綺雪はすぐに距離をとった。
「なんですか今の動きは?」
「デスカウンターよ。攻撃をもらった瞬間に首を斬るわ」
「いや、それ反則じゃないですか…」
そんなことを言いつつも魔力を練っていたらしくレーザーを放ったようだ。
そこは雪梛が細工した特殊シールドを生成して反射したようだ。
流石のそれは読めたらしくもう一発撃って相殺したようだ。
「じゃあさっき完成した新技を使おうか」
そういうと重心をいつもより低く構えて一ミリ程の抜刀から納刀をした。
その瞬間に綺雪の胸が斬られた。
「!?」
そのまま倒れて綺雪は終了のようだ。
「今のは…魔力ですか?」
「どうしてかな?」
「あんな速度で動いたらここら一体が無に帰しますよ?それに貴方は魔力の使いに長けている。異常なほどに」
「その通りだよ。あの抜刀納刀はただの演出で本当は魔力で斬撃をしているよ。そういえば1人になったけどこっちも1人の方がいいかな?」
「戦場で相手は都合を考えないのですよ」
「確かにそうだね」
会話が終了したところで雪梛と香澄は上空を見上げた。
そこには今まで見た中で最大サイズの闇球体があった。
「これが私の全力ですよ」
「もっと美雪と戦いたかったよ」
「え?」
そういうと雪梛は立体的視認を発動して突きの構えをした。
「貴方も大概運がないわね。まあ魔力を使用する人は必ずこの子に一度は破壊されるのよね」
迫り来る闇球体を見ながら香澄は雪梛を見ていた。
そして闇がかなり接近したところで雪梛は突きを開始した。
『地球割り』
雪梛に統合性を崩されて闇が消失した。
「私の負けです」
「密度が足りないね。せっかくの強さがあるから頑張りな」
「なるほど。アドバイスありがとうございます」
「じゃあ早速だけど始めようかしら」
香澄はそういうと間合いをとって構えた。
「今回はどうだろうね」
「まあ引き分けの可能性もあるものね」
両者抜刀せずに魔力弾を装填して物理演算をしている。
そして終了と同時にシールドをばら撒いて射撃を開始した。
『『バーストショット』』
同時に進行していく魔力弾たちはそれすらも組まれていたかのように綺麗にすり抜けていった。
そして刀身に魔力を纏わせてキーを的確に抜刀しながら弾いた。
「精度もバッチリだね。まあこの程度はもう失敗しないか」
「さあ、この世界を締めくくるわよ」
「まあまたくるから小休止といったところだね」
魔力を展開して香澄は魔力弾を撃ちながら並行移動できりかかってきた。
回避がかなり難しいのでここは仕方なしに刃を合わせるようだ。
2人の愛刀が透き通った音を響かせながら戦闘の始まりを合図する。
攻撃には転じず雪梛はひたすらに受けているようだ。
「このスタイルは懐かしいわね」
「まあ最近は拮抗した戦いがなかったからね」
デスカウンターを発動して一度距離をとり雪梛は納刀した。
「ライン超えの死合といこうか」
身体を捻って右手を後ろに向けると雪梛の周囲がバチバチし始めた。
そして手のひらに謎のエネルギー物質ができていた。
「はぁ!」
気合いとともに腕を香澄のほうに振ると手のひらから一気にエネルギーが放出された。
その瞬間に香澄の前に謎のシールドのようなものができてそれに触れた瞬間にエネルギービームが跳ね返ったようだ。
「マホカウンターだとぉ!?」
ふざけながらもしっかりと拳に特殊シールドを張っていてすでに圧縮を終えていた。
「ロマンっていうのは破壊もできるんだよ」
『ロマン砲』
ダァァン!!! パリーン!
跳ね返して香澄の謎シールドも破壊したようだ。
そして飲み込まれたかのように見えたが雪梛の背後に香澄がいた。
「残念ね。それは残像よ」
「なんだってぇー」
茶番のような戦いをしながらも2人は次の一手を考えていた。
一度間合いを取り直して雪梛は魔力で武器を生成した。
「バールのようなもの」
「なんかクトュルー味を感じるわね」
雪梛は振りかぶって全力でぶん投げた。
バク転をしながら蹴り上げてキャッチすると同時に香澄は雪梛に投げ返した。
その瞬間に魔力を消失させて無にした。
「今度は私が行くわ」
そういうと身体に魔力を流してゆっくり動き始めた。
そして雪梛にきりかかった。
普段通り回避しようとしたら何故か見えている場所と違う場所から刀が来ていた。
当然わかっていたかのようにその斬撃を回避して距離を取った。
「ソーディでも避けられないのよ?」
いやそのネタはやめといてくれや…
「古流、懐かしいね」
「そろそろきていいのよ?あれ」
香澄は来いと言わんばかりに構えた。
「じゃあいこうか」
そういうと重心を低めに構えてあの技を使用した。
『魔斬』
その瞬間に香澄の服は切れたが防がれたようだ。
「流石だね。どうやったの?」
「単純よ。ここって思った場所にシールドを張っただけよ」
あの香澄が感覚で行動するのは珍しくがまあ雪梛のことを分かりきっているのか外さなそうだな。
「どうするこれ?決着つかないよ?」
「しかもネタ切れね。まあ今回じゃ新スキルないし仕方ないわよ」
そう言った2人は重心を低く構えて準備をした。
「崩壊されし世界に中で 2人に少女の光がはしる 一筋の光が照らす世界は 未来が明るく照らされるだろうか 愚者が減りしこの世界に 祝福のような一撃をここに納めよう この一閃がはしったあと 貴方は 何を思うかな」
並行移動をして音もなく壊れた世界を包むかのように光が発せられ始めた。
そして抜刀が始まり刀身が姿を見せ始めた。
交錯しながら何かの思いを受け取るかのように頷いてそのまま納刀をした。
『マイゾーン:一閃』
ガキィン
あまりの速度に2人の刀が刃を合わせた音が遅れて聞こえたようだ。
「今回も」
「お疲れ様ね」
「私は思うのよ。終わり方に変わり映えがないって」
「でも仕方なくない?一閃で締めるのが私たちらしさって感じじゃん」
「だとしても描写が変わり映えしないわね」
「まあその辺は日々精進って感じかな」
現在自宅に帰ってきていて綺雪もいるようだ。
「何故私がここにいるのでしょうか」
「私たちはこれから別世界へのゲートを開くからその会議に参加して欲しかったんだよね」
「でも今回はもう残念ながら決まっているわよ?」
それじゃあ綺雪を呼んだ意味がなくないか?
「まあいいじゃん。じゃあ香澄。説明お願いね」
「わかったわ。次の世界は久しぶりに長い世界になると思うわよ。世界観は魔王討伐編みたいな感じで今回はきっちり魔王をやってもらうわ。そして私たちはギルド最低ランクからスタートして最終的に魔王を倒して英雄とかいうやつに祭り上げられる前に別世界にとんずらするって感じよ。ちなみに主人公は私たちよ」
「なるほどね。まあそれはそれで面白そうだね。企画としてはそれで新小説書けそうな感じなんだけどまあいっか」
「そうよ。ただでさえ進んでいない世界が二つもあるのだから増やしたらまずいわよ」
「それもそうだね。ついでにこっちで言うのもおかしな話だけど原初の文章更新はやっておくね」
「ええわかったわ」
「じゃあ香澄。タイトルコールをよろしくね」
「そうね…魔王殺害編よ」
その瞬間に扉が開かれた。
「急に呼んで悪かったね。じゃあ世界の復興頑張ってね」
「ええ、分かりました。では頑張ってきてくださいね」
「もちろんよ」
2人は扉に入っていった。
「なかなかに楽しそうな世界だね」
「そうね。一体これで何話行いくのか楽しみだわ」
「じゃあ次の世界でも頼りにしてるよ相棒」
「それはこっちもよ。相棒兼恋人の雪梛」
2人は光の中に包まれていった。
銃撃編一旦完
こんにちは香澄よ。
私がこのタイミングで書くのは初めてね。
まあそれは置いておいて、思ったよりも事前対戦が短かったからまさかの戦いを開始してしまったわ。
前回の後書きで終わらない的な事を書いていたのに終わってしまって私自身もびっくりよ。
まあこれ自体は前回更新時点で書き終わっていたのだけれどもね。
現在は原初の書き直しをしているわ。
基本的にナレーションの描写を変更するのみだから大幅な内容変更はないはずよ。
まあこの辺に関しては別の形で詳しく説明するわね。
と言うわけで今回はこの辺よ。
ではまた次の世界で会いましょうね。




