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理想のお母さん像

あるいていた。

風邪を引いてフラフラだった。

風邪を引いてから2週間。

とうとう軽い肺炎になってしまった。

副鼻腔炎まで、頭までいたい。

熱まででてる。

心配のかわりの舌打ちをあびながら、

ただ、最低限のルーティンをこなしていた。

上の子が病院行った?と心配している。

私は、子供にやってあげるべき事もしてあげられていなかった。

毎日、遅刻。

本すらちゃんと読んであげられてない。

話相手にすらなれていない。

親なのに子を避けてしまう。

施設通いすら、とうとう、すっぽかした。


働いていた時に、私によく話かけてきてくれる年下の男の子がいた。

ダリーさんは良いお母さんになるって言われたけど。

複雑だったな。

良いお母さんになりたいと思ってたから嬉しいけど。

でも、なんか仕事できないみたいじゃん。


それに、良いお母さん?

そんな事ない。

良いお母さんにも立派な社会人にもなれてないよ。

こんなやつ良いお母さんになんてなれないよ。

こんなダメなお母さんならいらないよ。

もし、東京に来たら言わなきゃ。

また、男に恥かかして!って面白おかしくジュースを奢ってくれるかな。


そんな事を考えながら、

曲がりかどを曲がってうつむきながら少し進んだ。

ポツポツ雨が降ってきた。

フードを深くかぶる。

少し歩く。

顔をあげた。

蓮の沼の鼻歌を歌うあの人がいた。

幻だったのかも。

具合悪いからか、とうとう幻覚まで見えてしまった。

ビックリした顔をしている?

あっ眉毛しか書いてないや。

まあ、おばちゃんだし。いいか。

でも、なんだろう、とにかく、目をしっかり見なきゃ。


ポツポツ


音に

はっ、として体についた雨粒を払い落とした。


小さな水の玉がコロコロ沢山転がり落ちた。


顔をあげたらいなくなってしまっている気がした。

そのまま、うつむきながら進んだ。


いつもみたいに、自転車に乗って帰った。

体に動きがしみついてしまっている。


疲れている。

休まないと。


玄関にある、昔撮った、オーストラリアのビーチにあるプールの写真。

ふと目に入った。

たまたま行ったオーストラリアのオペラハウスの外で夕方にやっていたジャズのイベント。

サンセットに、雰囲気で作り上げられていくJAZにみんな楽しそうにワインをのんで。

ユラユラ気持ち良さそうに好き勝手に揺れていて。

素敵だったな。

もっと、いたかったのに。

彼は、早く帰ろうと急かして見せてくれなかった。

「この曲が終わるまでは?」

の願いも叶わず後ろ髪ひかれながら離れた。

鼻歌の人と行きたいな。

オペラハウスに、この人と一緒に行きたいな。

この人なら一緒に聴いてくれそう。

一緒に行きたいな。

謎のオペラハウス一緒に行きたい欲につきまとわられる。


とりあえず、痛み止めを飲んだ。

薬が効いてきたみたい。

うとうと。

教えてもらった色々な音楽を聴きながら、現実と夢の間でふわふわと眠りについた。


驚いた事に、鼻歌の人。

後日オーストラリアに行ったと話しをしていた。

よく聞くファンが有名人の生き霊になってしまったとか言う怖い話。

尊敬しすぎて生き霊になっちゃったかと思った。

オーストラリア行け〜みたいな?


これがゴールなのかな?

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