表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/31

2025/03/08

小学生の男の子。多分5年生くらい。

エリぐりだけ別の色でパイピングされた、何かがプリントされたオレンジ色よりの黄色のトレーナーかTシャツ。

頭はサラサラの髪で同じ長さに切り揃えれている。

少しだけ太っている。

怒っていない。

すごく笑ってるわけでもなく真顔。

だけど、少しだけ温かい表情。

桜の花が二つついたものをこちらに差しだす。

プレゼントだな。

と感じた。

公園で(なつ)いてきてくれる子の雰囲気。

だけど、(さみ)しそう。


一度、目を開けた。

また目をつぶると、まだいた。

すぐには消えない。

なかなか消えないから。

「あなたはだれ?」

と聞いてみた。

すると隣で眠る息子が

「こうきだよ」

そう言った。

私は意識がハッキリしていて、寝言は言っていない。

3年前息子は夢を見るのが怖い。

と言っていたのを思いだした。

詳しく聞いても言えないという。

その時に、ポチ君がね。

とよく架空の子の話が、でてきていた。

ポチ君。

言葉を話だした幼児にこうき君は難しかったのかも。


こうき君

こーき君

こーし君

こーち君

こち君


この子か。

そう思った。

また目をつぶる。まだ桜を持っている。

受け取ってはいけない気がした。

いや、初めに

「いいの?ありがとう」

と受け取ってしまったかもしれない。

夫が音を激しくたてる。

生活を激しくたてる。

生活に戻った。

小説の続きを書いた。



書き終わると、

勝手に一人で勉強をする5歳の息子に言った。

「絶対にママに会いに来てはいけないよ。

迷子になっちゃうからね。

皆、間違えて覚えちゃうものなんだよ。

よく覚えておくんだよ。」

「じゃあYouTubeに残せば?」

「なるほど!でも、とにかく、ダメだからね!

大人になって何かする時に自分を実験台にしないでね。」



そして、二日後。

お風呂にいた。脱衣所から話し声が聞こえてくる。

誰かきたのかな?

話し声は途切れない。

洗い終わりでる。

体を拭いていると近くで途切れ途切れの声がまだ聞こえた。

窓が、衣類乾燥機の奥にあった。

外からか。

そう思った。


「ごめ・・・なさ.

まっ・も・れ.

ごめ・・・なさ.

まっ・も・れ・なか

で・・・るら・れ・・・なー・いーーーー.

ごっ・めな・さ・・・.

ごっ・めな・さ・・・.

まっ・ま・

ごっ・めな・さ・・・.

ごっ・めな・さ・・・.

ごっ・めな・さ・・・.

ごっ・めな・さ・・・.」


衣類乾燥機からでている。

ああ。

なんか繋がっている。

そう思った。

そういう事か。

助けなきゃ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ