2025/03/08
小学生の男の子。多分5年生くらい。
エリぐりだけ別の色でパイピングされた、何かがプリントされたオレンジ色よりの黄色のトレーナーかTシャツ。
頭はサラサラの髪で同じ長さに切り揃えれている。
少しだけ太っている。
怒っていない。
すごく笑ってるわけでもなく真顔。
だけど、少しだけ温かい表情。
桜の花が二つついたものをこちらに差しだす。
プレゼントだな。
と感じた。
公園で懐いてきてくれる子の雰囲気。
だけど、寂しそう。
一度、目を開けた。
また目をつぶると、まだいた。
すぐには消えない。
なかなか消えないから。
「あなたはだれ?」
と聞いてみた。
すると隣で眠る息子が
「こうきだよ」
そう言った。
私は意識がハッキリしていて、寝言は言っていない。
3年前息子は夢を見るのが怖い。
と言っていたのを思いだした。
詳しく聞いても言えないという。
その時に、ポチ君がね。
とよく架空の子の話が、でてきていた。
ポチ君。
言葉を話だした幼児にこうき君は難しかったのかも。
こうき君
こーき君
こーし君
こーち君
こち君
この子か。
そう思った。
また目をつぶる。まだ桜を持っている。
受け取ってはいけない気がした。
いや、初めに
「いいの?ありがとう」
と受け取ってしまったかもしれない。
夫が音を激しくたてる。
生活を激しくたてる。
生活に戻った。
小説の続きを書いた。
書き終わると、
勝手に一人で勉強をする5歳の息子に言った。
「絶対にママに会いに来てはいけないよ。
迷子になっちゃうからね。
皆、間違えて覚えちゃうものなんだよ。
よく覚えておくんだよ。」
「じゃあYouTubeに残せば?」
「なるほど!でも、とにかく、ダメだからね!
大人になって何かする時に自分を実験台にしないでね。」
そして、二日後。
お風呂にいた。脱衣所から話し声が聞こえてくる。
誰かきたのかな?
話し声は途切れない。
洗い終わりでる。
体を拭いていると近くで途切れ途切れの声がまだ聞こえた。
窓が、衣類乾燥機の奥にあった。
外からか。
そう思った。
「ごめ・・・なさ.
まっ・も・れ.
ごめ・・・なさ.
まっ・も・れ・なか
で・・・るら・れ・・・なー・いーーーー.
ごっ・めな・さ・・・.
ごっ・めな・さ・・・.
まっ・ま・
ごっ・めな・さ・・・.
ごっ・めな・さ・・・.
ごっ・めな・さ・・・.
ごっ・めな・さ・・・.」
衣類乾燥機からでている。
ああ。
なんか繋がっている。
そう思った。
そういう事か。
助けなきゃ。