第四話 現代人と真現代人
「コンコン、ユウマいるのか?」
「!!」
「いるんだな、入るぞー」
「入ってくんな。」
「ガチャ」
「なんだ。結構部屋は片付けるんじゃねぇか。」
「、、、。」
「ゲーム面白いか?」
「うん。」
「最近出たdsというのはそんなに面白いのか?」
「最近って1年以上前だし。」
「そうだったか?時が経つのは早いな。」
「、、、。」
「それで、サクラから聞いたが?何してんだ。最近学校も行ってねぇで。」
「お前には関係ないだろ。」
それもそうだ。こいつの言っていることは正しい。あくまで境遇が似ているだけで、、。そしてこいつなりに考えていることもあるだろう。
「学校に行かなくてもいいが、せめてここに住ませてもらってるということぐらい中学生でも分かるだろ。」
「、、、。」
「だからよ、せめて学校に行ったフリぐらいするとか、家で勉強をするとか色々あるだろう。何も今の生活を否定してるんじゃないからよ。」
「ガチャ(ドアを閉める)」
「(こんなもんだろう)」
「ねぇ!!少し甘すぎない?」
「なんだよ、聞いてたのかよ。」
「今日私、午前授業だったから早く帰ってきたんだけど、あの子ずっとお菓子食べるか、ゲームしてるだけなんだよ。」
「じゃあサクラが行けばよかっただろが。」
「私が言ってなんとかなるならやってます!!」
「ただいまー」
「ねぇミナミもなんか言ってやってよ。」
「何が?」
「こいつユウマに対してあまいの。」
「あーユウマね。私興味ないから勝手にやって。」
「ガチャ。」
「ほらな、こんなもんだろ。お前が干渉し過ぎなんだよ。」
「なんでよ。そんなに冷たくなかったじゃん。」
「すまん。許してくれ。」
「いいわ。他をあたるから。」
「ガチャ」
「、、、。」
こう言っているが結局何が正解なのか自分でも分からない。ユウマに対して、何をすべきなのか。どこまで味方してやればいいのか。そもそも入り込んでいいものなのか。そんなことも分からないから学校に行ったフリでもするっていう考えが出てくるんだろう。サクラが正しいというのは分かっているはずなのに。
「ご飯ができたから、下へ降りてきなさーい。」