4. 虚栄
王妃=セシリア という名前にしました。
出てきた際はよろしくお願いします。
「私、斬られて……死んじゃったの……?!!!」
異世界に来てわずか数日で命を落とすなんて、絶対におかしい!!
「私、この世界での主人公ってわけじゃなかったの?」
自分の運命に疑念を抱きました。
しかし、その出来事があまりに唐突で、涙はどこかに行ってしまったようで、心の中には感情の渦が巻き起こりませんでした。
「こんなことなら、ママのおっぱいでももっと吸って揉んでおけば良かった……」
「美女や美少女に惚れられたり尊敬されたり、最強の戦士に挑んだり、様々なイベントが待っていたはずなのに、悲しい……」
「でも、何か変だよね? 死んでいるならこんなことを考える余裕はないはず。この場所は一体、天国か地獄それともどこ?」
周囲はまったく異世界らしい景色ではなく、何もない虚無の世界でした。
「誰か、いませんか? ここはどこ?」
叫んでも、何の返答もなく、ただの虚無が広がる。
「本当に、どこだろう、ここ? 虚栄は何も機能せず殺されたし、やることもないから、ステータスでも確認してみるか...」
メアリー:ステータス
悪徳:「虚栄」 「色欲」 「強欲」
「えーーーー?! 私の美徳、反転してる?!」
自分のステータスに驚きました。
「死ぬのが条件? それなら100年間、悪徳を持った人が現れないのは納得だけど生き返らないと能力使えないの?」
「不便すぎるし生き返れないと能力使えないのこの世界どうなってんの?!!」
「こっちは斬り殺されてあんなに痛い思いしたのに今いる場所は、どこかわからない場所....」
「勢いよく斬られたんだしどうせ死んでるのに考えても仕方がない!!!」
メアリーは、この虚無の空間で転生した世界に対していらだちや不満をぶちまけていると。
「「スキルを選んでください」」
脳内に声が響いてきました。
「あなた、誰なの? どこにいるの?」
「死んでるならさっさと天国に連れてってよ!!ここ暗くて住むには不便だわ!!」
「生きてるならさっさとここから出して!!」
「「スキルを選んでください」」
問いかけても、同じ答えしか返ってきません。
「わかったわ、スキルを選ぶわ!!」
「虚栄」
スキル:再生
「虚栄選べるスキル再生しかないんだけど? 選ぶほどないんですけどおかしくない?!」
「選べって言うんだから普通もっとあるでしょ?! 仕方ないし再生でいいや!!」
「「再生が選ばれました、ほかの悪徳のスキルも選んでください。」」
「色欲」
スキル:バインド
「強欲」
スキル:身体強化
「選べるだけの選択肢ないしバインドと身体強化でいいよ!!!」
「「バインドと身体強化が選ばれました。」」
「選んだんだからさっさとここから出して!!!」
体が急に重くなり、目を開けると、そこには……私が死んだ場所が広がっていました。
「あれ? 私、死んでないの?」
驚きを隠せませんでした。
「再生って、本当に生き返えるってこと?」
「スキル使えるようになるの異世界らしくなってきたけどまだ賊に囲まれてるんですけど・・・」
私が突然喋り出すと、賊たちも混乱しました。
「確かに斬り殺したはずなのに、なぜ生きている?」
「私に聞かれてもわからないわ」
私たち全員が戸惑いました。
「もう一度切り殺せ!!!」
賊たちが私に向かってくる。
「また斬られるのはもう嫌!! 死んだんだから!!」
「今度こそスキルが使えるはず!!」
「賊たちをバインド!!」
賊たちの動きが止める。
「このスキルめっちゃ強いじゃん!! 賊全員拘束できるとか凄い!!」
「他に賊はもう居ないかな? チート使えるようになってはじめて異世界来たって感じする異世界最高!!」
「今日はもう疲れたし寝たい、早くママ来ないかな?」
安堵した瞬間、背後から
「王女!!覚悟!!」
「全員、拘束できてないじゃん?!!」
「また死ぬの?!死にたくない!!」
「身体強化ーーー!!!」
背後の賊を押し飛ばした。
「危なかった!! また死ぬとこだった!!! 押し飛ばした賊どうなったかな? 見に行こう!!」
「木も何本も折れてるしさすがに気絶してるけどバインドかけて・・・これで賊の制圧終わったかな?」
「このスキルたち強力すぎない? 何か代償があるはず!! でも、後で考えればいいか!!」
「賊たちどうしよう? ママたちが来たら引き渡すよね?」
「でもどうしよう? このままの状況でママと会えば悪徳の力の事がバレるしそれならいっそ証拠消すためにここにいる全員殺すのは・・・」
「全員殺すことを思いつくなんて私のほうが悪役みたいだわ、でも私を殺したんだから仕方ないか・・」
そして、体が自然と動き、剣を手に取り、賊たちの前に立ちました。
命乞いをする賊もいたが
「私を殺したんだから殺されても文句言わないでね!! また来世で会いましょう!!」
私は剣を振り下ろし、周囲の賊たちを次々と殺した。
「はじめて人を殺したのに動揺とか躊躇いとかも何もなかった・・・」
「悪徳の代償なのかな? それとも私自身の意志?」
「代償があろうが何だろうが、私のやりたいことを邪魔するやつには容赦しない!!」
「このままだと私が何かしたみたいになるからママたちが来る前に気を失ったフリでもしよっと!」
「腕でも斬ったように見せればいいか!」
剣で腕を軽く斬ろうとした瞬間
「やば!! 斬りすぎた!! また死ぬぅ ママ早く見つけて!!!」
メアリーは気を失った。
---メアリーが倒れてから数時間後---
「メアリーどこにいるの? メアリーーーー!!!」
当然返事など返ってくるはずもなく、セシリアは屋敷にいた護衛たちを連れてメアリーを助けるために駆けつけていた。
「メアリーは私たちのために一人で賊を引き付けたのよ!! 早くメアリーを見つけなさい!!」
焦りが募り、その気持ちを護衛たちにぶつけてしまう。
「賊の姿が一切見えないのも不自然だわ。まさかさらわれてしまったのかしら? お願い!!メアリーが無事でありますように!!」
「王妃様!!姫様を発見しました!!!」
護衛の声に反応して、セシリアはすぐその場に駆け付けました。
しかし、周りは血まみれで賊の死体が何十体もあり、メアリーも生きていないかもしれないという思いが頭をよぎります。
血まみれで横たわるメアリーのもとへ歩みを進め、近づきます。
「まだ息がある!! 早くメアリーを連れて屋敷に戻るわよ!! 急いで!!!!」
「お願い!! 神様!!メアリーをお助けください!!」
メアリーは、迅速に屋敷に運ばれていきました。
医者たちが駆けつけ、一生懸命治療を行われました。
メアリーの治療がいつ終わるかわからない中セシリアは、
「どうか、あの子をお救いください!! まだ6歳のなのよ!! 死ぬには早すぎる!!」
「あのとき別行動するのを止めていればこんなことにならなかったのに・・・ メアリーが死んでしまったら私はどうしたら・・・」
セシリアはメアリーが生きていることを祈りながら数時間経ちました。
医者たちが治療室から出てきました。
「セシリア様、治療の結果メアリー様はご無事です!!」
「出血量が多くダメかと思いましたが腕の傷がどんどん塞がっていきなんとか一命を取り留めました!!」
「本当によかったわ!!! それで今メアリーはどこに?」
「自室で眠っておられます。何日かは安静にされないといけません!」
「本当にあなた達のおかげだわ!! ありがとう!!!! 私は、メアリー心配だからここで失礼するわ!!」
セシリアは安堵した。
「よかった!! ほんとによかった!! 今はメアリーの顔が見たいわ!!」
メアリーが眠っている部屋にこっそりと入りメアリーの寝顔を見る。
ベッドで眠るメアリーに近づき髪を撫でながら、セシリアは語りかけます。
「生きていてくれて本当にありがとうメアリー!! またあなたの声が聞きたいわ!! 早く目を覚まして頂戴ね!!」
「ゆっくり休むのよ! 色々言いたいことはあるけどそれは起きてからにしましょう! 愛してるわメアリー!!」
セシリアは部屋を後にした。
3日後、メアリーは目を覚ました。
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ごめんなさい。編集してたら投稿時間過ぎてしまいました。
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