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3.美徳 悪徳

 私は今、ママの所有する別荘に向かっています。


 馬車の中では窓から外を眺め、ママと一緒に楽しい時間を過ごしています。


 別荘への道中、「もうすぐ着きますよ、メアリー、外を見てみなさい」


 ママが言いました。外を見ると、田舎には似つかわしくないほどの大きな屋敷が現れた。


「わぁ、このお屋敷、すご!!! 田舎の佇まいじゃないわ。やっぱり王族ってお金持ちだわ」


 つい声が漏れそうになりましたが、急いで我慢しました。


「素敵な場所ですね、お母様。ここで何か月も過ごせるのが楽しみです」「そう言ってくれて嬉しいわ、メアリー!!」


「ちょっとうかつにしゃべらないように気をつけなきゃ…今の私は王女だもの」


 メイドさんから図書室があることを聞いてこの世界のことを調べてみようと図書室に向かいました。


 図書室で調べ物をしていると、この世界には7大美徳、


「「謙虚」」、「「慈悲」」、「「忍耐」」、「「勤勉」」、「「自制」」、「「純潔」」、「「救恤」」


 が存在し、それぞれ1から10のレベルに分けられていることが分かり、生まれたときからこの世界の人々はどれかの美徳を持っていると記されいる。


 さらに、ある条件を満たすことでこれらの美徳が7つの悪徳に反転することがあり、


「「傲慢」」、「「強欲」」、「「嫉妬」」、「「憤怒」」、「「色欲」」、「「暴食」」、「「怠惰」」


 に変わることが書かれていた。


 そしてもう1つ「「虚栄」」が7つ以外にもあることも書かれていた。


 面白そうな本を見つけ、読み進めると、7大悪徳に反転した者たちが特殊な力を持つことが示唆されていました。


 その力は持つ数によって異なり、これらの力を使うためには7大悪徳に堕ちる必要があるようです。


 ただし、この能力を使う者は100年前の大反逆者を除いてはいないようでした。


「7大美徳なんてものがあるしレベルまであるのに、反転しないとチートみたいな力が手に入らないってこと??」


「美徳がある理由がわからないけどレベルが高かったり、たくさん持ってればえらいみたいな感じかな?」


「100年間、悪徳を持ったものが現れていないのも気になるし私が持ってるとかないかなぁー チートみたいな力とか異世界なんだから使いたいなぁーー」



 私は興味津々で本を読み進めながら、色々なことを考えていたらママが私を呼びにやってきました。


「メアリー、どこにいるの? 準備して、湖に行くわよ!」との声に答え、図書室を後にしました。


 本の内容が頭に残りつつ、湖に向かう途中、私は考えました。


「あの本に書かれていたことも色々気になるけど私の美徳ってどうやって確認とかするんだろ? あとでママにでも聞いてみよ!!」


 湖でママと楽しむ中でも、私の頭は新たな知識でいっぱいでした。


「そろそろ夕食にしましょう! アンナ、準備して」とママが言い、夕食の準備が整えられました。


 湖の景色を眺めながら、ママと楽しい食事の時間を過ごしました。


「お母さま、私の7大美徳を何か教えてほしいです!」


 と私は尋ねました。


「メアリーの美徳? 美徳を確認するには、自分自身で念じれば確認できるわよ!」


「ありがとう、お母さま! 念じてみます!」


 私は言われた通りに美徳を念じてみると、以下のような表示が現れた。


 メアリー:ステータス

 美徳:「純潔」、「救恤」

 悪徳:「虚栄」


「虚栄?! 見間違い? そんなはずない…ママなら私の美徳を知っているはず! 虚栄のことは言わずに聞いてみよう!」


「お母さま!! 私の美徳は純潔と救恤でした!!」


「生まれた時から知ってるわ! あなたは王族だから2つも美徳があるのよ!!」


「普通は美徳は1つということですか?」


「そうよ! 一部の人間だけが2つ以上を持っていることが多いわ。王族とか貴族は2つ以上持っていることが多いわ!」


「お母さまの美徳は何ですか?」


 私の質問に対して、ママは「純潔、忍耐、救恤の3つよ!」と答えました。


「お母さまは3つも持ってるのね! 凄いわ!」


 ママは微笑みながら、


「そろそろ寒くなってきたしお開きにしましょう!」


 夕食の席から立ち上がろうとしている矢先、「バン!!」という大きな音が響き、突然護衛隊の何人かが倒れました。


 私たちを襲う者たちだと気づいた瞬間、ママは


「襲撃よ! メアリーを守りなさい!」と叫びました。


 護衛隊が戦いながら私たちを守ろうとしましたが、数が多すぎて徐々に追い詰められてしまいました。


 私は「このままだと…どうしよう、何も思いつかない、、、」


 そんな中、私は虚栄の存在を思い出しました。


「虚栄に頼るしかない! でもどうやって特殊能力を使うのかわからないけどこのままだと全滅する!」


「お母さま、このままでは屋敷に戻る前に全滅してしまいます! 私に案がありますので、二手に分かれましょう!」


「お母さまは屋敷に行き、助けを呼んできてください! 私は賊を引き付けます!」


「メアリー、何を言っているの?! あなたも一緒に逃げるのよ! あなたに何ができるっていうの?」


 ママは必死に止めてきたが私は固く決意して、


「さよなら、お母さま。また会いましょう!」


 と言い、屋敷の方向とは逆に走り出しました。


「なんか賊たち、こっちに向かってきてる? 狙いは私だったのね!」


「ママが助かりそうで良かった!」


 しかしそれも束の間、賊たちに完全包囲されてしまいました。


「私、6歳だから、そりゃすぐ包囲されるわ! 命乞いすれば、助けてくれないかな?」


「命だけは助けてくれませんか?」


「最初から殺せ、という命令なのね。頼みは虚栄だけか、、」


「異世界に転生したんだから、死ぬわけがない!!!」


 と楽観視していました。


 賊が斬りつけてきた瞬間、


「虚栄!!!」と叫んだが、何も起きず、私は、、、死んだ。



読んでいただきありがとうございます!




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毎日夜の6時10分頃に投稿できるように頑張ります

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