16.帰還
メアリーが目を覚ますと外は暗くなっており夜になっていた。
相当疲れていて力を使った影響があるかもしれない。
「よく寝た!! でももう夜だしご飯でも食べに外に出かけてもう1泊してから帰ろう!! お金あったかしら?」
メアリーは残りのお金を確認した。
「残りの金貨3枚かこれならなんとかもう1泊して歓楽街でも遊べそうだわ!!
延長すること伝えて遊びに行こう!!」
宿屋にもう1泊延長することを伝え夜出歩くことを心配されたので表通りだけ通ると伝え宿を出た。
「あんなに心配されると迷惑かけないようにって思うけど歓楽街の誘惑には勝てないわ!! アンのこと聞かれたけどこれも知ってるなんて言えないし・・ まあいいか!! 遊びに行きましょう!!」
歓楽街に向かいながら宿屋に心配されたことがどこか心に残ったが誘惑や興味には勝てない。
メアリーは歓楽街に着いた。
どこのお店に入ろうか周りを見渡していたらドレスを着た綺麗な美女に話しかけられた。
「どうしたの? あなたみたいな子が夜にこんな場所にいたら危ないわよ! 迷い込んじゃったのかな? それならお姉さんが表の通りまで連れて行ってあげるから一緒に行きましょう!!」
突然お姉さんに話しかけられて驚いたが心配して声をかけてくれたお姉さんを気に入ったメアリーは働いている場所を聞いた。
「お姉さんが働いてる場所ってご飯とかも食べれる? 案内してほしい!! お金は払います!!」
「確かにご飯とかは食べれるけどお嬢ちゃんが持ってるお金だと難しいと思うわ! 私がご飯食べれるところまで案内してあげるからさあ一緒に行きましょう!! それでいくらお金持ってるの?」
お姉さんはメアリーがお金を持っているとは言っていたが子供が持っているお金なんて銅貨くらいのものだと思っていた。
だから食堂にでも連れていってあげてご飯を食べさてあげようと考えていた。
メアリーは服から金貨を取り出した。
「これくらいあればお姉さんのお店で一緒にご飯食べれそう? それと私歓楽街のクラブとかはじめてだから楽しみなの!!」
ニコニコしながらお姉さんのほうを見るメアリーにお姉さんは驚愕した。
「お嬢ちゃん金貨なんて持ってるの?! もしかしてどこかの商人の娘とかまさか貴族の令嬢?! なおさらこんなところにいるのまずいわ!! おいしいご飯屋さんなら案内してあげるから!! 私のお店に来たいならもっと大人になってから来なさい!!」
お姉さんに心配されすぐにでも帰るように言われるメアリー。
メアリーもそれだけでは引き下がらず
「お姉さんに金貨1枚あげるからお姉さんのお店に案内してよ!」
メアリーはお姉さんに金貨を押し付ける。
「き、金貨1枚?! 案内するだけでくれるの?! それなら案内するわ!!」
さっきまでの心配はなんだったのかお姉さんのお店に案内してくれた。
「私の名前はメアリー! 最近この街に来たの! お姉さんの名前は?」
メアリーが自己紹介するとお姉さんは
「エリィよ!! よろしくね! メアリーは家族とかとこの街に来たの? こんな時期に来るなんて珍しい!」
話しながらエリィの足がある店の前で止まる。
「この店よ!! クラブヴィーナスにようこそ!!」
エリィに案内されクラブの中に入る。
暗めの照明で落ち着いた雰囲気があり高級感が漂うが室内には誰も人がいない。
「クラブってこんな感じなのね!! それに人誰もいないけどどこ座ればいい?」
メアリーはクラブの中を見渡しながらエリィに聞く。
「こっち座って!! 今お客さんの取り合いで大変なのよ!!それで何食べる? 飲み物はジュースでいい?」
「いいよ!! 金貨1枚で食べれるものとジュースお願い! 一緒にエリィも食べよう!! 飲みたいもの頼んでいいよ!!」
メアリーはテーブルに金貨を出し適当にお願いした。
「き、金貨?! お酒飲まないなら相当飲み食いできちゃうけどそんなに食べれる? 他の子も呼んでいい?」
エリィにそう言われメアリーは承諾する。
それからは綺麗なお姉さんたちに囲まれながらクラブを楽しんだ。
お姉さんたちはメアリーを見るとかわいい、かわいいと言われるのでメアリーも気分よく飲み食いしながらおしゃべりした。
「メアリーは最近この街に来たんでしょ? これからどうするの? 王国には行けないしまだこの街にいるのなら私たち毎日でも歓迎するから来てね!!」
「ありがとうエリィ!! 私も楽しかったわ!! でも明日にはこの街から経つ予定だからまたこのクラブに来るわ!! 困ったことあれば王国のセシリア領に来て一番大きな屋敷に行ってメアリーに会いに来たって言ってくれればいいから!!」
メアリーはエリィたちにそういうとクラブヴィーナスを後にした。
エリィたちはメアリーの正体を聞きたかったが1人でクラブに来る女の子なんてただ物ではないことを察して何も聞かなかった。
「エリィあの子ほんとに何者だったの? あのぐらいの年の子が来る場所じゃなしそれに金貨出して私たちと飲み食いだけして帰るなんて・・ ほかの男たちなら確実に宿に連れ込まれてたわよ!」
「よくわからないけど気分良く帰ってくれたんだから変な詮索しなくていいんじゃないの? どこかの令嬢とかでしょ?」
後日クラブヴィーナスに金貨50枚が贈られてるのはまた別の話。
メアリーは宿屋に帰り、一睡してから国境を越えて別荘に帰ってきた。
「そんなに日は経ってないけど久々って感じする!! お母さま帰ってきました!!」
メアリーの声だけが屋敷に響く。
「あれ? 誰もいないのかな? 誰かいるーー!!」
メアリーが叫ぶもこちらに向かう足音も声も聞こえない。
「どういうこと? 私がいない間に何があったの? ん? これは・・?」
「「メアリー王女に次ぐ王妃やメイドたちを返してほしければ指定された場所に来い!! 来ないなら王妃たちを殺す!!」」
セシリアやメイドたちが誘拐されたことが記された紙が置かれていた。
「誘拐とか警備どうなってるの? とりあえず指定された場所向かうか!私に舐めた真似するやつらは全員皆殺しよ!」
メアリーは指定された場所に向かった。
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