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13.皿洗い

 メアリーとアンは前を歩く男たちに着いて行った。


 通る道は夜にしては賑やかで人々が客引きなども行っていて歓楽街のように感じる。


「こんな場所があったなんて・・?!! ここで私も遊びたい!! 明日も泊まってここに来ようかな? でもこいつらに着いて行くのも面白そうだしな~~! 今日は諦めよ・・・」


 歓楽街の風景を見て興奮が抑えられないメアリーだったがこの男たちについて行くことを選んでしまったことを後悔していた。


「どうした嬢ちゃん? こんなところはじめて来るから驚いてるのか? そろそろ着くからな~!!」


 男たちがある場所の前で立ち止まり誰かと会話している。


 それから地下のような場所を通り、進んでからまた階段を上り如何にも怪しい場所に到着した。


「ごめんな~~!! お嬢ちゃん!! 介抱するってのは嘘で2人ともここで働いてもらうから!! おいさっさと起きろ!!」


 男たちは泥酔してるアンを水の入った樽に沈めて無理やり起こした。


「冷たい!! なんで私こんなに濡れてるの?! 酒場にいたはずなのに・・ここどこ?」


 状況が呑み込めないアンに男たちは


「おまえたちはこれからここで働いてもらうからな!! 安心しろ!! 使い物になる間はしっかり管理してしてやるからな!!」


「そ、そんな・・ 私のお父さんは領主様の元で働いているのよ!! 私がいなくなったら騒ぎが起きるわよ!!」


「それだからどうした? ここではそんなこと関係ないぞ!! しっかり働けよ!!」


 下種な笑みを浮かべながらこちらを見てくる男たち。


「とりあえずこれで体拭いてお前は今日から働いてもらう!! この服を着ろ!! 妹のほうは皿洗いでもしておけ!!」


 メアリーは男に連れていかれて洗い場に連れていかれた。


「お前はここで皿を洗っておけ!! 皿を割ったらどうなるかわかってるよな?

 怖がる様子もないし一発怖がらせておくか!!」


 何発かメアリーの腹部が殴打される。


「やっぱり弱いやつ殴るのは最高だな!! あと何発か殴っておくか!! 殴りやすいしサンドバックでもいいな~~!」


 また何発か殴られる。


「なんだその目は? まだ殴られたいのか? もう一発行くぞ!! おら!!」


 メアリーはうつむいた。


「さっさと皿洗っておけよ!! また来るからな~!」


 男は去っていった。


「何発殴るのよ!! 身体強化してたからいくら殴られても痛くないけど女の子相手に容赦なさすぎ!! ってかここどこ?」


 メアリーの周りには誰もおらずすぐに逃げ出せる状況でもある。


「誰もいないしすぐに逃げ出せるけど一通り楽しんでからここから出るか! まずは皿洗いでもしよう!!」


 メアリーが皿洗いしているときアンはというと・・


「おい!! 着替えたか? 中々上玉だな!! 俺たちで味見するか?」


「馬鹿野郎!! お頭の元に連れてくのが先だぞ!! この前それしてどんだけ殴られたのか覚えてないのか?」


「そうだな! 早くお頭のところに連れていくか!! おい!!お前早く来い!!」


 アンは男たちに連れられてお頭の元に向かった。

 お頭がいる部屋の中に入ると巨体の男が座っていた。


「ベリルの頭!! こいつが今日から入った新人です!! 上玉ですぜ!!」


「いいやつ拾ってきたじゃねえか!! 歳は18とかか? 変態どもが金落としてくれそうだな!! さっそく店に出せ!!」


「お頭味見します? こいつ初物ですぜ!!」


「初物か!! それなら変態どもに高値で買わせろ!! そっちのほうが儲かる!!」


「お頭はお金好きすぎですよ!! 俺なら何回か使いますよ!!」


「今回はお前たちが連れ来たんだから何日か働かせたら使っていいぞ!! でも壊したりするなよ!!」


「私を早く解放してよ!! 何?働くって? ここどこよ?」


「おまえが知る必要はない!! たっぷり奉仕して来い!! 給金も出すから金には心配するな!! その金がいつ使えるかわからないがな!!」


 騒いで抵抗するアンを男たちが連れていった。


「頭!! もう一人連れてきたガキは今皿洗いさせてますけど見ますか?」


「ガキが好きな変態がいたらそいつに金出させろ!! 俺のところには連れてこなくいい!! とりあえず皿洗いさせておけ!!」


「わかりやした!!」


 男が部屋から出て行った。


「今日は相当儲けがでるな!! たっぷり稼いでもらわないと・・ 俺も変態どもに顔出しに行くか」


 ベリルは上機嫌で客たちがいるホールへと向かった。


 皿洗いをしているメアリーの元に近づいてくる足音が聞こえてきた。

 近づいてきた女は驚いた表情をしてこちらを見ていた。


「皿洗いもう終わってるの? 何百枚もあったはずなのに・・ それに一枚も割れてない?! あたしより背小さいのにあなた何者?」


「連れてこられて皿洗いしてるメアリーです!! もう皿洗い一通り終わったから別の場所も見に行きたいんだけど案内してもらってもいい?」


「メアリーっていうのね!! あたしはアメリア!! あなたも攫われたのね?! ここからは逃げることもできないわ・・」


 アメリアは15歳で数か月前に男たちに声をかけられていい仕事があるといわれ着いて行ったら皿洗いをしろと言われて毎日軟禁されながら働いている。


 その話だけ聞くとアメリアがアホなだけだと思っていたが国境封鎖される数か月前から仕事が激減しアメリアも仕事を首になってしまったそうだ。


「私が通った道は屋台とか歓楽街とか結構人いたと思ったけど・・? 同じ住民でも格差があるのね?」


「前までは山から鉱山を掘ったり川で魚を取ったり商売したりするのが誰でもできたのに急にルールが変わって領主が発行する証明書がないとできなくなったの・・」


「最初は反発もあってルールを破ってる人たちがいたんだけど・・ 殺されちゃった・・ それからこの街は変わっちゃった・・」


「だから住民のなかでも決められた人しか働けなくなったことね! それに国境封鎖と・・」


「大変そうね・・ あなたのことはよくわかったからこの場所のこと教えて!!」


「あたしもよくわかってないんだけどここは歓楽街のどこかで、攫ってきた女の子や連れてきた女の子を金持ちの貴族や商人の相手をさせるの・・ 気に入られると奴隷として売られるわ・・」


 アメリアからこの場所についての詳細を聞いたメアリーは、


「アメリアはなんで皿洗いなの?! 私はガキだからってここに連れられてきたけど・・?」


「あたしは要領も悪くて貧相だから皿洗いしてろって言われたの・・ でも貴族とかの相手とかできないしむしろここでよかったかも!」


 メアリーはアメリアに同情しつつ


「あなたも皿洗いするの今日で終わるわよ!! 私をその貴族とかがいる場所に案内して?」


「メアリーをあんな場所に連れていけない!! あたしより小さいのに・・」


 アメリアがメアリーの事を心配しているがメアリーは近くにある皿を素手で割った。


「これでいい? 私あなたより力あるし見に行くだけだから案内お願い!!」


 血まみれの手のままこちらを見てくるメアリーにアメリアは驚愕する。


「わ、わかった!! 見せるだけだからね!!


 アメリアはメアリーに貴族たちがいるホールを案内するのであった。



 

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