12.リーバーレイ
窓から朝日が差し込んでくる。
メアリーの横には梁型が刺さりながら幸せそうに眠っているアリスがいた。
「アリスの性格は変わったけど性癖とかは変わらないのね・・! 相変わらず梁型好きね!!」
メアリーがアリスの梁型を上下に動かせば体を震わせながら感じている。
「アリスで遊んでいるのは楽しいわ!! もっと遊んでいたいけどそろそろママのところに帰らないと・・ ここに来てから何日も経ってるし・・」
「残りの幹部5人も探しだして殺すにしても時間はかかるし、いちいち私が出向くのめんどうだわ!! 残りは2人にお願いするか!!」
メアリーは眠っているアリスをたたき起こし拘束されていたシエラに文句を言われながら2人に残りの幹部についての事を話した。
「あなたたち2人には残りの幹部の5人をお願いしたんだけど・・ 私は一度別荘に帰るわ!!」
それを聞いてシエラとアリスと
「わかった!!」 「承知しました!!」
2人とも了承する。
2人の回答を聞いたメアリーは幹部たちの扱いについても話始めた。
「幹部たちの扱いについては従うなら殺さない! 従わないなら殺す!! むかついたりするやつなら問答無用で殺してね!! 二人の裁量に任せるわ!!」
「終わったら私のいるところに来てね!! 何か問題があった際も同じよ!! 私の別荘の場所についてはこの地図を見てくるのよ!!」
メアリーは別荘の場所の地図を渡した。
「2人の活躍期待してるわ!! 私をくれぐれも裏切らないでよね!!」
メアリーはシエラとアリスに言葉をかけた後、大罪教支部の屋敷から別荘に向かった。
メアリーの後ろ姿を見送ったシエラとアリス。
メアリーがいないことで2人の間に少し距離が生まれる。
お互いどちらから話そうかタイミングを伺っていた。
沈黙を破りシエラからしゃべり始めた。
「ちゃんと紹介してなかったけど私はシエラ!! もともと大罪教の信者でリアにNO.2に指名されてリアのおかげ生き返ったの!! よろしく!!」
「私はアリス・グリードと申します。リア様の従順な下兵でございます。リア様に失望されないためにも残りの幹部5人を2人で頑張って殺しましょう!」
自己紹介を終えて2人は握手をして残りの幹部5人について話し始めた・・
森を抜けて街道に出たメアリーは近くの川で水分補給をしながら少し休憩を取っていた。
「このままいけば今日中には別荘に帰れそうだわ!! でもずっと身体強化使ってるのも疲れるし・・ どうしよう?」
「街道なのに馬車も通らないしここらへんはあまり使われていない場所なのかしら? 進む方向間違えた? 地図見てみよう!!」
地図を見ると今いる場所はスター共和国という別の国で街道を北に進んでいけば王国との国境付近にリーバーレイという街があると記されている。
国境付近の街の規模は不明だがそれでも人にも会わない馬車もいないことを不思議に思いなが夕方前にはリーバーレイの街に入ることができた。
「街なんてはじめて!! あれが露天?! いい匂い!! この光景で異世界に来てるって感じがする!!」
メアリーは異世界に来ていることをあらためて実感するとともに露店で串焼きを何本か買い宿屋の場所を聞いて宿に向かっていた。
「この肉おいしい!! もっと買えばよかった・・ あとでまた買いに行こう!! 教えてもらった宿はここ? お金はアリスからもらった金貨あるから大丈夫!!」
串焼きのおばさんから教えてもらった宿屋着く。見るからに高級な宿だとわかる。異世界はじめての宿屋にメアリーは興奮を抑えられずにいた。
「高級そうな宿!! こういうところに泊まるのはじめてだから楽しみ!! このままの姿行くと怪しまれるかな? 今日は身体強化使いすぎて疲れてるし怪しまれても家出したどこかの令嬢にしか見えないはず!!」
早く中に入りたくてたまらなかったメアリーは変身もせずに宿屋リーバーに入った。
宿屋リバーの中に入れると高そうな壺や絵画などもありフカフカな椅子があるのも見える。
従業員の格好も統一されており質の高さが伺える。
「中はこんな感じなんだ!! 凄い!! 部屋の中はどんな感じなんだろ?」
メアリーは受付の執事に話しかけた。
「すみません!! 一泊するにはどのくらい必要ですか?」
「銀貨5枚からのお部屋がございます!! 最高級のランクになりますと金貨1枚からになります!! 失礼ですがおひとり様でしょうか?」
執事からの問いかけにメアリーは、
「1人よ!! 今訳あって宿を探してるの! お金はあるから止めて頂戴!!」
受付に金貨を5枚出した。
「これでいいかしら? それと私がここに泊まっていることを聞いてくる人がいたら宿泊していないって答えおいて!! 5枚あれば足りるかしら?」
家出をしたどこかの貴族の令嬢にしか見えないような立ち振る舞いをした。
「承知いたしました!!すぐにお部屋に案内いたします!! 宿泊される間は専用でメイドが配属されますので必要の際はお呼びください!! こちらの部屋になります!!」
部屋の中に入ると王城の一室にも劣らない部屋だった。
メイドさんから室内について説明され何かあればベルを鳴らせばいいことを聞いた。
メイドが部屋から出ていくとメアリーはベッドにダイブした。
「このベッドフカフカで気持ちいい!! 私が使ってるのと同じなのかな? 最高だわ!! 金貨も多めに渡したし家出した令嬢くらいしか思われていないはず!! この後どうしよう?」
ベッドでゴロゴロしながらこの後の事を考える。
「こういうときは酒場でご飯を食べるのが定番なはず!! 1人で行ってもつまらないしメイドさん連れてこ!!」
ベルを鳴らしてメイドさんを呼び2人で酒場にくりだした。
執事さんから聞いたおすすめの酒場に入りご飯を食べた。
中に入るまだ時間が早かったのか人は多くない。
奥の席に座りおすすめされた魚のから揚げとステーキを食べながらメイドさんとも話した。
メイドさんの名前はアンといい、歳は17歳、この街に住んでいて父がこの街の領主の元で働いていてる。そのおかげもあって高級宿でメイドをやっているそうだ。
「お嬢様本当によかったのですか? 私の分まで出してもらって? 普通貴族ならこんな場所きませんよ?」
「リアでいいよ!! アンのほうが年上だし私酒場来てみたかったんだよね!!お酒飲みたいなら飲んでいいよ!! わがままで着いて来てもらったんだし!!」
「本当ですか!! すいませーん果実酒のお酒ください!!」
アンが酒を頼みだす。
「それで聞きたいことあるんだけどこの街に来る街道に馬車とか人が歩いていないのは何かあったから?」
「そうですよ!! 王国の王女様が襲われた事件があって賊たちがスター共和国から王国に侵入したらしいですよ!! それで今国境が閉鎖されててこの街に来てもやることがないんですよ!!」
「だからお嬢様がうちの宿に泊まってくれたから私もこれでお給金もらえますしありがとう!!リア!!」
お酒を何杯も飲みながら饒舌になりながら色々教えてくれるアン。
「飲みすぎよアン!! そろそろ帰るわよ!!」
「そんな飲んでませんよおーーー!! まだ帰りたくなーい!」
ベロンべろんに酔いながらわがままをいうアン。
「ったくめんどくさい!! こいつを誰かに引き取ってもらってすぐに自分だけでも帰りたい!!」
アンに呆れていると何人かの男に話しかけられた。
「お姉ちゃんと一緒に来たのかお嬢ちゃん? 俺たちがお姉ちゃん介抱してあげるから先に帰えりな? お嬢ちゃんがいていい時間じゃないよ!」
明らかに柄に悪い3人組に絡まれたメアリー達。
そのときメアリーはあることを思いつき
「お願いします!! 家まで運ぶの手伝ってください!!」
「おう!! 任せろ!! そのまえに介抱するにはいい場所があるからそこに行ってから家に帰らせてやるよ!!」
にやにやしながらメアリー達を見てくる3人の男たち。
メアリーはあえて知らないふりをして男たちに付いていき酒場から出るとメアリーとアンは怪しい場所に連れ込まれた。
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