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プロローグ
一度目。闇だった。
目の前から光の目が追いかけてきていた。
すぐに敵と悟り、逃げ出した。
相手の方が速かった。
振り向いた瞬間、喉元を噛みちぎられた。
一瞬、火傷したような猛烈な痛みがあった。
二度目。森だった。
大きな影が追いかけてきていた。
すぐに敵と悟り、逃げ出した。
相手の方が速かった。
振り向いた瞬間、胸元を切り裂かれた。
一瞬、血が飛び散ったところが見えた。
三度目。海だった。
大きな牙を持った何かが追いかけてきていた。
すぐに敵と悟り、逃げ出した。
相手の方が速かった。
振り向いた瞬間、胴体を噛みちぎられた。
一瞬、目の前が真っ白に染まった。
○○○
十度目。再び闇だった。
光の目が追いかけてきていた。
私は意思の疎通を試みた。
光の目に話しかける。
失敗した。
頭を握りつぶされた。
一瞬、爪の長い指が見えた。
○○○
五十三度目。再び海だった。
これは十箇所を順に巡っていることに気づいた。
牙を持った何かは、私に逃げる隙を与えなかった。
腹のあたりを噛みちぎられた。
一瞬、息を吐いた音がした。
○○○
百一度目。
闇は、来なかった。