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#1

本当に気ままに書いていきます。

諸事情(主に仕事)により、執筆速度は結構遅いと思います。

1話目は大まかに探索の流れを。

2話目からは色々細かい所の説明していくような感じになると思います。

タイトルは仮です。良いのが思いつかないのでもし良ければ何かいい案あれば教えてください…。

「高度2000。周辺の害反応なし。」

風を切る音が耳を裂く。

目前に広がっているのは白い砂漠。

砂が白い訳では無い。白いものの原因は塩だ。

「高度1000。周辺の害反応なし。」

塩の砂漠。植物の一つも生えていなければ、生物が動いている気配はない。

「高度500。着陸態勢準備。」

「了解。着陸態勢に移行。」

耳元で聞こえた指示に従い、頭を下に向けた降下態勢を足に装着した術式展開機に魔力を流し込み、衝撃波を出し、その反動で足を下に向けた着陸態勢を取る。

白い地面はみるみるうちに迫って来る。

「術式展開まで、5、4、3、2、1」

足に装着している術式展開機に魔力を流すと、赤白い光と共に魔法陣が展開する。

魔法陣が展開すると、両足の術式展開機から炎が噴き出し、俺の落下速度が急激に低下し始める。

すっかり人が着地しても問題ない速度まで落とす事に成功し、地面に足を付ける。

それと同時に術式展開機から広がっていた魔法陣は徐々に収縮し、脚部へと吸い込まれる様に炎と共に消えて行った。

「着地に成功しました。」

「了解。周辺の害反応なし。お疲れ様でした。降下サポートを完了します。また艇国へ戻る際は最寄りの上昇場へ行き、入国申請を行ってください。」

「はい。ありがとうございました。」

耳に付けてあるピアス型の通信機に軽く手を翳して通信を終わらせ、俺は背に背負ったリュックを背負い直し、目の前に広がる白い地平線を軽く一瞥した。

「誤差60㎞って所か。まぁ目印がある訳でも無いし仕方ないか」

一人で愚痴を零しながら、俺は地上の探索を開始した。


およそ800年前。

世界には海と言う塩が多量に含まれる水に覆われていたという。

だが、今地上にはそれは見る影もなく無くなり、海と言われていた場所は全て塩に姿を変えた。

原因は分かっていない。その時を記した書物に寄ると、突如薄緑の霧が世界各地の地上から吹き出し、たった1年で世界を覆っていた海が蒸発してしまったという。

そして、その時を境に世界には様々な形の怪物が姿を現し始めた。

その怪物は共通して黒いモヤを纏った黒い生き物の様なモノで、大きなモノから小さなモノまで様々だ。

俺たちはその怪物を”害”と呼んでいる。

害は地上を探索するに当たって最も警戒すべきものだ。

俺たち魔導探索者と呼ばれる者達は、蒸発した海を含めた地上から価値のある物を探し出し、それを売って生活している。

その探索の途中で害と遭遇した際に襲われる危険性があるからだ。

害は生物を発見すると、すぐに攻撃を仕掛けてくる危険な存在。無論対抗策はあるが、戦わないに越したことはない。

囲まれれば死ぬ危険性は高くなるし、逃げる為に折角手に入れた収集物を手放す事もあるからだ。


俺は肩のホルダーのボタンを外し、トントンと指で叩く。

するとホルダーから細長い直方体の黒い棒がスイッと飛び出し、俺の斜め上に滞空を始めた。

ウォッチャー。害が出す特有の波長を検知し、教えてくれる役割を持つ他、探索に関して様々な機能を持つ魔導探索者が探索に必須と言える魔道具の一つ。

ウォッチャーの起動を確認した後、地図をリュックの小口から取り出し、手首の袖口を捲り、時計を確認する。

時計には数字盤の周りに方位を確認できる魔道具も備わっている他、地図と併用して使う魔導砂も入っている。

方位を確認して北の方角へと体を向き直し、時計両端にあるスイッチを押す。すると時計下部から小さな引き出しが飛び出してきた。

そこに入っている魔導砂を一つまみし、地図の大まかな現在位置にパラパラと振りかける。

そうすると、地図の一か所に魔導砂が集まり、小さなひし形を形成した。

このひし形がある位置が俺が現在いる場所だ。

これで方角と現在位置の設定が完了した。

次にウォッチャーに軽く目配せして手元に呼び、俺が今回目的地としている場所をトントンと差す。

すると、直方体の辺が下から上へ短く緑に点灯し、俺の右斜め上の滞空を始めた。

俺が身体の向きを変えてウォッチャーの方向へ向いてもウォッチャーの滞空方向は変わらない。

ウォッチャーは基本的に所持者の後ろ上を滞空する物だが、俺が今回行ったのは目的地への方向ナビだ。

こういう機能も含めてウォッチャーが魔導探索者が探索に必須と呼ばれる所以である。

俺は地図を折りたたんで仕舞い、目的地へと足を進めた。


数時間歩き続け、目的としていた場所へと辿り着いた。

これまでは見渡す限り塩だったが、目的地としていた場所には直径20m程度の大穴が空いていた。

中を覗く。

中には劣化は激しいものの石レンガで作られた建築物の様なモノが見て取れる。

ビンゴ。古代物だ。

海が干上がる前はこの場所は地上だったんだろう。海が何らかの理由で水位が増し、この建築物は海に沈んだ。

この世界にはこういった場所が数多く存在している。この塩の原っぱ。塩原で見つかる事が一番多いが、地上で木々の中に埋もれる様にして存在する古代物もあれば地下に沈んでいる物もある。

たまにこういう風に建築物や都市など人工物がある場所が陥没して姿を見せる場合がある。

これを崩壊。大都市などが姿を現す時に起こす数百キロにも及ぶ崩壊は大崩壊と呼ぶ。

今回の様な小さな崩壊であれば大した物はまず見当たらないが、大崩壊ともなればとんでもないお宝が発見される事も少なく無い。

まぁでも、この様な小さな崩壊であっても一週間は安定して暮らせる程の収入は期待出来るだろう。

俺はまず人差し指と中指を立て、崩壊した穴の中を指差す。

そうするとウォッチャーが穴の中へと入っていき、しばらくすると戻って来た。

戻って来たウォッチャーの直方体の辺の色が緑に発光している。これは空洞の中が人体にとって有害な気体が無い事を証明している。

赤ければ有害。黄色であればガスマスクを付ければ問題なしと判断できる。

俺は空洞の淵に立ち、中の深さを見る、が中は暗くて高さまでは確認できない。

ウォッチャーへ指示を出して穴の中の地面まで向かわせ照明を付けさせた。

ここからウォッチャーが光を出している地面まではおよそ50m。穴自体は小さめだが、案外中の空洞は大きい。

穴の中へと軽く飛び込む。

ある程度落下した所で術式展開機に魔力を流し込み、炎を出して落下速度を軽減、着地する。

リュックのハーネス胸部分に付けてあるライトのスイッチを入れて周りを確認する。

小さな村程度の古代物だ。目に入る建築物は9軒。無事に家として形を保っていて探索可能そうな物は3軒。どれも2階建ての様な高さがある。

ひとまずは半壊している建築物2軒を軽く確認する。

全壊している建築物は流し見で大丈夫だろう。それまで確認していたらどれだけ時間が掛るか分かったものではない。

まずは半壊1軒目。

崩れた石レンガを踏み越えながら家の中を見る。

特別何か変わったものは無…

「…ん。」

ライトの光に反射して一か所だけキラリと光る所があった。

ゆっくりと近づき、上の石レンガを退かし、それを拾い上げる。

金属。用途は分からないが片方の先端が尖った棒の形をしている。

見てみると他にも数本落ちている。

石レンガを退かして拾えるだけ拾い、リュックの中に仕舞う。

この家にはこれだけしか収集物は無かった。

もう1軒の半壊した建築物と無事な1軒も同様で金属の棒が十数本手に入った。

金属は空に浮いている挺国にとっては割と都合の良い物品だ。

このような何の変哲もない金属でも割と高値で買い取ってもらえる。

この金属が何なのかは解らないが、仮にグテン金属であれば武器や防具などの装備品に流用されるため高く売れる。

合計3軒で40本強手に入った。

リュックの中に入れ始めた後半辺りから気になる事があった。

重さだ。

これは体感のみの判断だが、入れた量に対しての重みが重く感じる。

何かしら特別な金属か?とりあえずは汎用金属という線は消えそうだ。

さて、次の家だ。


外壁は老朽化が進んでボロボロだが、中はまだ綺麗なようだ。

建物の中には木製の机や椅子などが乱雑に置かれている。

椅子の足を触る。少し力を入れただけでボロボロと崩れてしまった所を見ると辛うじて形を保っているだけで実際に使う事は出来なさそうだ。

一階は前の家とほぼ同じ構造。広めのスペースに、奥に料理をする為に設置された錆びた鉄が所々見えるキッチン。それだけだった。

部屋の隅にある二階に上がる為の石製の階段を登る。

二階には特に大きな家具などは見当たらないが、部屋の隅に先ほどから拾っている金属の棒と見慣れぬ器具の様なモノが見えた。

足場に気を付けながら器具に近づく。

年月を経ているお陰でかなり劣化が激しいが原形はしっかりと留めていた。

錆が激しいが金属製の丸い筒、その先端には木製で十字の取っ手の様なモノが付いている。

しばらく色々な角度で観察する。

「これは…」

俺は近くに落ちていた金属の棒を手に取り、尖っていない方を筒の口に当てた。

錆により変形して入れる事は出来ないが、入れる事は可能だ。

金属の棒が近くに落ちていた事と含めると、コレは金属の棒を何かに使うための道具と考えて良いだろう。

劣化が激しすぎて十字の取っ手は観察している時にボロボロと崩れ落ちてしまった為持って帰ったとしても価値が付くものでは無いだろうが、鑑定士に聞いてみる材料が出来たと思えば上々だ。

金属の棒を持って行った時にこの道具の事を事細かく説明し────

「──っ!?」

突如ィィィンという高音が頭の中を走った。

直後、俺はすぐに走り出し、建物の外へ飛び出した。

周囲を見渡す。先ほどと同じで特に変わりは見えない。

だが、高音は頭の中で鳴り続けている。

入って来た穴の場所へと走り出す。

俺が走り出した瞬間、背後の空気が一気に変わったと同時に土に埋もれている壁の方から土を掻き分ける様な音が徐々に近付いてきた。

穴の真下まで到着し、脚部の術式展開機に魔力を流し込み、炎を出して浮遊する。

一秒ほど滞空して体勢の安定を確保し、流す魔力を一気に増やして浮遊から急加速へと切り替える。

急加速によるGが身体を叩くが、悠長なことは言ってられない。

地上まで後30、20、10──

地上に出た瞬間、地上を照らすソルの光で眩暈を起こすが、構わず身体を捻り、体勢を変えて低空飛行へと切り替える。

魔力を更に流し込み、噴射の威力を高めて更に加速する。

みるみる内に先ほどまで居た穴が遠ざかっていく。だが、頭の中では高音が依然鳴りやまない。

30秒程飛行していると、後方で大音量の爆発の様な音が聞こえた。

飛行しながら後ろを見る。

黒い靄。黒く長い身体。そしてその身体から何本も伸びる足の様なモノ。

「昆虫…ムカデ型の害。しかも中型か…!」

収集物が少なかった事が幸いしてすぐに移動出来たが、脱出に手間取っていたらアレと一戦交える事になっていただろう。

穴から這い出してきた害は長い身体を活かして身体を立てて周囲を見渡した。

恐らく顔に当たる部分が俺の方向を見た瞬間見渡す事を辞め、俺を凝視し始めた。

だがそれも数秒で終わり、俺が高速で遠ざかっていることを確認した後は這い出してきた穴にまた戻って行った。

頭に鳴り続いていた高音も徐々に小さくなっていき、2、3分飛行を続けた所で完全に収まった。

収まったことを確認した俺は術式展開機への魔力供給を辞め、徐々に速度を落とし、着地し、膝と手をついた。

「ハァ…!ハァ…!ハァ…!ハァ…!」

緊張が解けた瞬間、突然のカートリッジ無しの大量の魔力消費による疲労がドッと身体を襲う。

汗が絶え間なく流れ続け、地面の塩に音を立てて落ちていく。

身体を翻して尻もちをつく。

すぐに右胸部にある3つ連なった小さなポーチを一つ開け、中から鉄製の細長い銀色の容器を出す。

太腿の横に容器を押し当て、先端にあるスイッチを親指で押し込む。

「──っ!!!!ぐっ…」

バシッ!という噴射音と共に衝撃と痛みが患部に走るが、瞬時にそれは無くなり、先程まであった疲労感や倦怠感が徐々に回復してくる。

魔力カートリッジ。魔力が不足してしまった際の緊急魔力補給の他、術式展開機へ装着することで一時的に魔力を使わずに魔導を使用することが出来たり、魔力を使って動く収集物を起動させることも出来る汎用性の高い物。

今回の様に人体に対して使う事は苦痛もそうだが魔力補給の効率が悪い為あまり無い。

「はぁ………」

安堵と脱力感から大息を吐いて身体を倒す。

小さいが、未探索の古代物を探索出来たし、一応の収穫はあった。これだけあれば少なく見積もっても一週間、金属の素材次第では一か月以上暮らせる程にはなるだろう。

それに加えて滅多に見る事の無い中型の害が出現したのだ。運が良ければ更に収入獲得も有るかもしれん。

それも含めてまたすぐに探索に落ちる事になるとは思うが、とりあえず今回はさっさとこの重たい金属を換金して帰ってゆっくり酒でも飲もう。

そう心に決め、身体を起こして立ち上がる。

リュックの小口から地図を取り出し、一番近い上昇場の位置を確認し、足を進めた。


歩き始めて約6時間。

ウォッチャーに指定した場所に特に何事もなく到着した。

だが、既に日は落ちてしまっており、周囲には月の光と俺のライトの光だけが周囲を照らしていた。

その2つの光に照らされて俺の前に姿を現したのは一面塩だけの地面に一か所だけ金属特有の銀色を放つ丸いシートの様なモノ。

俺はその金属の上に立つ。すると、金属のシートが薄く光り、俺の目の前に光で出来たパネルが出現した。

『タグを確認。第三挺国在住。レクス・ラッセル様。ご用件をどうぞ。』

「第三挺国への上昇の許可と上昇路の展開をお願いします。」

『かしこまりました。第三挺国進入口の確保の為第三挺国との通信を行います。しばらくお待ちください。』

女性型の機械音声に返事は不要。続きを黙って待つ。

『進入口の確保を完了しました。レクス・ラッセル様の進入口は51番ドッグで御座います。』

『続いて、脚部術式展開機への魔力充填と、上昇路の展開を開始します。衝撃にご注意ください。』

音声が終わった数秒後、俺の足元から一本の太く黒いロープの様なモノが射出される。

その勢いは凄ましく、瞬く間におよそ100mもの距離のロープが上空へと伸びた。

その後、一瞬電気が通った様に稲妻がロープに走り、ロープはピンと直線に形を保った。

空中に伸びる100mの黒い棒と化したそれは、その後中央で割れ、数センチ程の隙間を作った。

『脚部術式展開機への魔力充填と、上昇路の展開を完了しました。上昇準備を開始してください。』

音声を聞き終えると俺はリュックの中から一本の金属の棒を取り出す。

それを軽く振ると、棒は伸びた後伸びた箇所が広がり、俺が持っている棒と繋がった板が出来上がる。

棒の部分を90度曲げ、少し押すと板から棒が少し突き出た形状に変わる。

その少し突き出た箇所を上昇路にある数センチの隙間へと差し込み、額に付けていたゴーグルを目に合わせ、板の上に乗る。

「上昇準備完了。カウント開始。」

『了解。上昇カウント開始します。』

『10、9、8、7、6』

カウントが進むに連れ、ロープからは稲妻がパリパリと漏れ始める。

『3、2、1、射出。』

その声と共に、俺の身体は超高速で加速した。

正確にはロープに接続した板がロープの上を超高速で移動しているのだ。

ほんの数秒、ロープの上を超高速で滑走し、ロープの終点と共に俺の身体は上空へと放り投げられた。

板は役目が終わった瞬間に棒の姿へと戻り、俺は上空を高速で上昇しながらリュックにやや強引に仕舞い込んだ。

しばらくすると、脚部の術式展開機から魔法陣が展開し、ジェットを噴射し始めた。

慣性の上昇から術式展開機での上昇に切り替わった所で目前には分厚い雲が迫ってきていた。

俺は左後ろへ手を伸ばし、リュックから酸素ボンベのホースを引っ張り口に咥えた。

ドプンッという重い音と共に視界が水中へと切り替わった。

高度3000m。水雲が滞空している高度である。

水雲の厚さはおよそ800mあり、水雲を通る際、酸素ボンベは必ず装着しなければ挺国に帰国する前に窒息してしまう。

上昇は上昇場から挺国の進入口まで直線で飛ぶ為、その中間に水雲が滞空していればそれを突っ切って行かなければならない。

荷物次第では水雲の様子を見て上昇するタイミングを計ったりするが、今回の荷物は大して大きくも無ければ濡れて困るモノでもない為上昇することにした。

術式展開機からのジェットにより、速度を落とす事無く水しぶきを上げながら水雲を通り抜ける。

通り抜けた先に見えたのは、途轍もなく大きい空を飛ぶ機械の様な島。

上昇の速度を下げず、その島へと近付いていくと、真四角の大きいウォッチャーが俺の前に並走を始めた。

数秒俺の目の前を飛んでいたが、徐々に角度を変え始め、俺はその後ろを付いていく。

やがて、島への距離が近くなった頃、51という数字が大きく書かれた箇所が目に付いた。

その方向へ飛び続けると、51という数字は中心で横に割れ、シャッターが開き始めた。

ウォッチャーはそれを確認すると俺から離れて行き、俺は既に開ききったシャッターへと上昇を続ける。

俺の身体が進入口を通過した瞬間、術式展開機から広がっていた魔法陣は消滅し、何か空気の層を突き抜けた様な感触と共に俺の速度は一気に減速した。

それでも若干の慣性で浮遊し、進入口の奥の地面に若干の炎で減速しつつ着地した。

俺が51番ドッグに進入した後、すぐにシャッターが閉まり始める。

ドッグ奥にある重い鉄の扉を開き、少し進んだ場所にポールの前に立つ。

しばらく待つと、ポールを伝って2本の棒が降りて来た。

片方に片足を、もう片方に捕まると、身体はポールを滑るように上に持ち上げられた。

視界は数秒に一度、設置されている小さなライトが身体を照らす以外は完全な闇に塗り固められた。


数分上昇する。そして減速を始めた頃、目の前には大小様々な錆びた赤茶色のパイプが血管の様に張り巡らされ、その隙間隙間に小さな露店が設置され、全体的に電球色を放つまるで祭りでも行われているかのような賑わいを持つ街が広がった。

第三挺国中層商業街。この第三挺国の下層と中層に住む住人が主な取引を行う場所であり、第三挺国最大の商業地域である。

上昇が完全に停止し、すぐ目の前には数多く区分けされた窓口があった。

魔導探索者達が探索から戻って来た時に真っ先に向かう場所。鑑定所である。

地上で取れた収集物の鑑定、換金の他、収集物の加工依頼まで請け負ってくれる。

俺は窓口の上に書かれた数字を見ながら歩を進め、73と書かれた窓口を見つけて近付き、中を覗き込んだ。

窓口の中には身長は低いが、口の見えない長い口髭を生やし、筋骨隆々な男が机に頬杖を突き、片目に複数レンズが点いた眼鏡で面倒くさそうに金属片を眺めていた。

「よぉツェズ。相も変わらずここは空いてるじゃねぇか。」

俺が鑑定士に声を掛けると、悪い目つきで俺を一瞬睨んだ後、一変若干嬉しそうに眼を開いて持っていた金属片を後方へ放り投げた。

「おぉレクス。10日ぶりくらいか。なんだ?もう金が無くなって潜ってたんか?」

「いや、上から崩壊してる所が見えたんで、何か無いかとサクッと潜ってたんだよ。金は沢山あるとは言えないが普通に暮らす分にはあるさ。

 まぁでも、崩壊が見えたら行ってしまうのは探索者の性ってな。一応は収穫はあったし、また鑑定を頼みに来たんだよ。」

「お前らもホント好きだよなぁ。害が出て死んじまう事もあるってのに。まぁいつまでも喋ってても何だ。その収穫ってのを早速見せて貰おうじゃねぇか。」

俺はリュックを机の上に置き、中から地上で手に入れた金属の棒を一本取り出し置いた。

「コレと同じ様なモノが後40本程手に入った。鑑定してくれ」

ツェズは金属の棒を手に取り、まずは上下に軽く振っておおよその重さを確かめた。

少々の唸り声を上げながら様々な角度から眺めた後、片目の眼鏡に数枚レンズを降ろして見、机の下から細い鉄棒を取り出してコンコンと叩いたり、磁石を近付けたり、重さを測る台の上に載せたりと手際よく鑑定をし始めた。

しばし鑑定した後、ツェズはンン…と小さな声を漏らした。

「レクス。コイツを何処で手に入れた?」

その言葉を聞いて、俺はリュックに手を伸ばし、小口に仕舞ってある地図を取り出した。

「地図番は5-AEだ。」

俺がそう言うとツェズは後ろの本棚にある紙束を引き抜き、俺が言った地図を探し出した。

地図番。広大な地上を上空から大まかに観測し、作図された地図はかなりの数となる。

それぞれに番号を振り、管理と照合をしやすくされたものが地図番である。

俺が言った最初の5。コレはこの世界にある8つの大陸の番号を示していて、その次のAEは更にその大陸を細かく細分化した地図で、Aから始まり、ZからはAAとなる。

5番大陸の地図はAJまで地図が作成されている。

更に、このアルファベット一つの地図には細かく区分けされており、地図の上には更に英語でAからMまで、横には1から50まで打たれており、一つの四角の一辺は5㎞という具合に書かれている。

「俺が今回探索したのはDの27。ここで崩壊が起きてた事に前回の上昇中に気付いて、今回降りたんだ。」

「塩のド真ん中か。なるほどな。」

「なんだ。その金属は訳アリの金属なのか?」

「いや。そういう訳じゃねぇ。コイツァ”チコン”っていう金属だ。グテンだのレニウムだのの貴重金属程じゃねぇが一応貴重金属だ。」

「ほぉ?等級は?」

「チコンの等級は3だな。」

「上々だ。一応本数はあるからな。割と良い金額にはなるだろ?」

「そうだな。チコンは様々な加工の道具として使われる事が多いから需要は高ぇ。良い値段は付くだろうぜ。」

「それが聞けて良かったよ。それで。チコンを何処で手に入れたかってのはどういう意味だ?」

「んん。コイツは昔から加工の道具として使われてきた金属でな。正に地上に街があった時代からな。」

そう言うと、ツェズは机の下をまさぐり、少し見覚えのある道具を取り出した。

金属製の丸い筒、その先端には木製で十字の取っ手の様なモノ。俺が地上でチコンと共に見た何かの道具と瓜二つだった。

「見たことがある道具だな。チコンの傍に一つだけそれに似たもんが落ちていたよ」

「コレは振動機って呼ばれててな。この筒の中には魔術文が書かれていて、魔力を流すと目に見えない程超高速で振動すんだよ。

 んで、この筒の中にチコンの杭を入れて、魔力を流すと──」

ツェズは俺が持って来たチコンを金属の筒の中にグッと差し込み、手近な場所に置いてあった鉄を引っ張って手元に置き、木製の取っ手を持ってチコン杭の尖った箇所を鉄に当てた。

すると、スイッとまるで熱した包丁がバターを貫くようにスルリと杭は音もなく鉄を貫いた。

俺は口笛を鳴らして感嘆を示す。

「チコンは加工という使い方に対して絶大な力を発揮する金属だ。今でもアスラルグテンに魔術文を彫る時にはチコンが使われたりする。」

「へぇ。アスラルグテンにも傷を入れられるのか。そいつは凄い。」

「そしてコイツは他にも”オトシ”とも言われててな。何故か分かるか?」

「落とし?何でだよ。」

「チコンは昔から加工が盛んな地域で大量に取れる傾向があってな。そんな小さな崩壊でポロポロ取れる様なモンじゃねぇ。

 つまり、チコンがある一定数見つかった場所の近くには少なくとも金属の加工が盛んな場所があったって考えられる。」

そこで俺は気付き、ツェズは俺が気付いた様を見て口角を上げた。

「確定とは言えねぇが、大崩壊が起こる可能性があるってこった。見たところお前が行ったAE付近では大崩壊は起こった記録がねぇからな。もしかすると、だぜ」

「良い事を聞いた。だが、中型の害に襲われて、かなり周囲に振動が走ったとは思うが大崩壊が起こる気配は見えなかった。お前が言う大崩壊が起こるのは相当後かも知れないな。」

「中型の害に?」

「あぁ。丁度探索も終盤だったからな。すぐに逃げたから何とかなったが…」

「周囲には無いのか、それとも相当下に埋まっちまってるか、だな。まぁ取り合えず記憶には残しといて損はねぇだろ。どうせ明日も行くんだろ?」

「──フン。まぁ、お見通しだよな。」

「中型が出たってんならアスラ取りに行くのは探索者の義務みたいなもんだからな。」

俺はリュックを取り、リュックの中にあるチコンの杭を足元にある箱の中に全て入れ、リュックの地図とはまた違う小口から数字が書かれた付箋を一枚千切って箱に張り付けた。

「また明日収穫があれば来る。換金の方頼むぞ。」

「おぉ。待ってるぜ。幸運を祈る。」

軽くなったリュックを背負って鑑定所を後にする。

俺は歩きながらリュックの中にある薄茶色の紙を取り出し、今日の探索の報告書を書き始めた。


「お疲れ様。今日の探索報告書だ。確認してくれ。」

商業街を少し歩いた先に、魔導探索者達のギルドがある。

魔導探索者は探索を終えた後は必ずここに来て探索報告書を提出する事が挺国に義務付けられている。

探索報告書には地上の滞在期間や使用した道具、何をして何が起こったか、鑑定所で鑑定してもらった収穫物と売りに出した物を記入し、最後に先ほどツェズの所で箱に張り付けた付箋を貼り付け提出する。

これを行わなければ、売りに出した収穫物の金は貰えず、次に探索に降りる際にもこの報告書が未提出であれば降りる許可が出ない。

「…はい。確認しました。中型の害が出たとありますが、すぐに次の降下申請しておきますか?」

「そうだな。頼むよ。」

「分かりました。では、こちらを」

受付の女性から一枚の紙を受け取る。

すぐに受付に備え付けてあるインクと羽根ペンを使って装備と滞在予定期間、降下日時を記入して提出する。

受付は受け取ってすぐに目を通し、ニコリと俺に笑いかけて頷いた。

俺もそれに微笑みで返し、受付から離れ、ギルドを後にした。

ギルドから出て、商業街の外へと向かって歩き出す。

数十分歩いていく内に、徐々に商業街のそこら中から聞こえて来ていた喧騒は小さくなっていき、周囲も徐々に暗く、店の灯ではなく石壁に備え付けられた街灯の光だけが周囲を照らすようになっていった。

中層の住宅区に入り始めたのだ。

俺はまた少し歩いて上を見上げた。

既に遅い時間故に目に見える家の窓はほぼ全て閉ざされている。

約3階建ての木造の家がほぼ隙間なくズラリと並んでいる中、一か所だけ家と家との間に隙間があり、その隙間には一本の金属のポールが立っていた。

すぐにそれに近寄り、ポールから伸びる2本の棒の片方に片足を、もう片方を掴み、空いた手で首に掛けている鉄の認識票を取り出してポールに近づける。

すると認識票が一瞬淡い緑の光を放った。

それを確認した俺は認識票をまた首に掛けた。

数秒待つと、2本の棒はゆっくりと上昇を始めた後、速度を上げ、およそ30m程上にある金属の太いパイプまで上昇した後減速し、次は地面とは平行に太いパイプを伝って速度を上げて移動を始めた。


しばらく移動をし、徐々に移動速度が減速を始めていることを感じる。

住宅区の端。俺が住まう家がある場所に近付いた証だ。

そのまましばらく弱い減速が続き、俺の家が間近に迫った頃合いで少し強い減速を感じた。

完全に停止すると、次は2本の棒がポールと共に下に降下を始めた。

地上まで2m程まで降下した辺りで俺は手と足を離して地面へと飛び降り、自宅の方へ歩を進めた。

飛び降りた場所から俺の家は4、5分で到着する。

降下所や商業街から割と遠い故にこの辺りの家はかなり安い。

商業街近くの家は基本3階建てだが、階ごとに家を買う必要があり、上階と下階は別個。住む人も違うし、なにより家の値段も相当高い。

俺は金が無い訳ではないが、出来るだけ静かな所が都合が良いし、ソロで探索者をやっている俺は複数階買って他の階を倉庫だのなんだのに使う方が便利だ。

だから、商業街からこんなに離れた場所に家を持っている。

家の前に到着する。

家は商業街近くで見た木造ではなく、コンクリートで外壁が固められている3階建て。

買った当初は木造ではあったが、完全に家を作り直して俺の要求に合った家にした。

俺は家の扉に手を掛ける。

すると扉の内部から3回ロックを解除する音が聞こえ、カチャンという音と共に扉は軽く開いた。

家の中に入り、壁に設置してあるパネルに手をかざす。

それまで死んでいたように暗い家が、それを合図に息を吹き返したように電球色でその内部を照らした。

家の内部は外とは打って変わって木造で、正面右には上階に続く階段が、その横すぐ左には2つの扉が正面側と真左に設置してある。

俺は両手の二の腕部にあるスイッチを押して両腕の術式展開機を、足の太腿にある術式展開機に埋め込まれたレバーを起こして横に倒し、膝下辺りにもある埋め込まれたレバーを同じく起こして横に倒し、両手両足の術式展開機を取り外し、正面の扉を少し開けてリュックと術式展開機を中に置き、左の扉を開けた。

その扉の中は脱衣所になっている。つまり風呂場だ。

1階の構造は階段と風呂場と作業場を兼用した倉庫がある。寝泊まりしているのは2階だ。

服を籠に脱ぎ投げる。すると脱ぎ捨てた服からスイッとウォッチャーが抜け出し、倉庫の方へ飛んで行った。

それを軽く見届けると、俺は風呂場へと入り、身体を洗い始めた。


タオルで髪を拭きながら作業場へ入る。

本当はすぐにベッドに入って眠りに入りたい所だが、サクッとだが明日も降下する予定だし、装備する武装ももしもの事を考えて今日よりも強力な武装をする予定だ。今の内にその準備をしておかなければ。

だが、まずは今日付けていた両手両足の術式展開機の手入れだ。

俺は置いてあったリュックを壁に掛け、両手の術式展開機を手に持ち奥の作業机に向かった。

術式展開機を机に置き、机の脚に取り付けてあるスイッチを押す。

すると部屋の奥からトルルルという軽い音がなり始めた。

それを確認した俺は椅子を滑らせて座り、少し待つ。

コンプレッサー内に空気が溜まるのを待っているのだ。

少し待ち、机の脚に引っ掛けてあるエアダスターガンを持ち術式展開機の隙間にエアーを吹き掛けていく。

すると隙間からは白い粉が所々からフワッと舞った。

塩だ。

砂とかであれば問題は無いとは言わないが、問題は少ない。

だが、塩となると話は別で、即日か次の日位にはこうして取り除かなければあっという間に劣化してしまう。

魔術文がある心臓部にはアスラルグテンが使われている為錆付きで術式展開出来なくなるという訳ではないが、他の部分が錆付いたりした場合動かした際に痛みを伴ったり、動きにくくなったりして買い替えるか全体修理に出す必要が出て来る為日頃の手入れは金銭的にも実践的にも大切だ。

全体の細かい所にエアーを吹き、塩が出てこなくなった事を確認した後は、可動部に油を一滴差し、少し動かしてなじませ、出て来た油を拭き取る。これを術式展開機全体に行えば手入れは終了する。

慣れてしまえば手入れ自体に時間は掛からない。俺は両手両足で20分で手入れを終了させた。


次に、倉庫の奥に仕舞ってある大きめの剣を持ち出し、机に置いた。

対中型用攻性術式展開機の剣型。大きさは長さ120cm。持ち手には一つトリガーが装着されていて、持ち手から刃の間にはカートリッジが両横に3本ずつの計6本が装填出来る代物だ。

机の左横にあるキャビネットの一番下の引き出しを引く。中には均等間隔で三十数本カートリッジが収納されている。

その内の一本を取り、6個ある差込口の一つにカートリッジを差し込み、グリップを握りこむ。

すると、差し込んである部位から1本青緑に光る線が刀身を走り、枝分かれしながら剣先へと伸びて行った。

前回にこれを使ったのは半年以上前になる。それ故にしっかりと稼働するかを確認しなければならない。

一先ずは術式を適当に展開する。展開する術式は”軽量の術式”。

トリガーを引くと、グリップに近い位置に白い魔法陣が広がった。

すると、先程までは両手で抱えなければ持てない程の重さがあった剣が片手で持ち上がる程度にまで軽量化した。

片手で振り回すには流石にまだ若干の重さはあるが、この術式が無ければそもそも両手で持ってもまともに中型の害と戦うのは無理だ。

もう一度トリガーを引く。すると次は刀身に黄色の魔法陣が広がり、刀身からシィィィンという軽い音が聞こえ始める。

魔術によって刀身が細かく超振動している音だ。

これによって害の硬い外殻を切り込む事が可能になる。

剣を机に置き、トリガーを引く。

すると先程まで広がっていた2つの魔法陣が吸い込まれる様に消えて行った。

剣の動作は大丈夫だ。

俺は立ち上がり、部屋の奥に置いてある”C型脚部”と書いてある箱を開ける。

中を取り出し、机の上に置く。

俺が今日付けていたB型脚部の術式展開機よりも一回り大きく、ふくらはぎの両側に1本ずつ、太腿の両側に2本ずつの計6本カートリッジを装填する差込口が付いている。

見た目こそB型脚部よりも重々しいが、重さ自体は軽く頑丈な金属が使われている故にB型よりも少し重い程度で動く事には不便はない。

B型との違いはB型は汎用性が高い魔術文が刻まれているのに対してC型は高機動性に特化した魔術文が刻まれている。

片足に術式展開機を装着し、先程まで剣に差し込んでいたカートリッジを抜いてこちらに差し込み、足に意識を向ける。

試しに出力を抑えて炎を噴射させてみる。

脚部の術式展開機から赤白い魔法陣が小さく広がり、脚部の噴射口からチラチラと炎が見え始めた。

それを確認すると、カートリッジを取り外して足を術式展開機から引き抜いた。

もう片足側の術式展開機も同じ様に術式が起動する事を確認して動作確認は完了。机の上に置いてある剣の横にC型脚部の術式展開機を置き、今日使った物品をリュックと服に補充して倉庫を出た。

パネルに手をかざして1階の電気を消して2階へと続く階段を登る。

2階に上がると、目の前にはそのまま3階へと上がる階段が続き、横にはリビングへ繋がるドアがある。

「(んん…軽く食べるか、そのまま寝るか。どうするかな)」

ドアを見つめて数秒考えるが、ふと眠気を感じた。

「(あぁー。寝よ。起きてから食べればいいか)」

俺はそのまま2階へは寄らず3階へ上る。

3階に上ると前にはドアが目の前に一つ、その横に少し廊下があってその奥に2つドアがあり俺は目の前のドアを開けて中に入る。

ドアの中には大きめのベッドと箱が一つ置いてある。

箱を開けて中から瓶を取り出して栓を引き抜き、中の液体を体に流し込む。

中身はただの水だが、冷蔵効果のある箱に入れてあったお陰でキンッキンに冷えてやがり、身体に染み込んでいく。

「ふぅ…」

瓶の中は350ml程度の量入っていたが、それを一気に飲み干し、空になった瓶を床に置いてベッドになだれ込む。

ベッドの柔らかい感触に体を預けると、途端に強烈な眠気が襲ってきた。思っていたよりも疲れていた様だ。

そのままその眠気に身体と意識を預け、俺はすぐに心地よい眠りに落ちて行った。




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