表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚ろな夕暮れ  作者: 白石平八郎
39/60

堺 7

ー元はと言えば、飯塚を含めた彼らとの確執は『彼女(・・)』絡みで生まれた。


『彼女』に流され、押し切られたとはいえ、男女の関係となってからはそれが明るみになるにつれ、仲の良かった彼らとの関係は悪化していった。


『彼』がこの部屋に入るなり、話していた声が止まり、一瞥するなり能面のような表情で手元にあるゲームやら本やらに目を落とす。


『彼女』がいない時、前のような活気ある会話などなく、ただ作業をしている音だけが響く部屋。


もう何度も見た光景にため息をつく気力もなく、『彼』はいつものように部屋の隅に座る。


こうまでなってもサークルに来る理由は交際している『彼女』にある。


一度、空気感に耐えられずに行かないことがあったが、その際には『彼女』が『彼』の家に来るなり、「お前のせいで私が気の毒な目にあった、どうしてくれる」といった具合で叫びながら部屋の中にある家財を悉くひっくり返して回った事があった。


通常考えれば精神疾患を疑う癇癪なのではあるが、なまじ『彼』の母親においても似たような発狂(・・)を起こすことがあった為、それがおかしい事だと気づけず、「女性というのはこんなものなのだろう」という認識で耐えてしまった。


とはいえ、二度も三度も同じようにされては敵わない為、以降は彼女が顔を出す際にはやむを得ず出てきている形だ。


サークルのメンバーは各々がある程度の間隔を取ってそれぞれ何かをしている事だけがわかる空間。


『彼』に対して無視を決め込むメンバーの中には飯塚もいた。


飯塚は他の者と共同して無視を決め込んでおり、今日もこうして『彼女』のいないところで憂さ晴らしを受けている状態だ。


抜け駆けをされたという彼らの勝手な勘違いではあるが、なまじ状況が状況だけに『彼』も事情がやや異なることを伝えられずにいる。


もっとも、言ったところで彼らの感情を逆撫でするのは明白だし、事実形式はどうあれ付き合っているのだから如何ともしがたい。


無視だけであれば別にいい、少なくともその時はその程度に考えていた。


ー機数を減らした飯塚隊は飯塚機を含む残りの4機で牽制射をしつつ、篠田機から一定の距離を置きながら包囲しようと試みていた。


相変わらず教本通り、距離を一定に保って射撃を行う対地上兵器戦法を使ってくる。


もっとも、この状況であれば概ね間違っていない。


しかも前回とは違い距離を置いた上での包囲は搭載武器のほとんどを失った篠田機からすれば最も手出しが難しい展開だ。


拳銃も先ほどの連続射撃によって砲身が過熱して使用不可に陥っており、現状で使用可能な装備はダガーのみ。


他方、兵俑機側のライフルであればバイタルパートに数発直撃するだけで篠田機の損傷は免れない。


先ほどの奇策は二度も通用しないだろうし、距離を詰めるにも彼女の周辺になる遮蔽物となる建物のほとんどを今の牽制射を含めた攻撃によって破壊されており、少しでも上体を起こせば瞬く間に蜂の巣になる。


いくら機動性の高い22型とはいえ、包囲された状態で撃たれれば回避のしようもなく、差し違え覚悟で突撃すれば1機は屠れるが、直後に集中砲火を受け、撃破されることは想像に難くない。


先ほど、救難用の信号弾を撃った事もこの暴風雨で視界が悪く、そもそも部隊が攪乱の為に広範に対して散り散りになっている為、気付く可能性は限りなく低い。


通信は先ほどよりも悪化していてノイズだけが耳元で騒いでいる。


恐らく近くでEMPパルス弾を使用したものだと思われる。


考えうる自身の打開策はほぼ潰えており、包囲も時間の問題だ。


逃げるという選択肢を使えば辛くも生き延びる可能性は無くもないが、そうなると先に撃破された少尉機を置き去りにすることになる。


彼にも近距離通信を何度か送っているが反応はない。


だが、生存している可能性はわずかだがあるかもしれないという念を捨てきれずにいた。


そういった意味では非常な決断に徹しきれない篠田の甘さは概ね大部隊の指揮官向きではないだろう。


それは彼女自身も理解しているが、よりにもよって自身の仇の為に巻き添えを食った形の彼を見捨てる訳にはいかないという『彼』の矜持に付き合う形だ。


彼女が少尉の安否をぼんやり考えていた時、ふと、『彼』が気付く。


思い付きが実行可能かどうか、残ったサブカメラで機体を見遣ると、その腕部には保持しているAM-15ライフルがあった。


機体そのものは背部に砲の直撃を受けた為、被撃破時に放射能汚染を防ぐ冷却用ジェルが漏れ出ており、完全に停止している。


そして、腰部アタッチメント部分から脱落した弾倉が路面に転がっており、数発が裸のままで散乱していた。


これであれば使えるー、そう思った時には篠田機はスラスターを噴かしながら少尉機に接近を試みる。


危地に陥った際、『彼』は怯懦から脱却し、自身を客観的なものとして捉え、現在置かれている状況を分析できる。


実際のところ、『あちら側』では防衛機制の一種として本来であれば自身の身体硬直を伴う反応だったのだが、「こちら側」の「体」の主導権が現在彼女にあり、特段の弊害を生まない。


篠田のパイロットや指揮官としての素質は『彼』という独立した別思考を同時に行える存在がある部分が大きいだろう。


咄嗟に動き出した篠田機に対し、飯塚側からはまた自分のところへ肉薄してくる事を警戒し、予測進行方向に向けて偏差で斉射を開始するが、彼女はその直前で踏みとどまり、足元にいる少尉機のライフルと弾倉を拾う。


ライフルのグリップ部分を握ることで通電が始まり、機体とリンクを開始。


装備品の状態がコックピットのディスプレイに表示された。


携行残弾は既に装填している21発及び転がっていた弾倉に26発。


本来の彼女の戦闘スタイルでは心許ない弾数だが、幾分マシだろう。


今回の作戦にはそもそも兵俑機との戦闘を想定していなかった事及び緊急発進だった事もあり、通常弾頭を使用している。


当然、兵俑機のバイタル部分は爆発反応装甲で防がれており、通常弾の貫徹力は心許ない。


だが、彼女とて対戦機兵戦術に関った者だ。


頑強な走行を持つ11型相手の戦い方は熟知している。


僚機の装備を拾った事に気付いた飯塚機がライフルの照準を合わせ直すより先に、AM-15が火を噴く。


銃弾は比較的装甲が薄い脚部関節に集中し、膝部は破壊され、転倒に至らしめる。


転倒した飯塚機をカバーするように慌てて撃ってきた飯塚機の右隣にいる機体に対し、応射。


弾は頭部に直撃、センサー類を悉く破壊された機体の頭部はスパークを放ち小爆発を起こして弾け飛ぶ。


頭部をやられた機体は搭乗員は急に視界のほとんどを喪失しパニックに陥り、ライフルを盲滅法に乱射する。


「撃つのをやめろ、味方に当たったらどうする」


飯塚の怒号も聞こえず、恐慌状態の彼が放つライフル弾は残った2機も思わず伏せ、ビル裏に隠れる。


これでまともに戦えるのは左側の2機のみとなった。


篠田はビル群を壁に弾倉を抜き予備の弾倉について装填を完了させるなり、ビルの間を縫って隠れた二機の方向へ向かう。


「奴がそちらに行った、さっさと対応しろ」


飯塚は転倒のショックで腰を痛めたようで、ずっと続いている頭痛と相まった激痛に対して唸りながら怒鳴りつける。


「分かるように願います、どの方角に向かったんです」


「分からん、そっちに向かったんだ、早く墜とせ」


あまりに曖昧で感情的な指示は残る2機の搭乗員を困惑させた。


レーダーが効かない現状、目視と駆動音のみで判断するしかないにも関わらず、最後に目視した人間がこれである。


強い痛みで判断が鈍っている事としてやられた(・・・・・・)という怒気が滲んでいる。


なるほど飯塚の心情を慮れば同情の余地はある。


だが、そんな事情が僚機の彼らに分かる訳もなく、また話したとしてもまさか「自分は『あちら側』の人間で、『あちら側』で関りがあった相手と接触したら強烈な頭痛に苛まれる」とは言えまい。


具体的な指示も出さず、声を荒げるだけの飯塚に対し、残りの2機である搭乗員たちは自分たちの生殺与奪権を握らせることそのものに疑念を感じた。


2機の判断は早く、ライフルを放り、機体の両手を挙げる。


「統合軍の、聞こえるか。我々、解放軍特務小隊の岩村、中川両名はこれより貴官に投降する」


恐らく篠田機がいる方に向けて大音量のスピーカーで伝える。


「そちらも残弾が無いだろう。機体は明け渡すし情報もわかる範囲ですべて答える。命だけ保証してくれ」


暴風の音にややかき消されてはいるが、恐らく意図は通じるだろう。


篠田からの返事はない。


「・・・これは飯塚の指示ではない、我々2名の自発的な行動だ。だから飯塚についてはあんたの好きにしろ」


「お前らが逃げずに投稿するという保証は?」


スピーカーを通してようやく篠田が返す。


「信じてくれと言わないが、お望みならあの乱射していた奴と飯塚機を撃破する」


「そうかい、じゃあやってみろよ。それで判断してやる」


未だに篠田機は位置を晒さずにいる、


音響センサーなどがない兵俑機では音の方向からおよその位置しか分からないので探りようもない。


ここは従うしかないー、そう思い、彼らはまずライフルを拾い上げ、未だにパニックを起こして右往左往している機体に銃口を向ける。


作戦前に集められた彼らに連帯意識はなく、銃口の先の男も作戦開始数日前に顔合わせした程度だ。


気の毒とは思うが、どのみち恐慌状態で聞く耳も持たないだろう。


一瞬のためらいを見せた後、2機は射撃座標リンクを用いて照準を合わせ、フルオートで放つ。


弾切れにも関わらず、四方八方にライフルを構え続けている哀れな僚機に2機分のライフル弾が突き刺さり、機体を抉った。


やはり胴体に数発着弾した程度ではものともせずにいたが、同一個所に集中砲火を受けることで装甲部が破砕され、貫通していく。


撃たれた機体は2機の残弾が続く限りしばしのたうち回った後、銃撃が止まった途端、スパークをゆっくり仰向けに倒れて燃料に引火、爆散する。


カメラがやられた彼は誰にやられたかは分からず死んだだろう。


特に親交がある訳ではないが、良心は痛んだ。


嫌悪感を感じながらも彼らはマガジンを交換し、次に脚部をやられてもなお逃げようと這いずり回っている飯塚機に近寄り、照準を合わせる。


「・・・同志たちに知れれば九州にいようと必ず同志が貴様らを殺しに来るぞ」


「あなたの采配によって部隊が壊滅したんです。総括ですよ、飯塚同志」


毒づく飯塚に岩村は冷淡に返す。


元から彼の傲岸不遜な性格は急造で集められた彼らの中でも著しく不評だった。


「後方攪乱を行うであろう『吸血部隊』が疲弊し、撤退するタイミングで急襲をかける楽な任務だ」ー、初めて一同が会した作戦会議にて飯塚はそう放言していた。


そして、「敵は連戦後で疲労も大きく弾薬も尽きているから手負いも同然だ」と宣っていた結果がこれである。


その手負いに半分以上を墜とされ、肝心の飯塚もこのザマ(・・)だ。


飯塚に対する強い不信感はそのまま憎悪への対象となった。


「待て、待ってくれ。俺も投降する、分かることはすべて話す」


先ほどの不遜な態度は消え失せ、必死な声で命乞いを行う。


「どうします?」


岩村が篠田の方へ尋ねる。


「君ら以上に情報を知っている可能性は?」


篠田はヘラヘラ笑いながら聞き返す。


「幹部との繋がりは深いのでそのあたりであれば詳しいかと」


「そうかい、じゃあー」


生殺与奪権を与えらた彼女は下卑た笑いを浮かべて、沙汰を言い渡した。


ーそれから数十分後、合流ポイントである海岸沿いの地点では、合流時間15分が経過してなお姿を現さない部隊長を待つ32中隊の22型数機がいた。


26特務小隊も被害は大きかったものの、全機なんとか撤退に成功しており、先んじて「脊振」に収容されている。


中隊の面々はは残弾を補給した上で自分たちの意思で意見具申して地上に戻り、「雲仙」の隠匿の為にレーダーを使えない中、周辺を目視確認している。


先ほど篠田があげた信号弾は、彼らには距離があった上にこの暴風雨でついぞ確認できていなかった。


もっとも信号弾を認識したとして、彼らも大なり小なり損害及び残弾切れがあった為、どのみち「雲仙」に戻る必要があったのだが。


暴風雨で視界が悪い中であるが、32中隊の面々のみならず「雲仙」の方でも人員を割いて双眼鏡で篠田機を探す。


攪乱をしてきたとはいえ、既に経過した時間を踏まえれば母艦の存在に勘付かれて攻撃をされる可能性も高い。


芹沢も報告を待ちながら艦長席のレストを握り締める。


「こんなところで死んでくれるなよ・・・」


芹沢の願いが通じたかどうかは分からないが、観測員が声を上げる。


「こちらに接近する機影あり、数は3!」


艦橋に緊張が走る。


視界不良で恐らく下にいる中隊のメンバーでは補足できていない。


「兵俑機か?」


「兵俑機2機と・・・、篠田上級大尉の22型です!」


先程の報告から先んじて艦砲で反撃を行うかどうか迷っていた芹沢は怪訝な顔をした。


「どういうことだ、状況を明瞭に報告しろ」


「それが・・・、大尉の22型の両隣に手ぶらの兵俑機2機が追従してきているようです」


「捕虜、ということか・・・?」


短距離の赤外線通信が可能な距離になり、篠田からの通信が入る。


「こちら篠田、撤退命令直後に敵機急襲を受け交戦、山鹿少尉機が撃破されるも敵部隊を撃退、2名の投降を受けて只今帰還した。山鹿少尉は当機にて収容し応急処置を施した。現在意識はあるものの、出血が激しく重症だ。至急対応を望む」


「篠田上級大尉、了解した。すぐに医療班に準備させる。ーそれと、合流予定時刻をとうに過ぎている。次回は待たないぞ」


口ではこういうが、芹沢は内心安堵していた。


山鹿少尉の事も心配ではある。


しかし、絶望的な局面での投入にも関わらず、全員が帰還できた事は特筆に値する。


中腰のままでいた芹沢は席にどっかり座ると、大きく深呼吸し、呼吸が整ったところで号令する。


「よし、32中隊機及び捕虜機を収容後、一旦呉まで帰投し補給を整備を行う」


芹沢の号令と共に「雲仙」下部から戦機兵回収用のワイヤーウインチが降ろされた。

・『彼女』との出会い

『彼女』はサークルに入った当初から男性に対する距離感が近い女性であり、顔もスタイルも平均より少し上 の女性であった。


それでも、経験が浅い男性しかいないグループに趣味の話が分かる異性が入れば充分注目の的になる。


必然、『彼女』の周りに集まり、瞬く間にサークルの話題は『彼女』を中心に回るようになった。


それからというもの、今まで趣味の話で語らうようなサークルだったのが、メンバーは彼女のご機嫌取りが目的の話題になっていく。


元々、『彼』にとってその場所は非常に心地よい空間だったが、仲の良かった彼らが彼女の気を引くという一点のみで互いにけん制しあい、お互いの言葉を遮るようにまくし立てるようになった為、無意識に彼女を避けるようになっていった。


ある日、飲み会に参加した時に酒も入ったことで勢いづいた彼らは口論が始まり、居心地が悪くなった『彼』はそのまま自分の勘定を済ませて店を辞した。


少しするとその『彼女』が追ってきて、彼の隣に来る。


無視を決め込むつもりだったが、今にも泣きそうな『彼女』の顔を見て、思わず事情を聴いたところ、「彼らの圧が強くて怖い」、と。


『彼』も女性慣れしていないのもあり、実の妹に対するように話を聞いていたところ、『彼女』の好感を得たようで、以降は急に距離感を詰められていくようになる。


・兵俑機とEMPパルス

本来、EMPパルス弾というのは旧態依然とした兵器を用いたゲリラ戦を行う解放軍がどうやっても補えない兵器の質の差を補う為の運用を行うものであり、解放軍にとってデメリットが薄い関係で使われていた。


だが、解放軍側も兵俑機を運用することになった途端に話が変わってくる事になる。


ベースが戦機兵である以上、兵俑機も他の火砲との連携を想定している為、機体の重要機器部分にはEMPパルス対策を施しはしたものの、戦機兵と同様にレーダー及び短距離以外の通信障害を生じてしまう結果となり、EMPパルスの効果範囲内での戦闘は必然的に目視索敵が主になった。


・兵俑機の運用思想

マルチロールがこなせる戦機兵について、統合軍は歩兵の延長線上、として見ている事に対し、兵俑機の設計コンセプトは戦車や戦闘ヘリの延長線上として見ている。


特に21型については歩兵の強化外骨格の一種という構想が強く反映され、より人間らしいスリムなフォルムになっている。


一方、解放軍自体は専ら攻撃の補助手段や戦機兵相手の対抗手段としての運用が想定されていた。


統合軍でも11型開発当初より歩兵運用については機動力と鈍重性によって軽快な機動が難しく、歩兵の延長線上としての運用は困難であると判断。


より高次元な機動が可能になる次世代機の開発が急がれた。


当然、兵俑機もベースが11型で有る故に同じネックを抱えた上で前述のような運用方針を取っている。


・「走る」動作における各機の時速

スラスターを使わない走る動作においての速度は22型が21型より5km/h速い135km/hであることに対し、兵俑機はもとになった11型の最高時速90km/hにも満たない65km/hしか出せない。


11型についてはトラフダイト装甲故の軽さ及び余剰を大きくとった主機の恩恵があり、あの図体でそれなりの速度を出せた訳である。


鋳鉄及びディーゼルエンジン、そして精度の低い制御CPUを用いたことによる弊害はここにも表れていた。


・兵俑機のセンサー類

戦機兵であれば様々なカメラやセンサーなどを駆使し音や熱源だけでもおおよその位置と距離を割り出すことが出来るが、兵俑機の場合はこの索敵性能において大きく後れを取っている。


当初こそ開発を担当した部門は11型搭載品と同等以上の性能を有したものにしようとしていたが、党本部の短期間における大量生産性及びコスト軽減を重視する意向によって露骨にスペックダウンした状態で早期ロールアウトにこぎ着けた。


11型の残骸及び統合軍内の協力者から得た設計図があるとはいえ、トラフダイトがな分の代替品の設計をたった数か月で済ませ、カメラやセンサーなどはありあわせを使った為、個体毎に性能の公差が大きい。


ただ、様々な規格を搭載ことを前提とした設計の為、故障時における交換などはパーツをそのままそっくり交換することが出来る為、図らずして整備性は良好であったようだ。


実際問題としては戦場における目視索敵の場合、言うまでもなく原則は先んじて発見した側が優位を取れる。


だが、兵俑機開発時点で想定されていた運用である防衛線を主軸に動くのであればさほど気になるところではない。


何よりも主機の五月蠅さと熱源の強さ、加えて図体が大きいせいでどのみち早急に居場所を割り出されるから。


加えて機体そのもののCPUについても戦機兵のものに数段劣ることもあり、処理能力的にも負荷が重い為、オミットしてしまう事で量産性を向上させている。



・戦機兵回収用のワイヤーウインチ

空中戦艦などから戦機兵を降下及び改修する際のウインチ。


トラフダイト合金製であり、最大長は艦の全幅のちょうど半分に等しい(空中戦艦であれば250m、巡洋艦であれば200m)。


およそ150m上空で待機して回収するが、1機当たり1分半(1分で100メートル)で収容可能。


艦内格納庫のウインチ射出口には機体をロックする専用クレーンがあり、こちらを使って昇降した機体をキャッチし専用パレットに載せることで所定の位置へと収容ができる。


機体損壊時には回収用コンテナボックスを接続して降ろすことで単独回収も可能。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ