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07 加護は時として呪いと化す

 大地の唐突なプロポーズに一瞬唖然としてしまったうえ、その直後に全身に鳥肌が立った。

 考えてもみて欲しい。自分の息子に愛の告白をされる親の気持ちを……。しかも因縁のある息子に。今はただの幼馴染だとしてもだ!

 ……あれ? 前世ウラノスの妻はガイア。母親もガイア。息子クロノスの母親もガイア……。

 ガイアガイアガイア……。


 ……………………。

 …………。

 ……。


 私はなかったことにした。


「ちょっ! ふざけてないで離れて!」


「おやおや、照れてしまったのかな。そんなところも奥ゆかしくて、ますます好きになってしまいそうだ」


 かつてないほどに今と前世の私の思いがひとつになった。


 気持ち悪い!


 空いている私の左拳が轟き叫ぶ! 大地の顔面に向かって一直線!


「なっ……!」


「フフ、そんなじゃじゃ馬な君も素敵だ」


 私の渾身の一撃は易々と防がれてしまった。まるで予測でもしていたように……。

 しかし、渾身の一撃を受け止められたことで、かえって冷静になることができた。

 さっきからおかしいのだ。いくら大地が普段からおかしいとはいえ、これはあきらかにおかしい。

 大地に何が起きているのか、もう一度集中して原因を探ってみることにした。


「フッ、また我のことをそんなに真剣に見つめて……照れるではないか」


 いや、違うから……っと、見えた!




名前:玄野大地

種族:人間 男

状態:魅了(神)




 み、魅了!? というか(神)って何?


「レディを待たせるなど紳士としてあるまじきことだな」


 気を取られていたのがいけなかった。

 無駄に洗練された無駄のない動きで、一瞬にして私の腰に大地の腕が回され、挙句の果てにはいわゆる顎クイまでされていた。

 迫りくるは大地の唇。

 抵抗を試みるも、体を固定されて振りほどくことができない。

 私は神に祈った。「助けて」と……。


「大地兄ちゃんどうしちゃったの!? 涼珠姉ちゃん嫌がってるよ! やめてよ!」


 神楽ちゃんが駆け寄ってこようとするが到底間に合わない。

 諦めの境地に達した瞬間、引きはがされる感覚がしたと思ったら大地が勢いよく吹っ飛んでいた。

 私が大地を殴り飛ばしたときの比ではない。そのまま大地は放物線を描いて池へとダイブした。


「凉珠姉ちゃん、大丈夫?」


「え、えぇ……大丈夫よ。今のってもしかして神楽ちゃんが?」


「えっと……その……うん」


 私があんなに抵抗してもびくともしなかった大地を、小柄な神楽ちゃんが引きはがしたうえに投げ飛ばした?

 呆気に取られつつも神楽ちゃんを見つめていたからだろうか、情報が流れ込んできた。




名前:火祭神楽

種族:人間 男の娘

状態:レジスト成功(魅了)

特殊:火を統べる者(カグツチ)

   武雷神タケミカヅチの加護




 ……ちょっと待って! そんなことある?

 ツッコミどころが多いけど、レジスト成功(魅了)って何? もしかして、これ私が原因になってない?

 そう思い至った私は、自分の状態を集中して見てみることにした。

 自分の内を心の目で見るように。




名前:天宇良凉珠

種族:人間 女

状態:やや混乱

特殊:天を統べる者(ウラノス)

   愛と美の女神アフロディーテの加護




 犯人はお前か! アフロディーテェエエエ!


 どう考えてもアフロディーテの加護が原因なのは間違いない。

 そう確信し、詳しい情報を強く願っていたら、それに応えるように新たな情報が開示された。




愛と美の女神アフロディーテの加護:

   神秘的な美しさを発する(パッシブ効果)

   集中状態で視線のあった対象に性別問わず、魅了を付与する

   異性かつ神もしくは神に類するものへの特効効果

   これであなたも子孫繁栄間違いなし☆




 ……最後の一文の星マークはなんなの? アフロディーテが狙ってやったの? 意味分かんないよ……。


「こんなの加護じゃない……! 呪いよぉおおお!」


 私の悲痛な叫びが木霊するのだった。

お読みいただきありがとうございます。


ふふ、切れちまったよ……ストックがな……。

い、急いで執筆しなけばばば……!


更新頻度が下がってしまうと思いますが、できるだけ間隔を空けずに投稿できるよう頑張ります。理想は一日一話。

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