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11 ラグナラーク~神々の戯れ~

今回三人称視点です。

 空前のヒット作「ラグナラーク~神々の戯れ~」


 どこか「ラグナロク~神々の黄昏~」をもじったようなタイトルのこのゲームは、日本の新進気鋭のゲーム会社「NEW GATE CREATIVE」通称「NGC」が世に送り出したVRMMOである。

 世界中のあらゆる神話を落とし込み、そんな神話の世界を舞台にしている。そしてプレイヤーは英雄を目指して冒険へと旅立つといった内容のゲームだ。


 そんなゲームを生み出したNGC地上本社では、広々とした開放感のある会議室に個性豊かな重鎮たちが会していた。

 大和撫子然とした見目麗しい女性、武人と見まがうような男性、知性的な老人、老いを感じさせない肉体美と立派な髭を生やした男性、屈強な肉体と知的な印象を与える男性、何者をも誘惑するような絶世の美少女、全身黒ずくめの美青年、そして眼帯をした長身の男性の八名である。




 各々が沈黙を保っていたところに、ノックもなしに突然扉が開いた。


「姉貴、今戻ったぜ! ん? 一柱(ひとり)足りないみたいだが?」


 入室早々言葉を発したのは、精悍な顔立ちの男だった。


「やつなら、『俺がいてもたいして意味などないだろう。万が一の場合は協力するさ』だとよ。まったく、これだから戦闘狂は」


 眼帯の男がうんざりしたように返答する。


「あそこの連中は総じてぶっとんどるしな。いつものことよ」


 髭を生やした男が追随する。


「はぁ、声をかけたのも首謀者も貴方でしょうに……」


 大和撫子然とした女がため息交じりに告げる。


「おいおい、儂を悪者みたいに言わんでくれるか。そう言うお主だって『まあ、それは置いておいてご苦労様。こちらでも観測はできたけど、問題は起きてない?』って、おい!」


「あ、ああ。想定通りあの三人のもとに発現した。一応こっちでもフォローを入れたが、周りの人間に認識されなかったのは、ここにはいないが兄貴が噛んでるだろ」


「ええ、そのとおりよ」


「まったく、そういうことは事前に言っておいてくれよ」


「ふふ、ごめんなさいね。たまには弟を困らせてみたくなるものなのよ」


「これこれ、姉弟でじゃれるのはそれくらいで、話を進めようぞ」


 姉弟のやりとりを見て、知性的な老人が先を促す。


「コホン……そうですね。発生場所に何かしらの気配はなかった?」


「ああ、微弱だが干渉するような波動を感じたな。言われたとおりに記録してきたぜ」


 精悍な男はそう言うと、スマホによく似た端末を取り出した。


「ありがとう。解析を急ぐとして、ここまでは予測したとおりね。三人が無事に上手くやってくれればいいけど」


「そのための我らの加護でもある。彼らを信じようではありませんか」


 武人な男がいたわるように声をかける。


(おう、そうだな)(そうですね)(そうじゃな)


「そのとおり! 何せ我の加護もあるのだからな!」


 黒ずくめの美青年が声高々に宣言する。


(お、おう……そうだな)(……そうですね)(……そうじゃな)


「そうそう、アタシの加護だってあるし。現地では有利に働くこと間違いなし! それに、きっと喜んでくれてるに違いないわ☆」


 絶世の美少女が続く。


(お、おう……そうかな?)(……そうですかね?)(……そうじゃろうか?)


((……嘆き悲しんでいるの間違いでは?))


 当人らを除き、個性豊かなメンバーの心がひとつになった瞬間なのかもしれない。


「ところで、オレが鍛えた得物も主のと一緒に渡してくれたんだろ?」


 空気を変えるためか、屈強な男が精悍な男に尋ねる。


「ん? ああ、こっそりとな。それに加えて服にも細工をな」


「ほぉ、それは興味深い」


 その後は各々が好き勝手にしゃべりだし、予定していた終わりの時間がやってくる。




「それでは干渉してきた世界ににらみを利かせつつ、次のイベントの準備をするとしようか」


「まったく、ゲームの運営も楽じゃないぜ」


 こうして、この場での戯れの時間は終わりを告げるのだった。

お読みいただきありがとうございます。


どうでもいい設定ですが、当初はソシャゲの予定がいつの間にかVRMMOになっていました。

因みにゲームに関しては直接的な関わりはありません。

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