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03 奪い合い
やりすぎた王様は、聖女を支持する市民たちによって断罪された。
けれど、まわりだした破滅の歯車は止まらなかった。
まず、王のいなくなった国が混乱した。
そして、その期に乗じて、近隣の国々が戦争を起こした。
狙いは広大な国土と多くの民。
兵士が侵略し、多数の兵器が火をふいた。
やがて、聖女の奪い合いもおきてしまう。
特別な力をもった聖女を得ようと様々な国がやっきになった。
日に日に聖女の奪い合いの激しさは増していって、敵同士でいがみあい自滅する事もあったほどだ。
市民たちは、聖女を守ろうと必死になったが、軍隊の力の前では無力だった。
やがて、味方がいなくなった聖女は敵国に捕まってしまった。
聖女は、道具の様に扱われて、ただ能力を使う事だけを求められた。