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第74話 キャラバンが抱える問題【キールside】

 フリー大陸とファンタジア大陸の間にあるトーネル海の底に沈む、リシア遺跡がかつてはピース大陸と呼ばれる一つの大陸だと聞かされたラピスやミザール達は、信じられないという表情をしていた。

 一方、リシア遺跡がピース大陸だと証言したキールは、どこかつらそうな表情をしていた。


「仮にそうだとしても、大陸一つそう簡単に沈む物なのか?」


「確かに、大陸の一部が沈むならまだ納得できるけど、大陸そのものが沈むなんてあり得ないわよね……?」


「いや、間違いなくリシア遺跡はピース大陸が沈んだ姿だ」


 リシア遺跡がかつては一つの大陸だったと聞かされた冒険者や承認の一部は、未だに信じられないといった様子だった。

 だが、落ち込んだ様子のキールが改めて措定したため、一同は困惑した。

 その状況で切り込みを入れたのはラピスだ。


「キール、リシア遺跡が本当に禍津悪神によって沈んだ大陸だというのが本当なら、具体的にはどのように沈んだんだ?

 ここに全員が考えているように、一つの大陸が簡単に沈むとは思えない」


「『終焉の死季』で大陸全体が大ダメージを受けた後、禍津悪神が沈めたんだ。

 もっと正確に言うなら、ピース大陸の大地から『コア・クレイドル(核の揺り籠)』を奪い去ったんだ」


「コア・クレイドル?」


「コア・クレイドルって言うのは、それぞれの大陸に一つずつある心臓部分、わかりやすく言うならダンジョン・コア(迷宮の核)だ。

 これだけ言えば分かるだろう?」


 ダンジョン・コアが出て来た瞬間、その場にいた一部を除いた冒険者と商人達が愕然とした。

 ダンジョン・コアと言うのは、ダンジョンと呼ばれる様々な現象を起こす領域のエネルギー源の事だ。


 そのダンジョンがダンジョン・コアを失った場合、ダンジョンとしての機能は失われ、最終的には完全に崩れ去ってしまうのだ。

 それと同じ原理でピース大陸が海に沈んだと知った冒険者と商人達は、完全に困惑していた。


 ラピスとミザールも、想定外なキールの発言に顔をしかめていた。

 困惑するその場の者達の様子を見ていたキールは、コア・クレイドルの存在と重要性があまり認知されていない事に気付いてはいたが、今は謎の積み荷に関する説明の方が先だと考え、話を続けた。


「他にも聞きたい事はあるだろうが、今は省かせて貰うぞ。

ヘルシャフトが狙っている謎の積み荷の中身は、間違いなく禍津悪神関連の(ブツ)だ」


「あの積み荷の中身が禍津悪神に関わる物であり、かなり危険な物だという事は分かった。

 ロワイヤル君、君に幾つか質問したい事がある」


「答えられる範囲なら」


「まず、何故君はあの積み荷の中身が禍津悪神に関する物だと予測する事が出来たんだ?」


 ミザールは何故キールが謎の積み荷の中身が、禍津悪神に関する物だと予測したのかを尋ねた。

 箱の中身を見た訳でもないのに、何故キールが謎の積み荷の中身を予測する事が出来たのか、それが疑問に思ったようだ。

 ミザールの質問に対し、キールは何故気付く事が出来たのかという理由を答えた。


「オイラがその事に気付けたのは、あの箱に施された封印の術式のおかげなんだ」


「封印の術式? そんなのあったか?」


「封印系統の術式は大抵認識できなくなっているからな、気付かなくて当然だ。

 それで施されてた術式に見覚えがあったんだ」


「術式で中身を特定する事が出来るのか?」


「あぁ、あの積み荷に封印を施したのは『星族』と呼ばれる一族だ。

 恐らくお前らにあの積み荷を預けたのも星族だろう。

 ここ最近その名前を聞いてなかったら、てっきり滅んだとばかり思ってたんだが……」


 バーナードキャラバンに謎の積み荷を預けたのが星族だと考えたキールは、星族の生き残りがいた事に対して少々意外に思っていた。

 そんなキールの疑問に、この場では一番禍津悪神や精霊戦争の本質を理解している、僧侶風のワンピースを着た女性委冒険者が答えた。


「現在では世界の大半の人々が彼ら星族の事を『エトワール人』と呼んでいますね。

 今も彼らの事を星族と呼ぶのは、古来より彼らと親睦のある地域や人脈のみです」


「呼び方が変わってたのか。そりゃあ調べられない訳だ。

 それにしても、やけに精霊戦争に関する歴史や禍津悪神について詳しいな。何処の出身だ?」


「ワタクシはライフ大陸のエルドラド地方南東部に建国されている、クラウディール公国より旅をしております、サブリナと申します」


 僧侶風のワンピースを着た女冒険者はサブリナと名乗り、キールに対してスカートの裾を掴み片足を後ろに下げ、背筋を曲げて深くお辞儀をする。

 それは女性が目上の者に対して行う、最敬礼のカーテシーと呼ばれる作法だ。

 サブリナはキールの事を、自分よりも上の存在と認識しているようだ。

 クラウディール公国と聞いたキールは、納得した様子だった。


「クラウディールは二四魂教が盛んだったな、それなら詳しくても当然か。

 確か公国じゃなく連邦だった筈だが、精霊戦争が終わった後に変化したのか?」


「精霊戦争終戦後から五〇〇年が経過した際、精霊歴五〇〇年の初空月の一刻に併合され、連邦から公国へと名を変えました」


 サブリナからクラウディール公国の経緯を聞いたキールは、やはり自分が転生する前に転生する前に国名が変わっていたのだと納得した。

 サブリナがクラウディール公国の出身であると知ったキールは、ある事を尋ねた。


「サブリナ、幾つか質問させてくれ。

 精霊戦争が終わった際、禍津悪神やそれに関わる『終焉を招く者』達はどうなった?」


「終焉を招く者達は精霊戦争終戦後、一時はなりを潜めてはいたようですが、二〇〇年後に再び再起し幾つかの組織に分かれ名を変えて、今も活動を続けているようです。

 禍津悪神に関しては、二四魂教に記されている資料によりますと、辛うじて封印する事に成功したと記されています」


「やはり、討伐には失敗したんだな……」


「え、神様討伐しようとしたのか?」


 サブリナから禍津悪神が辛うじて封印されたと聞いたキールは、討伐に失敗したのだと直結した。

 キールの口から討伐という言葉が出て来たため、まさか精霊戦争で神を討伐しようとしていた事を知り、周囲は驚いていた。


 悪神といえど、神を討伐するなど恐れ多い事、それ以前にかなり罰当たりな事だ。

 だが、神を討伐するというのはそんな簡単な事ではないのだ。

 神は世界を創造して管理する、その世界に生きる者全てに取って欠かせない存在なのだ。


「なぁ、封印しただけなら問題ないんじゃないか?

 現にヘルシャフトとの構想以外で特に問題は起きていないし、討伐までしなくても心配ないと思うんだが」


「その考えは甘いぞ、禍津悪神はそこいらの悪神とは違う。

 奴はあらゆる厄災を引き起こし、数多の命を喰らい尽くす、最早神といえる所業じゃねぇ」


「いっ命を喰らうって……」


「なんだか、封印してても封印を破って出て来そうね……」


「だが、仮にも相手は神なのだろう?

 それならば先程出て来た終焉を招く者という連中は、禍津悪神の信者のような者だとすれば、そのもの達の信仰心によって力を取り戻し、封印を破っているのではないか?」


 最早神と呼べない所業を禍津悪神が行ったと証言したキールの表情は、嫌悪感で満ちていた。

 キールの証言と様子から、いくら封印されていても禍津悪神は危険な存在、決して世に解き放ってはいけない存在という事が津々と伝わってきた。


 神という存在は時に敬われ、時に恐れられる、善と悪の表裏一体に近い存在。

 そのため良い意味でも悪い意味でも、神という存在は様々な者達から崇められ、進行されてしまうのだ。


 そしれその信仰心は神の力になり、信仰心が多ければ多い程信仰対象である神は力をつける事になる。

 その事をラピスに指摘されたキールは、再びサブリナに質問を設けた。


「サブリナ、禍津悪神の封印が解けた形跡は?」


「今のところ、そういった現象の報告は聞いておりません。

 そのため封印は施されたままだと思われます、ただ、一つ気になる事が……」


「どんな些細な事でも良い、話してくれ」


 禍津悪神の封印が解けた形跡がない事は分かったが、サブリナは何か気になる事がある様子だった。

 もしかすると何か関係があるかもしれないと考えたキールは、サブリナに些細な事でも教えてくれと頼み込んだ。

 サブリナは少し悩んだ末、自分が気になっている事を話し始めた。


「昔、クラウディール公国にいた頃に目にした資料に、異様な内容が記された物があったんです。

『生き延びた二十四魂至高神に愛されし司る者(エレメントマスター)達と世界創造神に愛されし司る王(エレメントロード)達は、数多の犠牲の末、彼の物を打ち倒した。

けれども、それは不完全な形であった。

 その肉塊は幾千の肉片となりて散り、生物、無生物問わずにとりつき成長した。

 その場に残った亡骸もまた、肉片同様に散ろうとした。

 このまま放置すれば近い将来、完全復活を遂げると推測した永遠の王(エターナル・ロード)により、亡骸を十五に分けて封じ、自ら庇護する民族に世界中に散らばった肉片の回収を命じた。

 幾千にも散った彼の物の肉片は、自らを手にした者を苗床とし、彼の物の眷属へと作り替える〘厄災の種〙となっていた』と」


 サブリナから聞かされた、クラウディール公国に保管されている資料の内容を聞かされたキールは、険しくしていた表情から一転、焦ったような表情をした。

 同じようにサブリナの話を聞いていたラピスやミザール達も、内容の真意を理解していた訳ではないが、内容の不穏さとキールの態度から、ただ事ではないという事だけは理解できた。


 そして天災の種と呼ばれるようになった、禍津悪神の肉片が始まりの世界中に散らばったと知ったキールは、禍津悪神の肉片もとい厄災の種が触れた相手を苗床にすると言う言葉を聞き、自分の中に浮かんだ恐ろしい疑問についてサブリナに尋ねた。


「サブリナ、さっき言っていた最後ら辺の『彼の物の肉片は、自らを手にした者を苗床とし、彼の物の眷属へ作り替える』という一文。

 まさかとは思うが、触れた奴は“存在そのものを作り替えられた”のか?」


「ワタクシ自身見た事はありません。

ですが、厄災の種を見つけた人物が厄災の種に触れた瞬間、厄災の種が触れた者に寄生し、寄生された者は肉体を変異させて怪物に成り果てたと過去の資料に記されておりました」


 厄災の種に触れた人物が寄生された後、肉体を変化させた末怪物に成り果てた。

 サブリナのその証言は、その場にいる全員を震撼しんかんさせた。

 実際に質問したキール本人に至っては、自分の考えたとおりの、恐ろしい答えが返ってきたため顔を蒼白にさせていた。


 出来れば外れていて欲しい、そう思っていたが現実は甘くなかったのだ。

 その場にいる全員が動揺する中厄災の種がいかに危険かを思い知った男冒険者の一人がラピスに話しかけた。


「おい、お前元はヘルシャフトだろう? 厄災の種について何かしら無いのか⁉」


 男の質問内容を聞いた全員が、ハッとなってラピスの方を確認した。

 今でこそウィアグラウツとオ名乗っているが、元を辿ればヘルシャフトなのだ。

 そのためラピスであれば、厄災の種の情報を何か知っているのではないかと思った全員の視線が、ラピスに向けられた。


 視線を向けられているラピスも、同じ答えだったらしく顔をしかめながらヘルシャフトだった事にそれらしい情報を得ていないかを思い出そうとしていた。


「少し待ってくれ、今それらしい話を聞いていないか思い出している所なんだ」


「おいおい頼むぞ、こっちはかなりの緊急事態なんだぜ」


「あんたが思い出してくれなきゃ困るのはこっちなんだよ!」


「すぐにでも思い出せればこんなに苦労はせん!」


 厄災の種に関する情報を聞いた事はなかったかを思い出そうとするラピスだったが、周りからクルクレームの嵐に阻まれて思い出す事に集中する事が出来ない。

 思った以上に深刻な事態に発展したため、キールはラピスに詰め寄る冒険者や商人達を止めようとした時、ミザールが声を上げた。


「全員静粛に! 静粛にしないというのならば、今すぐにでもこの場から出て行って貰うぞ!」


 ミザールはその場にいる全員に聞こえる音量で、騒ぐ冒険者や商人達を黙らせた。

 ミザールのその言葉はまさに鶴の一声となり、先程まで騒ぎ立てていた冒険者や商人達は皆黙り込んだ。


 キールは全員を黙らせたミザールのカリスマ性に、流石はキャラバンのリーダーだと感心した。

 その時、ラピスは何かを思い出した。


「そうだ、確かあの時……っ!」


「どうしたラピス、何か思い出したのか?」


「あぁ、確証はないが関係はある筈だ。

 確か二年程前に上層部が何かしらの会議の警備に当たった際に、偶然扉が閉まりきっていなかったらしく会議の内容の一部が漏れていた事があるんだ。

 その時聞いた情報の一部に『必ず種を見つけ出し、手に入れろ』という言葉があったんだ」


「種、もしかして厄災の種か⁉」


「あくまで種としか言ってなかった。

 厄災の種を指していたのかは分からないが、無関係とは思えない」


 上層部のヘルシャフト達が種に関する事について話し合っていた事を思い出したラピスは、それが天災の種と無関係ではないと証言した。


 冒険者や商人達は、やはりヘルシャフトは天災の種について知っていたとわかり、再び騒ぎ始めた。

 一方で、ラピスからその話を聞いたキールは、しばらく考え込み、ある事に気が付いた。


「厄災の種に積み荷……、クソ、そういう事か!」


「どうしたんだ、ロワイヤル君?」


「サブリナの情報とさっきのラピスの証言で、あの積み荷の中身が分かったんだ。

 あの積み荷の中身は、恐らく厄災の種だ!」


「「「「なっなんだってーっ⁉」」」」


 サブリナとラピス、この二人からもたらされた情報を元に、キールはエトワール人の冒険者グループがバーナードキャラバンに預けた謎の積み荷の中身が、厄災の種だと断言した。

 謎の積み荷の中身は天災の種であるというキールの発言は、その場にいる全員を恐怖のどん底に落とすには十分すぎる破壊力だった。


「畜生、完全にオイラの情報収集不足だ!

 使われている素材の質の高さから、あれは封印箱でただ禍津悪神に関係している訳がないって気づけた筈なのに!」


「ちょっと待ってよ、だとしたら警護に当たってる私達が一番ヤバいじゃない!」


「それなら実際に運んでいる我々だってそうだ! 万が一中身が飛び出して触れてしまったら……っ!」


「気休めにしかならないでしょうが、心配はありません。

 あの封印箱に使われている素材は全て金階級ゴールドランクレベルの物ばかりです、不用意に触れたり余程強い衝撃を受けてもそう簡単に壊れる事はない筈です」


「サブリナの言う通りだ。星族の封印術はスピリットシャーマンに次ぐ威力がある、何より使われているのは星族の中でも最高レベルの術式だ。

 そう簡単に解ける心配はない筈だ! だが……っ!」


 警護に当たっている冒険者や、謎の積み荷、天災の種が封印されている封印箱を実際に運んでいる行人は何かしらの拍子に封印が解け、厄災の種が外に出るのではないかと恐怖した。


 サブリナは封印箱に使われている素材の質がかなり高い物ばかり使われているため、簡単に壊れる事はないと証言した。

 キールもまた、前世の経験から封印箱に施された星族の封印術がそう易々と解ける物ではないと確信していた。


 確信はしていたが、心が安まる事はなかった。

 封印されているのは禍津悪神の肉片である厄災の種、封印箱が壊れたり封印を解かれたりする事がなくても、万が一奪われでもすれば大変な事になるのは目に見えていた。


 厄災の種が封印された封印箱を奪われ、取り戻すまでの間に封印が解かれ厄災の種が世に放たれるという事を考えただけでも恐ろしい。

 そんなキールの心中を察したのか、ミザールは力強い話し方でラピスに話しかけた。


「ラズリーナ君、君ならヘルシャフト達の動きを予測する事は出来るかな?」


「敵の狙いがその積み荷ならば、間違いなく国境までの道中に襲ってくる。

 方法としては二パターン程思いつく、一つは道中に数に物を言わせて襲撃してくる事、もう一つは国境目前のタイミングだ」


「理由を聞いても?」


「最初のパターンは多種族を舐めてかかっているという事が前提だ、ヘルシャフトは基本、自分達以外の種族、特に人間に対しては格下と認識している者の方が多い。

 人数に物を言わせて襲撃すれば、簡単に奪えると考えている筈だ。

 もう一つのパターンは慎重に事を進めたい派の者達だ、国境まで目前となるとそれまでの旅の疲れも含めこちらも油断していると思っているだろう」


 ラピスはかつての同胞が厄災の種を狙っていると知り、内心動揺していたが、ミザールにされた質問の内容に的確に答えた。

 ラピスの答えを聞いたミザールは、全員に聞こえるように喋り出した。


「皆聞いたな? 道中もそうだが一番注意しなければならないのはオリソンティエラ目前だ。

 敵は世界に災いをもたらす物を狙っている、これだけは決して奪われてはならない。

 そのためにもここにいる全員の意見を聞きたい、何か提案はないか?」


「提案って言われても……」


「そんな簡単に思いつくものじゃないし……」


「誰か、何か良い案はない?」


 オリソンティエラに着くまでの間、どのようにして厄災の種が封印されている封印箱をヘルシャフトから守り切り、オリソンティエラまで運び込むかという議題が出て来た。

 ミザールから何か策はないかと質問された冒険者や商人達は、厄災の種の危険性を知った事で困惑した状態から完全に抜けきる事が出来ていなかった。


 厄災の種に触れれば怪物になってしまうという恐怖が、その場を支配していた。

 冒険者と商人達が困惑している中、謎の積み荷の正体と中身に気付いたキールは、再度サブリナに声をかけた。


「サブリナ、厄災の種は触れた奴を苗床にするんだったよな?

 そうなるのは生きた生物だけなのか? 封印箱に入れていても問題はないのか?」


「はい、その通りです。理由は分かりませんが、厄災の種は触れた対象を苗床にするのですが無生物、わかりやすく言うなら石や鉱石と言った物質は取り込まないんです」


「その話が本当なら、厄災の種は生き物だけを苗床にするという事だな」


「つまりは中身さえ外に出さなければ、オイラ達は安全ってのは間違いなさそうだな。

 そうでなけりゃあ、馬車に積み込むなんて不可能だ」


「言われてみれば、その通りかもしれない。

 ミザールさん、私があの積み荷を馬車に積み込ませた際、私もあの箱に触れた事があるんですが特に問題はありませんでした!」


 厄災の種が無機物を苗床にする事はないと知ったキールは、厄災の種が封印箱の外に出ない限り自分達の身が危険に晒される事はないとわかり、封印箱に触れる事自体は問題ないと判断した。


 実際に封印箱を運んでいる商人も、封印箱に触れても五体満足で無事にいられている事に気付いたため、その事をミザールに報告した。

 その事実は他の冒険者や商人達の恐怖を和らげるのには十分だった。

 ご覧いただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言]  こんばんは、御作を読みました。  なるほど、これは新しい話タイトルの方がしっくり来ますね。  って、心配事の規模が大きすぎるわっ(°▽°)  えっとこの世界の大陸って、ダンジョンの上に立…
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