第73話 キールの心配事【キールside】
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ギョルシル村に着いてから四刻目、時刻はまだ黒辰時だというのにキールは一人宿の外に出ていた。
それはヘルシャフトの襲撃に備えての事ではなく、バーナードキャラバンがヘルシャフトに狙われる原因となった謎の積み荷の事についてだった。
(話を聞いた限りだと、キャラバンが積み荷を預かったのは同じガイア地方の中央よりの南部、ギリギリシャンテ国内だな。
ディモルフォセカ達の話だとジェイコブは商品の入荷のために一時的にキャラバンを離れている様子だったらしいから、あの積み荷を預けられたのはジェイコブが合流する前になるな……)
ミザールから謎の積み荷、超特殊合金の箱を預かった経緯を聞いたキールは、その預けた冒険者達に心当たりがあった。
それはかつて、ロジャー・リコルヌだった頃に当時ヘルシャフトとの戦争で共に戦ったとある一族の事だ。
超特殊合金の箱と、その箱が入れられた精霊樹の木箱に張り巡らされた封印術の術式は、始まりの世界におけるかなり難易度が高く、それ故簡単に破られる事も解ける心配の無い術式。
スピリットシャーマンが使うリベレー・リベレーですら簡単に解除できない封印術なのだ。
その術式を見たキールは、僅かに残った前世の情報と現在の情報だけを頼りに、謎の積み荷の中身を予測していた。
(精霊樹や超特殊合金の箱、そして錠前に使われている素材の共通点は封印に特化している事。
その共通点から箱の中身はオイラですら想像を絶する程危険な物。
確証なねぇが、可能性があるとすれば“禍津悪神”絡みか?)
キールは謎の積み荷の中身について心当たりがあった。
そう推察したのには理由があった。
精霊樹の木箱、超特殊合金の箱、そして錠前に施されている封印術を施した一族の存在だ。
施されている封印術の術式は、公式で認知されている物ではなく独自に作り出された秘伝の物。
言うなれば開発した本人もしくはそれに連なる者達にしか使う事が出来ず、他の者が使う事も解析する事もほぼ不可能なのだ。
何よりその一族が使う術式の中で最も高難易度で力の強い封印術なのだ。
その術式を見たキールはすぐに中身を予測する事が出来た。
「もし中身オイラの予想通りだったとしたら、絶対中身を出す訳にはいかない……。
こうなるとラピスだけじゃなくキャラバンの一部連中にも話しておく必要があるな……」
万が一謎の積み荷の中身が出される可能性を危惧したキールは、超特殊合金の箱の中身について説明する必用があると考えた。
その事を考えている内にいつの間にか太陽が昇り、白未時になっていた。
その事に気付いたキールは一度宿に戻り、客室にいる仲間達の様子を確認する事にした。
中に入り客室の方に向かうと、仲間達が騒ぐ声が聞こえたが何やら慌ただしい様子だった。
何事かと思ったキールは急いで声が聞こえた方に向かい、仲間達の姿を見つけるとすぐに相棒であるフィービィーに声をかけた。
「フィービィー、何があった?」
「あ、キール! 丁度良かった、ケイが目を覚ましたから呼びに行こうと思ってた所だよ!」
「何、ケイが目を覚ましたのか⁉」
フィービィーを含めた仲間達が騒いでいる理由が、ギョルシル村に着いてから眠り続けていたケイが目を覚ましたからだと知ったキールは、思わずフィービィーに聞き返した。
「間違いないよ! だってヒバリがケイに頼まれて飲み水を取りに行ってたみたいだもん!」
「ヨキさんとマリさんは、ぼくたちよりも前にケイさんのところにむかったみたいなので、ぼくたちで他のみなさんに伝えてまわってたんです」
同じようにヒバリの報告を聞いていたラヴァーズは、とても嬉しそうな様子で話していた。
最年少のラヴァーズがここまで嬉しそうにしているとなると、ケイが目を覚ましたというのは本当のようだ。
ケイの身を案じていた自分達にとって、これ程の朗報はなかった。
だが、次にニヤトが言った一言でキールの余裕がなくなった。
「よっしゃ、そうと決まったら今から皆でケイがおる客室に突撃や!」
「「「おーっ!」」」
「あ、おい待てお前ら⁉」
キールの制止を聞かずフィービィー達はケイがいる客室に向かってしまったため、キールは慌ててフィービィー達の後を追いかけた。
そしてケイがいる客室に付くと同時に、フィービィー達は一斉に中になだれ込んでしまった。
客室になだれ込むやいなや、今度は矢継ぎ早に目を覚ましたケイに話しかけたため会話の内容がごちゃ混ぜになり聞き取れない状況になってしまった。
「やかましい! 朝っぱらから騒ぐなお前ら!」
フィービィー達が矢継ぎ早に話すあまり、その声が宿の廊下にまで響いたためかなりうるさいと判断したキールは騒ぎ立てるフィービィー達を落ち着かせようとするが、フィービィー達は全く耳を貸そうとしなかった。
そうこうしている内に同じ宿に泊まっている冒険者や商人達が何事かと思い、キール達がいる客室前に集まりだした。
「なんだなんだ、なんの騒ぎだ?」
「誰だよ朝っぱらからうるさいなぁ…」
「なぁに? 何かあったの?」
「あぁ、スマン! 眠り続けていた仲間がついさっき目を覚まして、オイラの身内が一気に駆け付けちまった結果五月蝿くした!
すぐ黙らせるから待っててくれ!」
騒ぎを聞きつけて集まってきた冒険者にキールが事情を説明し、すぐにでも騒ぐフィービィー達を黙らせようとするが、自分達の事情を知っていた冒険者達は、ケイが目を覚ましたと聞いて大いに喜んでいた。
「おぉ、村に着いてから今日まで目を覚まさなかった仲間が目を覚ましたのか」
「そりゃあめでたい。よっしゃ、今から快気祝いだ!」
「とりあえず医療関係に携わってる人呼んでくるわね」
「やめろーっ! 朝っぱらから騒ぐな! 約一名除いて騒ぎ立てるんじゃない!」
自分達なりにケイの事を心配していた冒険者達は、ケイが目を覚ましたと聞いて快気祝いに宴の準備をするために動き始めた。
そうなる前にキールは大慌てで医療関係者を呼びに行った一人を除き、朝から宴の準備をしようとする冒険者を止める羽目になった。
そして騒ぎが収まり、ようやく落ち着いてケイと話をする事が出来るようになった。
「本当に良かったよケイ、三刻近くも目を覚まさなかったから心配してたんだよ⁉」
「悪い悪い。俺が眠ってる間、大変だったみたいだな」
「大変なんてレベルじゃないわ。
ヨキの収穫ペースが速すぎて作業が回らなくなったり、ヨキがラッド族の冒険者と戦われたりでパニックだったんだから」
「それにヒバリがつきっきりで看病してくれてたからちゃんとお礼を言うのよ?」
目を覚ましたケイは呑気な様子で話していたが、マリとディモルフォセカは呆れた様子でケイが眠っている間に何が起きたのかを説明していた。
「はぁ、これでやっと話が出来るな……」
「キール、これからどうするの?」
「明日が収穫作業の最終日で護衛以外の冒険者全員参加となると、今日中に必用な物を買い揃える必要がある。
全体で必用な物はスズが初日の内に買い揃えてくれたから、ここにいる全員に個人的に必用な物を購入しておくよう指示を出す」
今日を含めた二刻後の早朝に国境へ向かう事を考え、準備をするなら今日しかないと判断したキールは、客室にいる仲間達に今日一刻の行動について説明をした。
その後午前と午後とでエナジーフルーツの収穫作業に参加するグループを決めると、そのまま解散となった。
「それじゃあ午前の作業に参加するのはケイ、ヒバリ、ディモルフォセカ、カトレア、ラヴァーズ、スズ。
午後からはヨキ、バン、リース、マリ、レイア、ニヤト、フィービィーで良いな?」
「あれ? ラピスさんやヒエンさんは?」
「あの二人なら収穫作業初日と二刻目に準備し終えてるから、今は護衛の方に付いてるぜ。
オイラもキャラバンのリーダーと話し合いがあるから、そっちの方に行く予定だ」
「相変わらず行動が早いなあの二人…」
ラピスとヒエンの二人が既に準備を終えていると聞いたバンは、少し呆気にとられていたがいつもの事だと思い深くは聞かなかった。
ラピスとヒエンの所在を伝えたキールは、そのまま客室を出てミザールの元に向かった。
常に持ち歩いていた携帯食で朝食を済ませると、ミザールが泊まっている客室の扉を叩いた。
だが、扉を叩いても返事がなかったため、ミザールは出かけている様子だった。
そこでキールはエントランスまで移動し、受付をしている従業員に声をかけてミザールの行き先を尋ねた。
「すまない、ミザール・バーナードが何処に行ったか分かるか?」
「バーナード氏なら他の方達と話し合いのために、この宿にある小さな宴会場に向かったよ。
ほら、そこの廊下をまっすぐ行った場所が宴会場だ」
そう言うと受付をしている従業員は、カウンターから少し身を乗り出してミザールが向かったと衣言う宴会場がある廊下を指さした。
ミザールが宴会場にいる事を知ったキールは、従業員に礼を言うとそのまま宴会場に向かった。
そして宴会場の前に着くと、扉の前には護衛としてミザール専属の護衛が二人、警備員としてたっていた。
受付をしている従業員の情報に間違いが無い事を確認したキールは、そのままミザール専属の護衛二人に声をかけた。
「すまない、キャラバンのリーダーに話があるんだ。中に入れてくれないか?」
「なんだ? こんなちっこい子供がバーナード氏になんのようだ?」
「今は大事な会議中だ、帰った帰った」
「キール・ロワイヤルが訪ねてきたと伝えてくれりゃあ十分伝わる筈だ」
キールの見た目が子供という事もあって二人の護衛は追い返そうとするが、キールの子供とは思えない威圧に当てられ、顔を見合わせながら困惑した。
護衛の内の一人が宴会場の中に入って報告をしに行き、一刻も経たない内にキールが宴会場の中に入るよう許可が下りた。
宴会場への入室を許可されたキールは、宴会場へと足を踏み入れた。
中に入ると、宴会場の中央ではミザールを中心とした数名の行商人達が国境までの道のりを話し合っていた。
キールはミザール達の元まで歩きながら声をかけた。
「ミザール、忙しいところすまない。大事な話がある」
「ロワイヤル君か。護衛から君の友人が目を覚ましたと話を聞いたよ、実に良かった」
「まぁな、おかげさまで朝から馬鹿騒ぎだよ」
「君が来たと聞いて何かあるとは思っていた、何か不安要素でも?」
「謎の積み荷の中身について、一つ予測が付いた」
キールの口から謎の積み荷の中身に関する言葉が出て来たため、ミザールと話し合っていた行商人達が一斉にざわつき始めた。
キールの報告を聞いたミザールも真剣そうな様子でキールを見据えていた。
「あの積み荷の正体は一体?」
「それを話す前に、何人か会議に呼んで欲しい連中がいる。
オイラの仲間のウィアグラウツ一人と口が堅い、アンタが信頼できる連中だ。
この場にいる行商人は全員口は堅いか?」
「それに関しては問題ない、ここにいる全員が私の信頼できる仲間達だ。
すぐにでも会議に参加する人員を呼んでこよう」
キールの様子から深刻な話だと悟ったミザールは、宴会場の外で待機している二人の護衛にラピスと自分が指定した人物を呼んでくるように指示を出した。
ミザールから指示を出された護衛二人は、すぐさま動き出した。
それから五刻み後にはラピスとミザールに指定された人物が宴会場に集まっていた。
(五刻み単位でもう集まった。流石はミザール、大勢の行商人を纏めているだけの事はある)
「バーナードさん、何かあったんですか?」
「急に会議に参加して欲しいと言われたので来ましたが、何かトラブルでも?」
ミザールの護衛二人に呼び出された冒険者や護衛数人は、何事かという様子でミザールのことを見ていた。
一方でラピスは自分よりも先にキールが宴会場に来ていることから、自分達が呼ばれた理由を理解した。
「もしや、あの積み荷に着いてのことか?」
「積み荷って、ライフ大陸から来た冒険者から預かったって言うあの積み荷の事か?」
「確かあの積み荷を預かって以降、ヘルシャフトに狙われるようになったな……」
「その中身について、一つ予測が付いたんだ」
謎の積み荷の中身について予測が付いたと聞かされたラピスや冒険者、護衛達はおそろい多様子でざわつき始めた。
預かって以降、バーナードキャラバンがヘルシャフトに狙われるようになった原因である。
中身の内容を聞かされていなかったため、その場にいる全員がずっと疑問に思っていた事だった。
中身が分かったとなれば、何かしらの対処が出来るのではと思ったのだろう。
だが、キールの言った証言で困惑することとなった。
「これはあくまでオイラの予測で、完全に中身を特定できた訳じゃない。
だが、もし万が一オイラの予測が当たっていたのだとしたら、あの積み荷の中身を外に出すのは危険すぎる」
「中身が危険? どういう事だ?」
謎の積み荷の中身が危険だと知らされたその場にいる全員が、キールが言った事の意味をあまり理解していなかったが、ヘルシャフトが何度も襲撃してきているという事実がある以上、特殊合金の箱の中身を把握しておくべきだと考えた。
「キール、話してくれ。何故あの積み荷の中身を外に出すのが危険なのか、理由によっては対応がかなり変わってくるぞ」
「あぁ、これから話す事は外にいる連中には他言無用で頼む」
「それだけ深刻な問題なのか……」
宴会場にいる面子にしか話せない程、深刻な内容であるというのがキールの言葉だけで十分伝わってきた。
そして問題となるのは、キールがこれから話す内容だ。
謎の積み荷の中身を外に出すのが危険すぎる意味によっては、国境までの道中に大きく影響を及ぼす事になる。
事態がどれだけ深刻なのかを周りが自覚したのを確認したキールは、中身について説明し始めた。
「恐らくあの積み荷の中身は、禍津悪神に連なる物だ」
「「「禍津悪神?」」」
キールの口から禍津悪神という聞き慣れない言葉が出て来たため、少々困惑していた。
この場にいる者達の中には神話程度ではあるが神に関わる知識を持つ物もいたが、禍津悪神に関しては全く聞き覚えがなかったようだ。
「禍津悪神なんて聞いた事無いな……。悪神というのは分かったが、具体的にはどのような神なんだ」
「禍津悪神って言うのは、全ての神々の敵にして、『数多世界』を含めたオイラ達がいる『始まりの世界』を滅ぼす事を目的とする、わかりやすく言うなら質の悪すぎる悪神だ」
「世界を滅ぼすって、洒落にならないじゃない‼」
禍津悪神が世界を滅ぼす悪神であると聞いた女冒険者は、酷く狼狽えた。
世界には必ず、その世界を管理し、見守る神が存在する。
だが数いる神の中に善き神もいれば悪しき神も存在する、そしてキールがいう禍津悪神という神は全ての世界を破壊する事を目的とする神。
誰がどう聞いても、悪神にしか思えない内容だった。
それと同時に、その場にいる全員がその名に聞き覚えがなかったため、何故そのような危険な悪神の名前が知れ渡っていないのかという疑問もあった。
その疑問は、次にキールの質問によって解決される事になる。
「この中で『精霊戦争』っていう言葉を聞いた事がある奴は、何人くらいいる?
それから内容を把握してる奴は?」
「昔聞いた話だからうろ覚えだけど、確か大陸中が火の海になったとか……」
「俺が知っているのは、今の人口の四割近くしか残らなかった事くらいだ」
キールに問われた全員の中で、ちらほらと手を上げる物が数名、その中にはラピスもいた。
精霊戦争の言葉を知るものが数名いる事が分かったキールは、禍津悪神と精霊戦争の繋がりを話し始めた。
「精霊戦争って言うのは、禍津悪神とそれに連なる連中と、始まりの世界を管理する『世界創造神』と『二四魂至高神』の加護を与えられた者達との戦いの名称なんだ」
「世界創造神と二四魂至高神って、御伽話や小説に出てくる、あの伝説上の神々の事⁉」
「実在する。その証拠にオイラは樹属性に関する全てを司る至高神、『樹の至高神』の加護を授かっている」
世界創造神と二四魂至高神について詳しく知っている僧侶風のワンピースを着た女性冒険者が、驚いた様子でキールに詰め寄る。
その質問に対してキールは世界創造神と二四魂至高神が実在する事を肯定すると、自分の右腕の袖をめくり上げ、普段は誰にも見せる事がない右腕に刻まれた聖痕を見せた。
キールの右腕に刻まれた木の枝に絡みつく蔦を模した、緑色の聖痕を見た僧侶風のワンピースを来た女性冒険者は、懐から一冊の手帳を取り出し、とあるページを開くと交互にキールの聖痕を観察し始めた。
「緑色に染まった木の枝に絡みつく蔦、間違いないわ、これは『樹を司る者』に刻まれる『樹の聖痕』。
という事は、貴方は樹の至高神に愛される一族、ナチュラルトレジャーッ!」
「オイラの一族について詳しいみたいだな。
一から説明していると長くなる、オイラ達にとって今重要な部分だけ話させてもらう。
禍津悪神の力は本当に危険だ、奴の力は海を怪我し、空を歪め、挙げ句大陸そのものを沈めるほどだ」
「大陸を沈めるって、何を言っているんだ。現に俺達のいるエターナル大陸は健在だし、他三つの大陸だって健在だ」
キールが話を進める中で、禍津悪神によって大陸が沈んだという内容が出て来たため、元々会議に参加していた行商人の内の一人が異議を唱えた。
その行商人が言った通り、始まりの世界に存在する四つの大陸は一つも沈んではいない。
先程キールが言った事だけではあまり深刻さが伝わらないようだが、キールの説明を補足するように僧侶風のワンピースを来た女性冒険者がある諸説を話し始めた。
「いいえ、禍津悪神によって沈んだ大陸は間違いなく存在するわ。
フリー大陸とファンタジア大陸の間のトーネル海の海底に沈んでいる遺跡の事は知っている?」
「トーネル海の海底といえば、リシア遺跡だな。そのリシア遺跡がどうしたんだ」
「ここ最近リシア遺跡について調査が進んだ結果、リシア遺跡の全体面積は約四〇〇万㎢と判明したわ」
「四〇〇㎢⁉ そんなのファンタジア大陸並みの広さじゃないか!」
リシア遺跡の全体面積が大陸並みにあると知った冒険者や商人達は、あまりにも信じられない事実を知り動揺した。
海底遺跡が一つの大陸並みの広さなのか、そんな疑問があちこちから飛び出す中、その情報を聞いたキールは表情をしかめた。
「フリー大陸とファンタジア大陸の間、という事はピース大陸か」
「ピース大陸? キール、そのピース大陸というのはもしや……」
「あぁ、正真正銘、トーネル海に沈む前のリシア遺跡の名だ」
キールはつらい表情をしながら、ラピスの問いに答えた。
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