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第45話 大規模な襲撃

 現実に戻ってきたヨキは、ついさっきまで見ていた記憶の映像がバンの物では無いと思い、ましてや誰の物なのかわからなかった。

 あまりにも現実味があり過ぎたため、ヨキは知らないうちに汗まみれになっていた。


(いっ今のはバンの記憶⁉ でも、アレはバンの記憶じゃない。

 ソービ君って言う人の記憶? でも僕、ソービ君って人知らないんだけどな……?)


「どないしたんや、ヨキ?」


「それが今、誰かの記憶が見えたんだ」


「「「誰かの記憶⁇」」」


「おい、お前が見る事ができるのはバンの記憶だけじゃねぇのか?」


「ヒエン君の言う通り、僕が見れるのはバンの記憶。

 でも、今見たのはバンの記憶じゃなくて、全然知らない人の記憶で、僕もわからないよ」


 ヒエンに見ず知らずの他人の記憶を見る事ができたのは何故かを問われたヨキは、自分でもわからずとても困惑していた。

 いつ、何故、自分が他人の記憶を見れるようになったのかが不思議で、どうしてそうなったのかが分からなかった。


 本来なら左手の傷が痛みだした場合はバンはヨキの記憶を、ヨキはバンの記憶を見る事ができるのだが、今回の場合はいつもと違いすぎた。

 先程見たのが記憶なのかどうかすら、判断のしようがなかった。

 ヨキはバンに何かあったのではないかと不安になり、急いでバンがいる町外れの草原まで走って向かった。


 ラヴァーズはヨキが自分の杖を置いて行ってしまった事に気付き、杖を届けるためにヨキの杖を布で包むと、杖を持ってヨキの後を追って飛んで行った。

 それにつられて、その場にいた仲間達も一斉にヨキを追いかけて走り出す。



*****



 その頃、一人タメゴローと共に草原に座っているバンもまた自分の見た夢を見て汗まみれになっていた。


「なんで、なんで夜じゃないのにあの夢が出てくるんだよ? 一体何なんだよ⁉」


 バンはリルがいくなった日に見るようになった夢のせいで不安に取りつかれていた。

今までは夜にのみ見る夢であったが、今は昼間であるにも関わらず謎の夢を見たため、ますます不安に囚われてしまった。

 バンは自分の身に何が置いているのか全くわからなかった。


 タメゴローはバンの体をよじ登り、バンの右肩にのぼり頭をバンの頬に擦り付ける、今のバンの様子を見て心配になったらしい。

 ソービとしての自分、名前と顔が分からない謎の少女、少女とともにいた青年ラルフ、何故夢の中で自分は今のバン・レイフォンではなく、ソービ・キセキと言う存在になるのかがわからなかった。

 そこに、バンの事が心配になったヨキがやってきた。


「バーン!」


「ヨキ……」


「バン、大丈夫⁉ 顔の色が凄く悪いよ!」


「あんまり、平気じゃない。前に言ってた夢を、夜じゃないのに見たんだ」


「バンの言ってた夢が昼間にも出てきたの⁉」


 バンは途切れ途切れに話すのがやっとらしく、とても疲れているように見えた。

 バンを悩ませている夢のせいで酷く疲れてしまったのだろう、精神的に休む事ができないらしく困っているようだ。

 ヨキは先程まで見ていたソービ・キセキの映像の事を伝えると、バンは酷く驚いた。


「そっそれって、俺が見てた夢と全く同じじゃないか!」


「えぇー⁉ 僕、バンの夢を見てたって事⁉」


「クソッ! 一体何が起きてるって言うんだ⁉」


「そりゃお前の存在事態が原因なんじゃねぇか?」


「「⁉」」


 唐突に聞こえてきた声に驚いたヨキとバンは、嫌なくらい聞き覚えがある声が聞こえた方向を向いた。 そこにいたのは、自分達や仲間達の命を狙う黒ずくめの執行人、フォルシュトレッカーの一人であるシュタインボック(山羊座)とピンクを中心としたメイド服を来た少女がいた。

 二人はメイド服を着た少女の姿を見て目を見開いた。

 桜色の髪、空色の瞳、そこにいたのは間違いなく今まで自分達と共に旅をし、そして突然姿を消して行方不明となったリルだったのだ。


「リッリルさん?」


「リル! なんでそいつと一緒にいるんだ⁉」


「………」


 シュタインボックに操られている事を知らないバンは、何故敵であるシュタインボックと一緒にいるのかをリルに問いただすが、操られているリルはバンの質問に答えはしなかった。

 リルが無反応である事に対し、何かが可笑しいと感じたヨキとバンは、目の前にいるリルに困惑していた。


「リル?」


「バン、なんだかリルさんの様子が変だよ。

 まるで僕達の知ってるリルさんじゃないみたいだし、それにタメゴローまで警戒しちゃってるし」


「ヨキさーん、バンさーん」


 そこへヨキの杖を持って飛んできたラヴァーズがやってきた。

 ラヴァーズは遠くから黒服を着た人物が見えたため、近くにフォルシュトレッカーがいる事に気付き、警戒しながら近づいている内にその人物がシュタインボックである事がわかったが、シュタインボックの隣に行方不明になったリルがいる事に驚いていた。


 ラヴァーズがやって来た事に気付いたヨキとバンは、ラヴァーズを自分達の元に呼び寄せて庇うようにして立った。

 だが、ヨキもバンもまだリルがシュタインボックと共にいるという現実を目の当たりにして動揺感が抜けきっていない。

 するとラヴァーズは、二人でも納得できるような事を言った。


「今のリルさん、なんらかの方法であやつられてるみたいです」


「え? 操られてるって、どういう事? なんでそんな事がわかるの?」


 ヨキは何故ラヴァーズがリルが操られている事がわかすのかを尋ねると、ラヴァーズはその理由を答えた。


「僕たちウィアグラウツやヘルシャフトは、生きもののタマシイのはちょう、セイメイリョクをかんじとることができるんです」


「じゃあ寿命の長さもわかるのか?」


「そこまではわかりませんけど、タマシイのヘンカによってその人のヘンカはわかります。

 ぼくの知ってるリルさんのはちょうはすごくキレイだったのに、今のリルさんのはちょうは別の力のカンショウをうけて、ムリヤリみだされているかんじがします」


「じゃあ、さっき言ったようにリルさんは本当に」


「はい、まちがいなくリルさんはなんらかの方法であやつられてます。

 それも、かなりつよい力です」


「洗脳か……!」


 ラヴァーズにリルが操られていると聞かされたヨキは、リルの様子が可笑しいのは操られているからだと聞いて納得した。

 だがバンはラヴァーズの話を聞いて、洗脳と言う言葉を言った。


 心当たりがあるのだろう、その様子は明らかに怒りと憎しみが宿った様子であった。

 ヨキはバンが洗脳と言うものが何かを知っていると知り、気が荒い状態になっているバンに洗脳と言うものが何かをバンに尋ねた。


「バン、洗脳って何? もしかしてそれが、リルさんが可笑しくなった原因なの?」


「あぁ、洗脳って言うのは言う事を気かねぇ奴や、逆らう奴の考えを無理やり変えて自分の都合に合わせて人格を変えたり、命令したりする事さ!」


「それってつまり、その人に無理矢理言う事を聞かせるって事⁉」


「人聞きの悪い事言わないでくれねぇか? 俺は小鳥ちゃんが逃げないようにしただけさ」


 そう言いながら、シュタインボックは何処からともなく赤黒い宝石の首飾りを取り出した。

 一見普通の赤黒い宝石のように見えるが、ラヴァーズはその宝石を見てハッとした表情になった。

        

「あれはまさか、魔属性のセイレイセキ⁉」


「魔属性の精霊石? ラヴァーズ君、それって何?」


「セイメイリョクやセイレイセキには二四のぞくせいあるんです。

 そのうちの一つが魔属性、もっともきけんなぞくせいです!」


 最も危険な属性と聞いたヨキは、焦った様子でシュタインボックが持っている赤黒い宝石の首飾りを見た。

 何処をどう見ても普通の赤黒い宝石にしか見えない。

 しかし前にキールが使った光を放つ玉の事もあり、安全な物もあれば危険な物もあるという事だ。


 ヨキはラヴァーズから杖を受け取ると、杖に巻き付てた布を外し、いつでも攻撃ができるように身構えた。

 するとラヴァーズは体をびくりと震わせ、青ざめた表情になった。

その様子に気付いたヨキは声をかけた。


「ラヴァーズ君どうしたの?」


「たったいへん、たくさんのヘルシャフトが、町をおそってます!」


「「なんだって⁉」」



*****



 バンの元に向かったヨキとラヴァーズを追いかけていたケイ達は、途中でラピスとスズの二人のお陰で町に沢山のヘルシャフトが向かっている事がわかり、大急ぎで引き返して町の住人達を避難させ、町にいたウィアグラウツ達と共に戦っていた。


 だが、襲ってきたのはヘルシャフトだけではなく、三人のフォルシュトレッカーも紛れ込んでいた。

 ウィアグラウツ達はヘルシャフトと戦い、ケイ達はレーヴェ(獅子座)と見知らぬ少年と姿を見せないフォルシュトレッカーの三人と戦っていた。


「全員怯むな! なんとしてでもこの町を死守しろ!」


「弓部隊用意! 放てぇーっ!」


風雷乱舞フォンレイルゥァンウー!」


「急げーっ! 森の奥に避難するんや!」


 ケイ達は町の方をラピスとウィアグラウツ達、町の住人をマリ、ヒエン、レイア、ニヤトに任せて、必死に戦っていた。

 リースのサポートのもと、ラピスはウィアグラウツ達に指示を出しヘルシャフト達を迎え撃つ。


 だが、姿を見せないフォルシュトレッカーは遠距離から攻撃し、ヘルシャフトと戦うウィアグラウツ達から数名被弾した者達が現れ始めた。

 スズは遠距離から攻撃してくる姿を見せないフォルシュトレッカーを必死になって探していた。

 すでに周りが乱戦状態になっているのを確認したキールは、フィービィーと協力してレーヴェと戦っていた。


「キール来るよ! 合わせて!」


「任せろ!」


 両手に(カギ)(ツメ)を構えたレーヴェがキールとフィービィーに攻撃を仕掛けて来たため、二人はお互いの動きを合わせ、レーヴェを跳ね返す。

 レーヴェは跳ね返されながらも素早く体勢を立て直し、再度攻撃を仕掛ける。


(オイラとフィービィーの二人掛かりで互角にやり合える。

 だが言い方を変えればここで足止めするので精一杯か。

 オイラかフィービィー、どっちかか掛けたら片方は確実にやられる!)


「そこだ!」


「キール危ない!」


「ローゼス・ローゼス!」


 レーヴェが一瞬の隙をついてキールとの間合いを詰め、鉤爪の先端をキールに突き刺そうとするが、フィービィーの警告のおかげで自分のみに危険が迫っている事に気付いたキールは瞬時にローゼス・ローゼスを唱え、守りを固める。


 レーヴェは突き刺す動作から薙ぎ払う動作に変え、キールの周囲に生えた茨をいとも容易く切り刻み、進路を確保するが、茨の中央には既にキールの姿はなかった。

 窮地を脱したキールはフィービィーの隣に立ち、体勢を立て直す。


(どっちしろ、他の連中の援護に向かうのは無理だ!)


 キール、フィービィーの二人はレーヴェを相手に互角に戦っているが、ケイ、ディモルフォセカの二人はリンク・リンクを使用しながらも二本の刀を手に持った和モダンの少年を相手にてこずっていた。


「なんだこいつ⁉ あちこちに移動するぞ!」


《落ち着くでごじゃるよケイ!

 相手はおそらく瞬間移動が可能な能力の使い手でごじゃる!》


《ディモルフォセカ、このままじゃ霊力を全部使い果たしちゃうわ。

 法術を使うのを出来る限り控えて!》


「解ったわカトレア!」


 ヒュドール=オルニス、エピン=カルマンの中から和モダンの少年の動きを観察していたヒバリとカトレアは、瞬間移動を可能とする能力の使い手であると推測し、霊力の消費を抑えるべく法術の使用を制限するよう忠告する。

 ケイとディモルフォセカは忠告に従い、物理攻撃に切り替えたが攻撃が当たる前に和モダンの少年は瞬時に消え、別の位置から攻撃されてしまう。


「移動しすぎだろ! 頭痛くなりそう…」


「貴方は、何番目なの? ヘルシャフト達からはなんと呼ばれているの?」


「俺は十二番目のフォルシュトレッカー、フィシュ(魚座)だ。

 順列で実力を予測しようとしても無駄だ。

 順列はあくまで称号をわかりやすくするためのものだからな」


 ディモルフォセカは和モダンの少年、フィシュから順列を聞き出して大体の実力を予測する事ができないかと試みたが、順列から実力を予測する事は出来ないといわれた。

 フィシュは二本の刀を構え、ディモルフォセカに斬りかかる。

 ディモルフォセカはエピン=カルマンを振るって軌道をずらし、バク転の勢いを利用してフィシュの顔面目掛けて蹴りを入れようとするが、別の場所に移動されて躱されてしまう。


 フィシュが移動した背後にはヒュドール=オルニスケイを構えたケイが待ち構えており、ケイはヒュドール=オルニスを横に大きく振るい、攻撃を仕掛けるがフィシュは高くジャンプして攻撃を(かわ)し、着地すると同時にケイに斬りかかる。

 危険を察知したヒバリがヒュドール=オルニスを動かしてケイを刀の軌道からずらすが、僅かに間に合わなかったらしくケイの左腕をかすめた。


《ケイ、すまぬ。フォローが遅れた!》


「気にすんなヒバリ、さっき動いてくれてなかったら思いっきり斬られてた!」


《能力だけでなく、身体能力も高いとなると手ごわいでごじゃるぞ。

 身体能力を下げる法術などはあったか?》


「ない訳じゃないけど、法術を掛けられるかどうか…」


 ヒバリに身体能力を下げる事ができる法術はないかと聞かれたケイは、その法術を瞬時に移動するフィシュに掛ける事ができるかどうかで悩んでいると、目の前にいたフィシュが消えたため姿を探す。

 フィシュはケイの背後に移動しており、フィシュは無言でケイに斬りかかる。


 フィシュがケイの背後から斬りかかろうとしているのを見たディモルフォセカは、エピン=カルマンをケイに巻き付け、自分の元に引き寄せる。

 ディモルフォセカの元に引き寄せられた事に驚きながらも間一髪でフィシュの攻撃から逃れたケイは、体勢を立て直す。


「そのまま殺されていれば苦しまなかったものを…」


「前言撤回! 法術掛けられる自信がない‼」


 フィシュに身体能力を下げる法術を掛けるのは無理だと判断したケイは、そのままディモルフォセカと連携してフィシュとの戦闘を続行する。



*****



 町の方で戦っている事を教える音が聞こえて来る中、ヨキ、バン、ラヴァーズの三人はシュタインボックと操られたリルを相手に戦っていた。

 スピリットシャーマンの法術はヘルシャフトにとって弱点であると同時に、ウィアグラウツにとっても弱点となりえるため、操られているだけのリルに法術を使えば傷付けてしまう。


 そのためヨキは出来る限り、リルを傷つけないよう法術を使うのを控えながら、杖で打撃攻撃をしていた。

 バンは体術でシュタインボックに対抗し、シュタインボックは攻撃を軽々と(かわ)し、愛用の(つい)でバンに攻撃していた。

 ラヴァーズは水桜鏡(すいおうきょう)でヨキとバンに襲い来る蔦や葉を吸収して、二人のサポートをするので精一杯だ。

 一方的にシュタインボックの攻撃を受けるバンは敵意を膨らませ、冷静さを失っていた。


「クソッ! クソッ! リルの洗脳を解け! 解放しろ!」


「おやおや、冷静さを無くしてるねぇ。けどそいつが自分の身を危険に晒す事になるんだぜ」


「うっうわぁあっ!」


 意識がシュタインボックに集中していたため、自分の周囲への警戒を疎かにしていたバンは、背後から生えて来た樹木に捕らえられてしまった。


 バンの方に乗っていたタメゴローは飛び出してシュタインボックに攻撃を仕掛けるが、シュタインボックにいとも容易くあしらわれそのままラヴァーズのもとに投げ飛ばされてしまった。

 自分の元に飛んできたタメゴローに驚きつつも、ラヴァーズは両手でタメゴローを受け止め、バンが捕まった事をリルと戦うヨキに伝えた。


「バン! 今助けに行く!」


「ダメ、オ前ヲコノ先ニハ行カセナイ」


「リルさん、お願いだから邪魔しないで!」


「バンさん!」


『バンッバンッ!』


「うわっ!」


 シュタインボックが生やした樹木に捕まったバンを助けようと動くヨキとラヴァーズ。

 だがヨキはシュタインボックに洗脳されたリルに邪魔され、ラヴァーズは突然何者かに狙撃されたため、タメゴローを抱えたまま逃げる事しかできない状態になった。

 シュタインボックに捕まったバンは、もがき暴れてなんとか脱出しようとした。

 そんなバンの姿を見たシュタインボックは、バンの行動を嘲笑う。


「アハハハハハッ! 良い気味だぜ♪」


「てめぇ・・・・・・!」


「丁度いい機会だ、言い事教えてやるよ。お前さぁ、最近変な夢、見たりするだろ?」


「!!!??」


 最初は自分の事を嘲笑うシュタインボックを睨みつけていたバンだったが、シュタインボックが自分が変な夢を見ている事を知っていたため、非常に驚いたバン。

 バンは動揺を隠せなかった。


「おまっなんでその事を……⁉」


「前にも言ったろ? お前は勝利の鍵なんだってな。

 あとあの時言い忘れた事があるんだよなぁ」


「言い忘れた事…? 一体なんの事だ⁉」


 シュタインボックは依然襲撃した時に言い忘れた事があると、わざとらしくバンの前で言う。

 聞き捨てならないシュタインボックの発言に、バンはなんの事なのか問い詰めた。

 次にシュタインボックが発したのは、予想外な答えだった。


「お前はなぁ、この世にいちゃいけない存在なんだぜ?」


「へ………?」


 突然自分がこの世にいてはいけない存在と言われたため、バンは全く理解できなかった。

 バンの様子を見たシュタインボックは、そのままもったいぶるように話を続けた。


「主や博士はなぁ、お前の魂が特別すぎ、普通の人間の魂じゃない事に気付いてお前を危険視した。

 けどそれなりに利用価値がある事がここ最近わかったんだ」


「ど……ういう事だよ…?」


「本当ならこのまま連れて行くって事になるけど、今回はお前の力がどれぐらい強いのか試させて貰うぜ」


 そう言うとシュタインボックはコートのポケットから小さめの円盤を取り出し、それをバンの胸の中心に取り付けた。

 するとその円盤の角から触覚のようなものが出てきて、バンの胸にへばり付いた。

痛みのあまり、バンは表情を歪めた。


「うあっく……何しやがる!?」


「何って、楽しい実験さ」


「うっぐっ……うぁああああああああああっ!!!!!」


 シュタインボックが円盤のボタンを押した途端、突然バンが苦しみだした。

 それと同時にバンを捕えていた樹木が急激に成長し始め、そのままおぞましい姿をした巨木へと姿を変えた。

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― 新着の感想 ―
[一言]  こんばんは、御作を読みました。  シュタインボックが実に憎らしい悪役ムーブですね。  ヨキやバンが全力を尽くしてあしわれて、大ピンチです。  やはりこういう強敵が出てくると、手に汗握ります…
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