第33話 襲撃
ヘルシャフトの本拠地にある小さな屋敷、そのエントランスに集まるフォルシュトレッカー達は皆、真剣そうな顔で今後の事を話し合っていた。
ツヴィリンゲは前回のケイ達との戦いで起こしたフラッシュバックの影響により、まだ部屋で眠っているままである。
それにヨキ達とケイ達が合流した今、更なる脅威がヘルシャフトに近づいているようなものであるのだ。
それは自分達にとっても由々しき事態なのだ。
その事から、フォルシュトレッカー達の意見はバラバラになっていた。
「やはりあの時、カトレア・シロップを抹殺するべきでした。
ディモルフォセカ・ガーネットとリンク・リンクを成功させ、敵戦力の強化に繋がってしまいました」
「でもあの時は速攻で十三番目になれる人材がこちら側から見つけられなかった訳だし、その時の条件に当てはまるのは彼女以外いなかったわ」
「ファイヤーファントムの女だけならまだしも、アクアシーフの方も成功させちまったんだろう?
ちょっとやばくね?」
現在のフォルシュトレッカー達が話し合っている議題は、ケイとディモルフォセカがリンク・リンクを習得してしまった事に対してだった。
リンク・リンクを発動させれば礎が姿形を変え、その状態で使える法術は通常の者よりも威力がある。
通常時に法術を発動させた時よりも体力の減りが早いというデメリットがあるが、それさえ克服してしまえば、かなりの戦力差になるのだ。
スピリットシャーマンの法術を弱点とするヘルシャフトからすれば、より強力な法術は危険なものである。
その危険性がわかっていたため、最初に接触した時点でカトレアを殺すべきだったという者もいれば、人材を見つけられなかったため仕方がないと踏ん切りをつける者もいる。
中には、危機感を覚える者もいた。
「レーヴェ、お前の実力なら一人だけでも簡単にやれたんじゃないのか?」
「無理だね。倒れたツヴィリンゲを庇いながらじゃ、相手に攻撃のチャンスを与えるリスクがある」
「個人差にもよるでしょうが、ツヴィリンゲの場合はフラッシュバックの影響が酷いのです。
当分次の任務に就くのは無理なのですよ」
シュタインボックにヨキ達全員を殺す事は出来なかったのかと尋ねられたレーヴェだったが、倒れたツヴィリンゲを庇いながらでは危険だと否定した。
そこにフードを被った少女が、ツヴィリンゲが当分任務に出られないと口添えした。
すると前髪を横にわけ、その先に赤いメッシュを付けた青年が赤毛の娘に話しかけた。
「ところでクレープスは? さっきから姿が見当たらないが」
「それなら十三番目の付き添いで任務に出ていますわ。今日があの子のデビュー戦ですの」
それを聞いたフォルシュトレッカー達は嬉しそうに笑った。
フォルシュトレッカー達にクレープスの行き先を伝えた赤毛の娘は、近くにいたヴァーゲとシュッツェに声をかけた。
「ヴァーゲ、シュッツェ、ワタクシから貴方達に任務を与えます。
ヴァーゲは通常通りにトンファーを、シュッツェはクロスボウからロングボウに持ち替え、もう一度スピリットシャーマン達の実力を測りなさい」
フォルシュトレッカー達の筆頭なのだろう、赤毛の娘はヴァーゲとシュッツェの二人に任務を与えた。
赤毛の娘から任務を与えられたヴァーゲとシュッツェは、赤毛の娘に説明を求めた。
「はいはーい、質問良い? なんでまたそんな事する必要がある訳?」
「ヴィダー、詳しい内容をお聞かせ下さい。
内容によっては使用するロングボウを更に厳選する必要が出てくる可能性があります」
「どうしても確かめてきてほしい事がありますの」
ヴァーゲとシュッツェはヴィダーと呼ばれた赤毛の娘から詳しい話を聞くと、それぞれの愛用の武器を手に取ってそのまま屋敷を出ていった。
*****
水の社の近くの町でケイ達の回復を待っているヨキ達は、互いの再会を喜んでいた。
特にヨキとケイは聖なる祠で起こった竜巻のせいで離ればなれになって以来、一度も顔を見ていなかったためお互いの顔をじっくりとみながら話していた。
一方でヒバリとニヤトはバンと、バンにそっくりなスズを何度も何度も見て違いを見比べていた。
ほぼ全て同じであるため、僅かな違いはほとんどないため、ここまでそっくりとなると本当は双子なのではないかと疑う程だ。
「それにしてもお前らホンマにそっくりやなぁ」
「顔も動きも性格もほぼ同じ。どう見ても双子の兄弟にしか見えないでごじゃるな」
「旅の間もよく間違えられてて、しかもリースまで間違えるんだぜ。
スズは帽子被ってるのに」
バンの実の弟であるリースですら、バンとスズを間違えると聞いたヒバリとニヤトは耳を疑った。
丁度そこへラピスとリースが、これからの旅に必要な物を買って部屋に入ってきた。
「兄さん、今戻りました」
「お帰りリース。あと俺スズでバンはこっちだぞ」
「あっ、ごめんなさいスズさん」
見事なまでに二人を間違えたリースを見たヒバリとニヤトは心底驚いていた。
そこへ宿についている露天風呂に入っていたリル、カトレア、ラヴァーズの三人も戻ってきた。
リルとカトレアは露天風呂に入る事ができて満足そうにしており、ラヴァーズも露天風呂を気に入ったようだ。
ヨキと話をしていたケイは、ヨキを驚かせる言葉を口にした。
「それにしてもヨキ、だいぶ変わったな」
「え? どうしたのケイ、急にそんな事言うなんて…」
行き成りそんな事を言われたヨキは、目を見開いて驚いた。
前にバンにも言われたが、だいぶ変わったと言われた時はとても驚いていたが、内心自分が変わる事ができた事に喜んでいた。
ケイはヨキがどれだけ変わったのかを話し始めた。
「大人しくて、知らない人見たらすぐ逃げ出してたじゃん。
なのに今はヘルシャフトと戦うなんて、俺から見たら十分凄い事だぜ?」
「そっそうかな? 僕的にはあんまり変わってない気がするな」
あまり変わってないと言いながらも、照れながら言うヨキ。
すると窓際にいたキールが全員揃った事を確認すると、今までの事をまとめるため、部屋の中心にヨキ達を集め始めた。
「それじゃ今から今後の予定を言うぞ。辻妻が合わない部分があれば指摘してくれ」
まずは残る古文書である風の古文書を探し出すのは後回しになった。
最初に炎の古文書を持っており、ヘルシャフトを殺して回っているアイスアサシンの子孫である少女、トューランドットの正体を知るヒエンとレイアを探し出し、炎の古文書を受け取ってアーカイブを元の状態に戻す事。
その理由は、現在の古文書の事でも問題があったからだ。
ケイ達は氷の古文書はヒエンとレイアが持っているのかと思ったが、ヨキ達の証言により二人は持ってはいなかった事を初めて知った。
更にマリとは今別行動になっていると知らされ、氷の古文書は再び行方不明になったマリが持っている可能性が高い事が判明。
マリを見つけるには、その行方を知るヒエンとレイアを先に見つける必要があった。
そしてマリの両親がディモルフォセカの両親同様、ヘルシャフトに殺されていた事をケイ達からヨキ達は驚いていた。
その話を聞いたキールは、殺されたマリの両親は、マリがアイスアサシンの生まれ変わりという可能性以外の理由で狙われていたのではないかと考えた。
「基本連中は自分達以外の種族を見下す経緯がある。
特に人間相手には尚更だが、そういった連中を支配下において労働力にするからそう簡単に殺しはしない。
そうなると他にも理由があった可能性がある」
「そちらも気になるが、フォルシュトレッカー達に対しても警戒は必要だぞ」
「担当していたラピスさんですら、秘匿されていた情報があったくらいですからね」
ラピスが指摘したように、フォルシュトレッカーという問題もあった。
実際の所、ラピスは全員の能力を知っているが、一番目、二番目に三番目が誰なのかは知らないらしく、ツヴィリンゲと直接会ったのは水の社が初めてだったらしい。
更には、ΦV25という十三番目のフォルシュトレッカー候補がいた事も知らなかったようだ。
「そう言えば、ツヴィリンゲって確かディルカさんの弟さんなのよね…」
リルは心配そうにディモルフォセカを見つめた。
ラピスもツヴィリンゲがファイヤーファントムである事、ディモルフォセカの生き別れた双子の弟、リンドウであるという事を知らなかったらしく、心底驚いていた。
リルとラピスに心配されていたディモルフォセカは、二人を安心させようと笑顔で言った。
「大丈夫よリル。今度会った時はあの捻くれ曲った根性を叩き直してやるんだから!」
そんなディモルフォセカの様子を見た二人はほっとした。
するとケイがヘルシャフトについて話そうとした。
「なぁ、ソイツらの事で言いたい事が…」
ケイが話し出した、その時だった。
なんの前触れもなく窓から矢が飛んできたのだ。
運良く矢はヨキ達には当たらなかったが、矢が飛んできた事に混乱していた。
スズはすかさず飛んできた矢を手に取り、ウィンドウ・ハートで矢が飛んで来た場所を突き止めた。
そこにはカジュアルな服とニット帽を被った少年と、クラシカル系のメイド服を着た少女が立っていた。
二人に共通しているのは、両者共に黒系統の服を身に纏っているという事。
少女が弓を持っている所から、矢を射たのはこの少女だろうと推測したが、少女が立っている位置から自分達のいる宿までには距離がありすぎる。
すると少女は矢を十本手に取り、弓にかけた。
それを見たスズは急いでヨキ達にその事を伝えた。
「フォルシュトレッカーだ、次の攻撃が来るぞ!」
それを聞いたヨキ達はすぐに壁際に避難した。
スズの言う通り、十本の矢はヨキ達が集まっていた場所に刺さり、スズは急いで襲撃して来たフォルシュトレッカーの特徴と距離を言った。
矢を射たメイド服の少女の特徴を聞いたラピスは、その少女が誰なのかすぐにわかった。
「クソッ。シュッツェか! まずい、ここでは我々が不利だ!」
「どういう事ですかラピスさん⁉」
「シュッツェは射的能力に優れている事で、その能力である【千里眼】は厄介だ!
長距離でも見通せる!」
「つまり遠くでも狙った場所が見えるって事だ!
とりあえずここを出てソイツらのとこに行くぞ! ここだと民間人を巻き込む!」
キールはそう言うと壊れた窓から部屋を飛び出し、シュッツェともう一人がいる場所に向かったため、ヨキ達も慌ててキールに続き、急いで部屋を出た。
遠く離れた所からヨキ達を狙うシュッツェは、攻撃の手を緩める事は無く矢を射続ける。
矢は雨状になってヨキ達に襲いかかり、それをヨキ達は凌ぎながら徐々に近づいていく。
ヨキ達の様子を千里眼で見ていたシュッツェは、キ達が接近してきている事をヴァーゲに告げた。
「ヴァーゲ、来ます。戦闘準備を」
「OK! そんじゃちょっくらいってくっか! サポート頼むぜ!」
「言われなくてもわかっています」
そう言うとヴァーゲはトンファーを手に持ち、シュッツェの放つ矢の雨を躱しながらヨキ達のもとに向かう。
ヴァーゲが近づいてくる事に気付いたキールはその事をすぐ、後方から走ってくるヨキ達に伝え、ヨキ達はすぐに武器を構えた。
「ハッ! 臨戦態勢に入るのが遅いね!」
ヴァーゲは先頭にいるキールを通り過ぎ、真っ先にヨキに攻撃を仕掛け、トンファーを思いっきり横に振った。
キールではなく自分に攻撃を仕掛けられた事に驚いたヨキは、とっさに杖で防御しヴァーゲの攻撃を受け止めた。
するとヴァーゲの持つトンファーから電気が走った。
それを見たヨキは大声で叫び、ヴァーゲを突き飛ばしてその場に蹲ってしまった。
慌ててヨキの傍に駆け寄ったバンは、一体どうしてしまったのか分からなかった。
「うわぁあ! ヤだ、ヤだ! 雷、怖いよーっ‼」
それを聞いたバンはどういう事なのか解らず、近くにいたケイにヨキが雷を怖がる理由を尋ねた。
「ケイ! ヨキが雷が怖いって言ってるけど、どういう事なんだ⁉」
「解らない! ヨキは昔から雷が嫌いなんだ!」
「昔から⁉(もしかして、あの時見たヨキの記憶と何か関係が…?)」
ケイからヨキが昔から雷を嫌っていると聞いたバンは、実りの街を出る前に起きたヘルシャフトによるリースの誘拐事件時に垣間見た、幼い頃のヨキの記憶と関係があるのではないかと考えていると、ヴァーゲがバンと混乱状態になって動けないヨキを狙って攻撃を仕掛けてきた。
その事に気付いたリースは大声でバンに知らせ、バンは急いでヨキを抱えて攻撃を躱した。
ケイはヴァーゲの動きを封じようとリプル・リプルを唱えた。
だがリプル・リプルは躱されてしまい、ヴァーゲの攻撃を受け止めた時、体に痺れるような激痛が走り、ケイはそのまま倒れてしまった。
その事に気付いたヒバリは急いでケイのもとへ駆け寄ろうとしたが、遠距離からシュッツェが矢を放ち、怯んだ一瞬のスキを突かれ、ヴァーゲの攻撃をまともに受けてしまった。
ヴァーゲの攻撃を受けたヒバリも、ケイ同様に体中に痺れるような激痛が走り倒れてしまった。
ラピスはヴァーゲを二人から引き離し、仲間達にヴァーゲの能力を告げた。
「気をつけろ! ヴァーゲは自分の体から電気を発し、操る事ができるぞ!」
「そうか! トンファーに流れた電気が雷に見えて…!
兎に角ここから離れないと。リース! 手伝ってくれ!」
「おいおい今ネタバレすんのかよ? 俺の【電撃】は取扱注意ってなぁ!」
バンはヨキの腕を自分の肩に回し、リースはヨキの杖を直接触れないよう布で包み込んで持つと、急いでその場を離れた。
ニヤトとラヴァーズも、ヴァーゲの攻撃によって倒れたケイとヒバリを抱えてその場を離れる。
その場を離れようとするヨキ達を追撃しようとするヴァーゲに対し、スズとリルは力を合わせて強風を巻き起こし、ヴァーゲに立ち向かう。
ラピスも至近距離での攻撃は不利だと判断し、氷の矢で二人を支援する。
体から電気を発するヴァーゲとまともに戦う事ができるのは、自在に遠距離から攻撃できるこの三人だけだろう。
「三人ともそのままソイツを足止めしてて! アタシ達はシュッツェの方をなんとかするから!」
カトレアはそう言うと、そのままシュッツェ目掛けて走り始めた。
そんなカトレアの姿を見たキールとフィービィーは、鳩が豆鉄砲でも食らったかのような顔をして驚いていた。
「な⁉ あの女無茶苦茶早いぞ!」
「姉さんは天才で十三番目のフォルシュトレッカーとして狙われたんです!
頭に血が上ってても、冷静に状況判断できるくらいに強いんですよ!」
猛スピードで走るカトレアに驚くキールとフィービィーに対し、ケイとヒバリを避難させたラヴァーズは自慢げに話す。
血の繋がりはないとはいえ、旅の間にカトレアからの愛情を受けたラヴァーズにとって、今は亡き実の姉同様、カトレアは自慢の姉なのだ。
カトレアが自分のもとに近づいて来ている事に気付いたシュッツェは、カトレアに狙いを定め、そのままカトレアに向かって矢を射始める。
だがその攻撃をカトレアは素早躱していく。
「ヴァーゲ、私は今からカトレア・シロップの対処に入ります。しばらくの間一人で対応して下さい」
「りょーかい! しくじるなよ!」
長期戦になると考えたシュッツェはヴァーゲのサポートを中断し、カトレアへ攻撃を集中させると同時に、ヴァーゲにサポートを一時的に中断する事を伝えた。
カトレアはシュッツェの矢を次々と躱しながら近づいていき、途中で見つけた小石をシュッツェ目掛けて勢いよく蹴り、怯ませようと考えた。
カトレアの意図に気付いていたシュッツェは冷静に対処し、矢の本数を増やしてカトレアへの攻撃を続行する。
自分に向かって飛んでくる矢を躱し、蹴り落とし、薙ぎ払い、時には肌にかすめながらも怯む事無く突き進んでいくカトレア。
そんなカトレアの様子を見たフィービィーはやる気に満ちた様子で五月雨を構えた。
「あの子スゴイ早いね。アタシも負けてられない、キール! 援護してくれる⁉」
「任せとけって。アイヴィ・アイヴィ!」
フィービィーの様子を見たキールはアイヴィ・アイヴィと唱えた途端、地面から細い蔦が生え始めた。
細い蔦はシュッツェに向かって伸び始める。
だがシュッツェはその蔦さえも矢で仕留めて行く。
しかしそれは単なる囮にすぎず、その隙にフィービィーは風のような速さでカトレアを抜き去り、一気に近づいて五月雨でシュッツェの弓を破壊した。
弓を破壊されたシュッツェはフィービィーからの追撃を警戒し、素早く後退する。
「私ね、なんかよくわかんないんだけど、誰よりも速く走れて動きがすぐわかるんだよねぇ」
そう言いながらフィービィーは不敵な笑みを浮かべた。
それを見たシュッツェは何かを確信するや否やその場を離れ、そのままヴァーゲのもとに向かった。
スズ、ラピス、リルの三人と戦っていたヴァーゲはシュッツェに気付き、何かを聞くと、ヴァーゲは攻撃を中断し、二人はそのまま去っていった。
ヴァーゲとシュッツェが去った事を確認したキール達は、避難していたヨキ達と合流して再び宿に戻った。
割れた窓の弁償代としてキールは今まで見つけた宝を換金していた金で払い、先程までの事を隠しながら謝罪した。
ヴァーゲの攻撃をまともに受けたケイとヒバリは大分回復していたが、ヨキの方はまだ小刻みに震えていた。
キール達はヨキをヴァーゲと戦わせる事はできないと判断するのだった。
*****
その頃、とある町では縫い針のような形をしたクナイと、針金状の針糸を器用に操る黒いノースリーブワンピースの少女が武装した数人の大人を相手に戦っていた。
少女は顔が血まみれになりながらも、どこか嬉しそうな表情を見せていた。
少女は圧倒的な身体能力で武装した大人達を翻弄し、クナイを手に大人達に斬りかかり圧倒していく。
クナイを次々と大人達に刺していき、針金状の針糸を勢いよく引き、黒いノースリーブワンピースの少女と戦っていた大人達は、そのまま布で縫われるかのように全員を倒してしてしまった。
大人達がこと切れた姿を確認した黒いノースリーブワンピースの少女は、血まみれの顔で嬉しそうに笑った。
そんな様子を見守っていたクレープスは拍手をした後、少女に声をかけた。
「よくやった。これでこの国に俺達の存在は当分知られる事は無いだろう」
「これでリラもフォルシュトレッカー? 主様の星座になれたのよね♪」
「その通りだ、そろそろ戻ろう。十三番目の星座、フォルシュトレッカー・リラ」
リラと呼ばれた少女は満面の笑みを浮かべ、クレープスと共に帰って行った。
武装した数人の大人達をたった一人で殲滅した新たなる星座が、十三番目の星座リラの脅威がヨキ達に襲いかかろうとしていたのだった。




