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第93話 今の自分に出来る事【マリside】

 ブックマークありがとうございます。

 ルテラ砦に着いてから一刻(ひととき)が経過した。

 ほぼ無自覚だったとはいえ盗賊脱走事件の際、盗賊の頭を手にかけてしまったマリは何処か上の空だった。


「はぁ……。

(正当防衛が認められたとはいえ、やっぱり納得できないと言うか、安心できないままだわ。

 あの時の私の行動は、“無意識下で意図的に”行なってしまった事なんだわ)」


 マリは無自覚の内にアイスアサシンの固有能力を発動した事に対し、若干不安を感じていた。

 正気に戻ってからそんな事は一度もなかったのだが、何故今になって発動したのかがわからないままだった。


(ジェイコブさんや姫君紫蘭(ブローディア)の壁の人達は気にするなって言ってたけど、やっぱり気にする。

 ちゃんと法術が使えていれば、あんな事にはならなかったのかしら?

 それにどうやってあの感覚になったかもわからないし……)


 マリは自分が法術を使えれる状態であったなら、盗賊の頭を手に掛ける事なく捕まえられたのではないかと考えた。

 同時に、どうやって固有能力を発動したのかも覚えていなかったためそちらでも悩んでいた。


 今のマリとしてはまた無自覚に固有能力が発動してしまったらと思うと、気が気ではなかった。

 もし発動したら、今度は敵味方関係なく襲いかかり、最悪の場合ヨキ達を傷つけてしまうのではないかとも思った。


「はぁ、どうしたら良いのかしら……」


「マリ、こんな所で何やってるんだよ?」


 マリが一人で悩んでいると、食べ物を取りに行っていたレイアが声を掛けてきた。

 なお、ヒエンは洋弓銃(クロスボウ)のメンテナスのため別行動中だ。


「あらレイア、ちょっと一昨日の事でね……」


「まだ気にしてたのか。

 他の連中も言ってたけど、あれはヒトジチを助けるためにやった事だから、マリは何一つ悪くないよ」


「そうは言うけど、やっぱり気にしない方が無理よ。

 だって大勢人がいる前で、しかもラヴァーズがいる前でやらかしちゃった訳だし」


「それに関しては心配ないさ。

 ラヴァーズだってじっさいに命を狙われてた身なんだから、それくらい理解してるよ」


 レイアは盗賊の頭の件については気にするなというが、やはりマリとしてはそう簡単に納得ができないままだ。

 ふと、マリはルテラ砦に着いた直後から感じていた事についてレイアに訪ねた。


「そういえば、昨日から皆ピリピリしてるみたいだけどレイアは何か知らない?」


「多分、トウゾクダッソウ事件が原因だな。

 ダレかが意図的ににがしたって事で、眠加蜜列(スリープ・カモミール)を持ってた奴らをうたがってるんだ」


「眠加密列って、昨日大勢の冒険者が眠りこける原因になったのよね?

 私もあとから聞いたわ」


 マリも恵みの村で過ごしていた時に眠加密列について教わったため、その危険性を知っていた。

 そんな危険な薬草(ハーブ)を犯人が躊躇いもなく使った事を考えると、相当たちが悪いように思えたのだろう。


 だが眠加密列は普通の加蜜列(カモミール)と違って山の中で育ち、何より厳重に取り扱っているため一般の商人でもそう簡単に入手するのはかなり難しい事も知っていた。


「すくなくとも、キャラバンにいる人達の中に犯人はいないと思うのよね……」


「なんでそう言い切れるんだ?」


「なんて言ったら良いかしら、鋭い? 切り裂く?

 鋭利な刃物を向けられたような感じがしないの」


「なんだそりゃ?」


 少々困惑する言い方でバーナードキャラバンのメンバーの中に犯人はいないと断言するマリに対し、そのマリの感覚がわからないためレイアは難しそうな表情をしていた。


 刃物を向けられたような感じというのは、実際に刃物を向けられたら体が硬直して動けなくイメージの方が強いが、どうもマリは違うようだ。

 マリはしばらく考えて、レイアに自分の感覚を伝えた。


「実際に殺意を向けられたら、なんていうかこう、料理中にうっかり指を包丁で切っちゃた時の感覚ってわかる?

 それが体中に走る感じなのよ」


「それ向けられた感じじゃなくてきられた感じの方がわかりやすいと思うぞ。

 っていうかそれって、アイスアサシンの能力的な何かか?」


「多分そう」


「ちょっと待てよ。

 それってつまり、一昨日までマリはその感覚を感じてたって事⁉」


「感じ方によって意味は違ってくるとは思うけど、殺意を感じないって事は命を狙う人は少なくともいないのは間違いないと思うわ。

 現に一昨日の夕方まで感じてた感じが、事件が起こった後には感じなかったし」


 まだアイスアサシンの固有能力を理解しきれてはいないものの、今まで経験からバーナードキャラバンのメンバーの中に犯人はいないと断言したマリ。

 だが、それ以上にレイアとしては見過ごせない問題があった。


「その感覚を感じてたなら僕達にもちゃんとホウコクしろよ!

 今初めて知ったぞ⁉」


「仕方ないじゃない、今まではヘルシャフトに襲われた時にしか感じなくて、昨日ついた時にその感覚が感じなかった時に初めて気付いたんですもの」


「ヘルシャフト限定の感覚と間ちがえたのか……」


 どうやらマリが殺意を伝える感覚を感じる時は、ヘルシャフトと遭遇した時だけだと思い込んでいたようだ。

 そのため伝える必要はないと思い込み、今になるまでその事を伝えないままでいたのだ。

 その話を聞いたレイアは思わず天を仰いだ。


「とりあえず、キールに話に行くぞ。

 少なくともギシンアンキなこの状況じゃあ、シンライできる奴は限られてくるし」


「わかったわ。

(でも、他の人に感じないならあまり宛にならないかも?)」


 自分のアイスアサシンとしての感覚は周囲の者達に理解できないため、報告したとしてもあまり役に立たないのではないだろうかと考えた。

 少なくとも、この感覚はマリにしかわからない。


 相手に上手く意図が伝わらない可能性の方が高いため別の使い道を考えたほうが良さそうだ。

 レイアに連れられてキールを探しにルテラ砦の中に入ると、一気に空気が重くなったのと、体中にピリピリとした感覚が走った。


 恐らくバーナードキャラバンから発せられる緊張感がルテラ砦に在中している兵士達にも伝わり、全体的に緊張が走っているのだろう。

 唯一の救いは、兵士側とキャラバン側でトラブルが起きていない事だ。


「砦にいるとはいえやっぱり全体的に緊張しているわね」


「そんな事もわかるのか?」


「そうね、唐辛子(チリ)ソースを肌に直接塗った感じね」


「それピリピリしてるんじゃなくてヒリヒリしてるの間ちがいだろう」


 そんなやり取りをしていると、不意に肌がヒリヒリとし始めた。

 レイアが言ったように、ピリピリしているのではなくヒリヒリしているのかと思ったがそういう訳ではないようだ。


「どうしたんだマリ?」


「誰かが言い争ってるみたい、あっちに行ってみましょう」


 そう、マリの肌がヒリヒリし始めた直後に誰かが言い争うが聞こえてきたのだ。

 誰かが言い争っている事に気付いたマリは、進路を変えて声の方に進み始めた。


 そしてしばらく進んだ先には護衛の依頼(っクエスト)に参加していた二人組の冒険者と、バーナードキャラバンに所属している商人の一人が言い争っており、その間に立つ形でニヤトとサブリナが仲裁に入っていた。


「だぁかぁらぁ、そこのおっさんが犯人に決まってるだろう」


「何をいうか、私がそんな不利益を講じるような真似をするわけがないだろう!」


「そうは言うけど、アンタの所確かいろんな薬草取り扱ってたわよね?

 その中に眠加密列を隠していたんじゃないの?」


「おやめ下さい、ここはルテラ砦。

 ルテラ砦内で騒ぐと周囲の皆様に御迷惑をおかけしてしまいます」


「さっきからなんべんもいうけど、ほんまに一回落ち着けお前ら!」


 仲裁に入っているニヤトとサブリナは、一向に落ち着かない商人と二人組の冒険者に苦労していた。

 そんな光景を目の当たりにしたレイアは、ポカンとしていた。


「……本当に言い争ってる」


「ね? 言った通りでしょう?」


 レイアはマリが言った通りに、言い争いが起こっている事に対して驚いていたが、仲裁に入っているニヤトとサブリナを見て今はそれどころではないと我に返った。


「ニヤト、大丈夫か?」


「おぉ、レイアか。

 すまん、悪いけど手を貸してや。

 五(きざ)みくらい前から落ち着くように呼びかけてるけど一向に話を聞いてくれへんのや!」


「えぇ、そんな長い時間言い争ってるの?」


「そうなんです。

 先程から落ち着くよう催促しているのですが、一向に耳を傾けて下さらなくて……」


 商人と二人組の冒険者を落ち着かせながら、ニヤトとサブリナは困った様子で状況を説明した。

 五刻みもの間言い争っていると聞かされたマリとレイアは、何故そこまで言い争うのか理解できなかった。


 確かに盗賊脱走事件の事で疑い合うのは仕方がない事だが、疑心暗鬼にも程がある。

 何よりもルテラ砦で騒ぎ立てようものなら、駐在している兵士達に取り押さえられ、バーナードキャラバンから追放されるのがオチだ。


「いい加減に黙らないなら名誉棄損で訴えるぞ!」


「あぁ上等だ、こっちこそ障害で訴えてやるよ!」


「いや唐突な裁判争い止めぇ!」


「今ここで裁判を起こされても困ります!」


 遂にはお互いが訴えたうえでの裁判沙汰に発展しそうになり、更に焦るニヤトとサブリナ。

 マリとレイアもここまで話がややこしくなるとは思ってもいなかったため、思わず引いてしまう。


「全体的にふんいきが悪いのは知ってたけど、サイバンザタに発展するのかよ……」


「訴えるっていうけど、ルテラ砦に弁護士はいないわよね?」


「そういう話じゃないよ。

 とりあえず、なんとかして落ち着かせないと……」


 ひとまず目の前で起こっている裁判沙汰目前の言い争いをどうにかして止めようと画策するレイアだったが、こういった問題に首を突っ込んだことはなかったため対応に困り果てた。


 一方でマリは、現在別行動中のケイを呼びに探しに行こうかと考えた。

 こういった揉め事の解決には、ケイが適任であるからだ。

 だが、すぐにその案はすぐ諦めた。


(昨日からいざこざの解決に奮闘していたし、それ以外でも忙しそうだったわ。

 ここはケイに頼らず納めないと……)


 直接聞いてはいないものの、様子からしてケイが何か大変な事を任されているという事を、マリは悟っていた。

 そうである以上、マリは今目の前で起きている言い争いは自分達で解決するべきだと考えたのだ。


(止めるにしても、かなり興奮してるわね。

 ケイみたいに不意打ちで刺激すれば、一旦落ち着いてくれるかしら?)


 そう考えたマリは、普段ケイが実行している悪戯のように別の形で刺激を与えれば目の前でニヤトとサブリナを困らせている行商人と二人組の冒険者を落ち着かせる事が出来るのではないかと考えた。


 そこでマリは行商人と言い争っている二人組の冒険者の内の一人に意識を向ける。

 冒険者に意識を向けてすぐに、心電図の音が聞こえ始めた。


(人って緊張しすぎてる状態で刺激されると、自分の身に危険が迫ってると勘違いするのよね。

 とりあえず、首元に触れるだけで充分かな?)


 そう考えたマリは意識を向けている冒険者に集中し、タイミングを計る。

 そして聞こえ続けていた心電図の音が鳴り止むタイミングで、マリは素早く人差し指と中指をくっつけた状態で冒険者の頸動脈付近に触れた。


「……へ?」


「あれ? マリ、いつの間に?」



 あまりにも突然の事過ぎて行商人と二人組の冒険者だけでなく、止めに入っていたニヤトとサブリナも驚きのあまり思わず硬直してしまっていた。

 一方でマリは言い争いが止まって事を確認してから、一声掛けた。


「……コレで少しは、落ち着いた?」


 意図的にではないが、マリは不敵に笑って見せた。

 マリに頸動脈を触れられている冒険者は顔色を青くした。

 見ず知らずの少女が気配を感じさせる事なく自分に接近し、素手とはいえ的確に急所に触れているのだから思わず命の危機を感じた。


「こんな状況でお互い疑いたく気持ちは分からなくもないけど、今はルテラ砦にお世話になっているんだから兵士さん達の迷惑になるのは良くないと思うの。

 だから、証拠もない、確証もない、根拠もないのに誰かを責め立てたり喧嘩するのはやめるべきよ」


「う、あ……、だけど……」


「とりあえず、ここで喧嘩するのはやめて頂戴。

 全員わかったわね?」


 マリは笑いながら睨みをきかせ、行商人と二人組の冒険者に言い聞かせた。

 マリに笑いながら睨まれた行商人と二人組の冒険者は、その迫力に思わずたじろく。

 マリの迫力にやられた行商人と二人組の冒険者は言い争いをやめ、その場を去って行った。


「とりあえずは一件落着、で良いのかな?」


「す、凄いなマリ。一瞬で言い争いを終わらせるなんて」


「ありがとうございます、おかげで助かりました。

 ワタクシ達だけではどうしようもありませんでした」


「とはいっても今みたいに言い争いが起こっとるみたいやから、キリはないけどそのまま放置って訳にはいかへんな」


「そんなに起こってるのか?」


 ニヤトの口から今のような言い争いがルテラ砦内のあちこちで起きていると聞いたレイアは、自分が思っていたよりも現状が悪いのではないかと思った。

 盗賊脱走事件がそこまで人間関係をこじれさせるとは思わず、完全に油断していたようだ。


 それだけ人間関係がこじれた状態で大丈夫なのかと不安になり、表情を暗くする。

 そんな様子のレイアを見ていたニヤトは、笑いながらこういった。


「まぁそないに気に病む必要あらへん。

幸いといってええのか分かれへんけど、暴力沙汰に発展してへんのや。

ワイらみたいに余裕のある奴がなだめて行ったら心配あれへん」


「そうか? でもかなりギスギスしてるんだろう?」


「大丈夫です。この護衛依頼(クエスト)に参加した冒険者は実力者揃い、キャラバンに属する商人の方々は本来冷静沈着な方々ばかり。

 一度落ち着いてしまえば皆冷静になり、諍いはなくなるでしょう。

 それまではワタクシ達が諍いを収めます」


「二人だけで今みたいな言い争いを止めるの?

 それなら私達も手伝った方が効率が良いと思うけど……」


 これからもルテラ砦内で起きる諍いを止めて回るつもりでいるニヤトとサブリナの反応を見たマリは、精神面で着かれている様子が見て取れた。

 そのため自分達も手伝う事ができれば言い争いを減らす事が出来るし、二人の負担も減ると考えたのだ。


「お気遣い感謝します。

 ですが、今回は丁重にお断りさせて下さい」


「どうして? もしかして迷惑だった??」


 自分の申し出をサブリナが断ったため、もしや迷惑だったのではと思ったマリ。

 それに対しサブリナはマリの申し出を断った理由を述べる。


「そんな事はございません、むしろ、大変喜ばしい申し出でございました。

 しかし、現在のマリ様も精神面で余裕はない筈です。

 そのような状態で諍いを止めて回っていれば、やがてマリ様自身も限界を迎えてしまうかもしれません」


 マリが攻撃系の法術が使えない事に対し、気に病んでいる事を知っていたサブリナは、ここでマリを精神的に疲弊させるのは良くない事だと自分なりに考えていたようだ。

 そのためマリの提案をあえて断ったのだ。


「マリ様、貴女様が抱える事情の一部はキールさんからお聞きしました。

 今のマリ様の心情であらば、今のご自身のペースで進むべきでしょう」


「今の私のペース?」


「はい、人は成長し続けて行くにつれ、いずれ障害に突き当たります。

 一般であればその障害を認識し、どのように理解し越えていくべきか考える事が出来る状態です。

 しかしマリ様の場合は突然目に見えない大きな障害が出現したような状態です、その結果理解するどころか認識する事が出来ないため、立ち往生している状態なのです。

 ですが焦る必要はありません、それは成長に必須な障害、見失う事はないでしょう」


「でも、見失わなかったとしてもなんとかしないと成長できないんでしょ?

 それなら早めになんとかした方が良いんじゃないかしら……」


 焦る必要はないと言われても、今後の事を考えていればやはり攻撃系の法術は使えるようになっておく必要張るのではないかと思うマリ。

 顔を俯かせながら落ち込むマリに対し、サブリナは更に言葉を紡ぐ。


「マリ様、少なくとも今回の護衛依頼の間に貴女様自身が抱える障害を乗り越える必要はないのです。

 ですが、その障害を乗り越えなければいけないのもまた事実、時がいずれその時が訪れます。

 乗り越えねばならない時は、必然的に訪れるのです」


「じゃあその時が来れば、マリは乗りこえられるって事なのか?」


 サブリナの話を聞いていたレイアは、障害を乗り越える時が来ればマリは乗り越えられるのかと質問した。

 レイアの質問に対し、サブリナはこう答えた。


「乗り越えられるかどうかは、マリ様次第です。

 ですがその時は必ず訪れます、それまでマリ様自身が今出来る事を為すべきでしょう」


「今の私に出来る事?」


「それではワタクシはそろそろ行きます。

 貴女様に二十四の(ことわり)の導きがあらん事を」


 そこまで言うとサブリナはそのまま別の場所へと移動していった。

 サブリナを見送った後、それまで黙り込んでいたニヤトがマリに声を掛けた。


「なんかややこしい話やったけど、まぁ焦る必要もなければ無理をする必要もないって事やな。

ほならワイはタメゴローを迎えに行ってくるわ」


「そういえば見かけてなかったな。

 ダレかにあずけてるのか?」


「それがルテラ砦におる動物好きのおっちゃん達に目ぇ付けられて、めっちゃかまい倒されとんねん。

 ここには馬と鶏以外動物がおらんから、今頃モフられまくってぐったりしてると思うから回収せんとあかんのや」


「それはそれで不便だな」


 そう言いながら長らくルテラ砦にいる動物好きの兵士に預けたままのタメゴローの様子を思い浮かべながら、困った様子で笑った。

 ニヤトから現在のタメゴローの様子を聞かされたレイアは、タメゴローの事を不憫に思った。


 女性陣に撫で回されているのならまだ納得出来るのだが、実際に撫で回しているのは屈強な男達だ。

 いくら人慣れしているとはいえ、これはタメゴローでも中々くる物があるだろう。


「ほなボチボチ行くわ、また後でな」


「あぁ、また昼メシの時にな」


 ニヤトは話を切り上げ、ルテラ砦の兵士達の元にいるタメゴローを迎えに行った。

 再びレイアと二人だけになったマリは、サブリナに言われた事を思い返した。


(今の私に出来る事か。

出来る事なんてたかがしれているけど、何もしないでいるよりも何かをしていた方が良いのかも)


「さて、ちょっと足止めされたけど予定通りキールの所に向かおう」


「そうね、そうしましょう」


 一先ずはサブリナに言われた通り、乗り越えなければいけない時が来るその時まで今の自分が出来る事を為す事で納得した。

 そう考えながらマリはレイアと共に、マリが感じていた殺意についてキールに報告へ向かった。

 ご覧いただきありがとうございます。

 もしよろしければコメント、いいねお気軽にいただけたら幸いです。

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