事件が終わったその後に
一応これで一区切りというところです。
是非楽しんでもらえたらなと思っております。
町に大量の魔物が押し寄せ、その迎撃に成功したその日の夜。
町の広場で宴が開かれていた。そして、私はその場でーー
「「「ありがとうございます!炎神の化身様!!」」」
謎の勘違いから、崇められていたーー
ホワイ?何がどうなってこうなった?ナニモワカラナイヨ?
……いや、感謝されるのは分からなくもない。
どうやら私が、迎撃戦に出ていてほとんどの魔物たちを倒している様子を何人かの人達が見ていて、それがあっという間に広がったのだろう。けど、なんでそれが今のこの状況に繋がるの?
炎神の加護は持っているけど、化身とやらになった覚えはない。
だが、訂正するのも少し無理な気がする。正確には、手遅れが正しいか。てゆーか、止めてください。5歳の幼女を崇めないでください。
「よう、嬢ちゃん。一躍有名人だな?」
軽く現実逃避していると、ドルガさんが不意に声をかけてきた。
「何故なのか、あまり嬉しくないです」
「あー、まぁ、確かにちと奇妙な光景かもしれんが」
幼女を崇めるの光景は、とても変だと思います。
「というか、町の人達は私の正体に気付いてないんですか?」
「ああ、異界人のことを知ってるのは王族貴族とギルドのトップ連中、後は俺みたいな極一部の高ランク冒険者ぐらいだな。一般人にとっては黒目黒髪は才能溢れる縁起のいい特徴程度の認識だ」
あ、と言うことは結構な方がこの世界に来たんですね?どんな活躍をしていったのか、少し気になります。それはさておきーー
「え?じゃあなんでこんな騒ぎに?」
「いや、小さな女の子が3桁越える魔物を炎で一方的に倒してたらなぁ」
「……そうですか」
「ま、嬢ちゃんはこの町を守ってくれた主役だ。たらふく旨いもん食ってたらいいさ」
「……そうですね。じゃあとりあえずご飯食べに行ってきまーす!」
「おう、行ってこい」
お腹一杯になるまで食べるぞーー!
「ファッ、アァ~」
そして、満腹になると流石に眠くなってきた。
今日は、今までで一番炎を出したからか、肉体的な疲労よりも精神的な疲労が強い。やる気的な物がでないというか。
まぁ、今日はもう寝よう。一応、ドルガさんに言っておこう。
「すいません。今日は疲れたのでもう寝ます」
「ん?ああ、今日は助かった。ゆっくり休んでくれ」
そして私は屋敷に戻り、自分の寝室(客室)に向かう。
ベッドに潜り込み目を閉じながら、明日以降は町の人達はどう接してくるんだろうと、そんなことを思いながら。