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幼女は盛大にやらかす

 この町に来て2週間が過ぎた。

 スキル検証で分かったのはやっぱチートだったということだ。


 まず、炎はどこからでも……自分から離れた場所でも発生させられるということ。爆発も起こせるということ。質量や物理的な特性も付与できる上に、温度までもが人肌程度まで落とせるようだ。もちろん形状や範囲、威力なども変幻自在だ。


 攻めて良し守って良し、更には拘束して敵を無力化することもできる……やれること多すぎない?

 そして今日思い付いたことをやってみたいと思う。


 簡単に言うと、炎を噴射したり爆発させたりして高速移動や空中機動、姿勢制御なんかに挑戦してみようということだ。


 え?刀はどうしたって?一回出してみたけど体が小さすぎてまともに扱えなさそうだから、もっと大きくなってからだね。


 さて、早速やってみよう!えーっと、足の裏……じゃなくて靴の裏から噴射する感じで……はっ!

 ボンッ!という音が聞こえたと思ったら思ってた以上のスピードで飛んだ。そして姿勢が崩れてそのまま屋敷に突っ込んだ。


「うぉぉうっ……。いったぁ……」


 がらがら音をたてながらのそのそとなんとか這い出た。

 振り返るとなかなかな壊れっぷりの見るも無残な屋敷があった。


「やばっ。めっちゃやらかした……。誰も巻き込まれて無いといいんだけど」


 さすがにこれだけ派手にやらかしたので、すぐに屋敷の人達やドルガさんが駆けつけてきた。


「おい、嬢ちゃん!大丈夫か!?」

「えっと、わたしは割と大丈夫ですけど……屋敷の方が……。ごめんなさい」

「はぁ……。とりあえず何があったか聞くぞ」

「えーっと……、スキルの検証というか実験をしていて失敗しちゃって……こうなってしまったというか……。ごめんなさい!!」


 目を逸らしながら言い訳してみたけど、やらかした規模が規模なのですぐに土下座して謝った。

 うーん、居候の身としては肩身が狭くなるなぁ……。どうしよ。さすがに追い出されるかなぁ……。はぁ……。

 恐る恐るドルガさん達の顔を見てみると……。


「やらかしちまったもんは仕方ねぇ……。が、もうこんなことはやるなよ」

「はい……。本当に申し訳ございません……」

「もしやるなら、今度からは兵士用の訓練場でやってくれ」

「はい……」

「しっかし、なんで嬢ちゃん怪我の1つもしてねぇんだ?」

「それはステータスが高かったからとしか言いようがないのですが……」

「まぁいい。怪我はないことは良いことだ。ただ、今後は屋敷壊さないでくれよ」

「それについては、本当にすいません」

「とりあえず、風呂に入って着替えてきな。後の事はこっちでやるから」

「はい、分かりました……」

 そうしてわたしは、すごすごとお風呂場に向かった。


「あぁ~、やらかしたぁ」

 脱衣場で、そう呟きながらお風呂に入る準備をする。

するすると服を脱ぎ、かごに入れる。

「……やっぱ、幼女なんだなぁ……」


 なんとなく、自分の体を見てそう呟いた。

「少しは慣れたけど、違和感が拭えないなぁ……」


 男と女の身体では、勝手がまるで違ってくる上に身長・体重もかなり違う。これから色々慣れないといけないんだよぁ。

 ちなみに見た目は、黒目黒髪で長髪、顔は活発そうな結構可愛らしい方だとは思う。ナルシストなんかでは断じて無い。あくまでも第三者の視点で見た感想だ。……話が逸れた。というか誰に言い訳してるんだわたしは。


 一番戸惑ったのは、初めてこの身体でトイレにいった時は、本当に勝手が違ってかなり戸惑った。

 ……というかトイレもお風呂も元の世界、つまり地球にいた頃とあまり差がないだよなぁ。どう考えても既に現代知識をフル活用した後なんだろうなぁ。まぁ、私はそこまで色々知ってるわけではないんだけど。


 そもそも小説に出てくる奴らが色々知識ありすぎな気がするのは私だけなのだろうか?


 そんなことを考えつつも、お風呂に入る。身体を洗い、お湯に浸かる。

「それにしても、流石は領主のお風呂場だよね。すごく広い。」


 そんな感想を言いながら、今後のことを考える。


「もう少し、自重しないとなぁ。あー、どんな目で見られるだろ……」

何せ、見た目幼女が、いきなり屋敷の一部に突っ込んで壊したのだ。

しかも、本人は何故か擦り傷の1つもしていないという。

「本当にこれからは色々と気を付けないとなぁ」


 この騒動(という名のやらかし)が広まった時の周りの目が気になって仕方がないと、そんなことを思いながら。

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