表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

前世・悪役令嬢モノ

留置所のあなたは悪役令嬢

作者: 佐田くじら


「お嬢ちゃん。君はどこから来たのかな?」


「わたくしはお嬢ちゃんではありませんわ!」


「うん、そーかそーか」


突然だが初めまして。

俺は今、俺の職場である留置所につれてこられたガキに質問をしている。

だが端から見れば、幼女をナンパするロリコン変質者か何かに見えるかもしれないが……。


って、誰がロリコンだ。


「じゃあチビちゃん。おとうさんとおかあさんはどうしたのかな?」

「チビじゃあありませんわ!」


うーん、参ったな。

見た目十代のガキは、二十代の俺にとって反抗的で実に扱い難い。


「何で君は八百屋さんのりんごを勝手に食べたのかな?」

「知りませんわ!」


グギュルギュルー。


部屋に、何かの鳴き声のような音が轟いた。

でかい虫でもいたようだ。


俺は思わず溜め息をついた。


「家出でもしたのかな?帰れば良いじゃないか」

「……わたくしに帰る家なんてないもの」


ガキは寂しそうに答えた。


「殿下だってあの女が良いって言うし……お父様はわたくしなんか勘当だって言うし……ッ!」


なんてことだ。

思っていたよりずっと面倒そうな話だった。


「国外追放だって言われて、よく分からない汚い街に放り出されたのよ。あのお店は、たくさん食べ物があったのだし、少しくらい良いじゃないッ!!」


「じゃあ、名字は言えるかな?」


「家名なんて剥奪されたましたわ」


怪しいことこの上ねぇな。


はぁ、俺は街の八百屋に通報されて留置所までしょっぴいてきただけなんだが。

何でこんなことになったのか。


まあ良いや。取り調べは俺の仕事じゃねぇし。

明日、引き渡す警官がたっぷり尋問することだろう。




……それにしても、このガキは本当にどこのどいつなんだろうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ