表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/25

暗黒龍との出会い



暗黒龍(ダークネスドラゴン)の根城】地下??F


「ぐ…うぅ…」


また戻って来てしまったようだ。

相変わらずの全身の激痛と真っ暗闇の何も見えないこの世界。

さっきのはやはり夢だったのだろうか?

気絶する前と大して状況が好転しているわけでも身体が回復しているわけでも無い。

むしろ悪化しているようにすら思える。


というのも、神経が過敏になっているためなのか、俺の近くに何かがいるように感じるのだ。

何かの気配とでも言えば良いだろうか?

こんな感覚は今までなかった事であったが、人間死に瀕しているとこういった感覚が花開くのだろうか?

気配と同時に爬虫類特有の生臭い匂いも感じ取れるのだ。


「だ…れか…いるの…か……?」


『ほぅ…まだ生きておったか。人間の様だが血の匂いが甚だしい…やはり死にかけか』


「お前は…」


『これから死にゆく者に名を教えた所で何になる?まぁそうさな…お前達人間から言わせれば暗黒龍(ダークネスドラゴン)と言えば通じるか?』


「っ!?…ぐぁっ…ははっ…何だ…やっぱり…喰いに来たってことかよ…」


『喰う?お前ら人間をか?喰ったところで腹の足しにもならんわ。そもそも我は食事を必要とせぬからな』


「なん…だ…と…!?じゃ、じゃあ、今までここに落とされてた人間は…?」


『む?あぁ…そういえば何十年かに一度、生き絶えた人間が放り込まれて来ていたのぅ。他の魔物に喰われて骨すら残ってはおらんがな』


なんて事だ…

暗黒龍の言うことが事実なら、俺を含めた今までの生贄に捧げられていた人達はみんな…


『まぁ無駄死にだのぅ』


「っ!!」


聞きたく無かった現実を暗黒龍が言い放つ。

だがそれは紛れも無い事実となって俺に襲いかかる。


「く…そ……」


骨折り損のくたびれ儲けとは正にこの事だ。

言葉通りに俺の全身は骨折しており所々で出血している有様だ。

あまつさえ目隠し、全身を袋で包まれている状態だ。

俺が悔しさを滲み出しているのを見ている暗黒龍は、何を思ったのかこう口にした。



『小僧よ、お主に生きる気力はあるか?またはその状態から生き長らえる術はあるか?』


生きる気力?


生き長らえる術?


生きる気力と言うよりも街の連中に復讐したいって気持ちはあるな。

この復讐心が生きる原動力とするならそれは質問の答えにもなるだろう。

生き長らえる術にも一応の心当たりはある。

まだ確認出来てはいないが、俺には更新されたスキルがある。


【スキル創造】


これさえあればなんでも出来るはずなのだ。


よって俺が答えたのこうだ。


「ある」


『ほぅ…?その身体で生き残る術もあると申すか…くくっ…面白い…』


まぁ人間なんてドラゴン達から見たら取るに足らない矮小な存在なんだろうが、こちとらそれでも懸命に生きようとする種族だからな。

一人一人思惑なんて違うのが当たり前の存在だ。

俺みたいなのがいてもおかしくは無いはずだ。

だが暗黒龍は俺を面白いと言う。


「どういうことだ…?」


『動機は何であれお主は我に気概を示した。ならば我もそれに応えようということだ』


暗黒龍は言うやいなや、俺を縛りつけていた袋やロープを器用に切り裂き、俺は自由に動ける状態になった。

とは言っても、全身骨折や裂傷、出血などの重体なのは変わらない。


「ぐぁっ!?」


拘束から解放された弾みで骨折している部分に刺激が加わり悶絶する俺。

痛みに耐えながら何とか顔を横に向けるとそこには暗黒龍がギラついた眼で俺を見ていた。


『そこからどう生き長らえるのか、他の魔物には邪魔はさせぬ。我にその術見せてみよ!』


暗黒龍、実はいい奴なんじゃないか?

不遜な態度は取っているが、やった事は俺への手助けだ。


「ありがとう…」


俺がニッと笑いながらお礼を言うと


『別に助けたわけではない。お主がここからどう生き長らえるのか見物したかっただけのことよ』


と言って、恥ずかしそうに俺から視線をズラした。


あぁこれ…

素直じゃないって言うよりも…

アレだ。



ツンデレって奴だ。




面白い、続きが気になる、ブクマしてやんよという心優しい皆様は下から評価などしてみてはいかがでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ