気づいたら神
文章核のへたくそですがどうぞよろしくお願いします。
──異世界に行きてえええぇええええ!!!
それは僕、みちるの心からの願いだった。
別に今学校でいじめられていたりとか、思い病気を患っているとかそういうことはない。
ただ単に小学生くらいの頃から異世界モノにはまってしまい、毎日ネット小説とかを読みふけているだけだ。
チートとかハーレムとか、復讐ものも面白い。
そして、何より面白いのは主人公が自分であるということだ。
全ての物語が自分のために動いている。ストーリが自分を中心にして回っているんだ。
そんなの最高だろ!?現実世界では一歩ミスっただけで全てが終わったりする。
常に予想外のことに備えないと行けないし......。
だからと言って、死ねば必ず転生されるとも限らない。そもそも異世界自体存在しない可能性もあるし、仮に異世界に行けたとしても自分が望むような世界だという保証もない。
だから普通の人は諦めるだろう「こんな夢物語じゃなくてちゃんと現実を生きよう」と。
だけど僕は諦めなかった。
どうにかして異世界に行きたいと願った。
だけど、僕に出来るのは異世界を自分の心の納得するまで想像するだけだった。
だから、沢山異世界についてイメトレした。
なんの意味があるのかわからなかったし、自分何やってるんだろうって思うこともなんどもあった。
だけど僕は毎日、毎日異世界について考えた。
まず、物理法則から考えて色々なルールを想像して細かなところまでちゃんと考えた。
最初は、全くうまく行かなかった。
ちゃんと想像できなかったり、解像度?見たいのがダメダメだったりぼやけたりした。
しかも一つのことを想像するだけのことにたくさんの時間を使った。
例えば、仮に頭の中で立方体を想像してほしい。そしてその立方体を頭の中でゆっくり回せるかい?
多分、普通の人には難しいし、できたとしても結構時間かかると思う。
そう、立方体だけでこんなに時間がかかるんだ。
じゃあ、これが異世界だったら??
途方も無い時間がかかるに決まってる。
だけど僕は毎日イメトレした。
最初は全く進まなかった。
毎日やっていたが、昨日の想像したイメージを忘れてしまったりすることもしばしば......。
だけど、やればやるほどくっきりと想像できるようになり、記憶力も上がって一度イメージしたものは絶対忘れないようになった。
そこで僕は、沢山のものを作ってみた。
地面、太陽、海、自分の家とかお城とか……。
本当に沢山のものを作った。
そうして作れば作るほど記憶力が上がっていき、上がった記憶力を生かしてもっともっと世界を広げていく。
そして、気づいたらそこには途方も無い空間が広がっていた。
数々の植物、広大な海、真っ赤な太陽。
この想像の世界を見て確かにすごいと思った。
人間、やればここまでできるんだなとも思った。
だけど、何か足りないような気がした。
異世界のイメトレのおかげか限りなくリアルに近い異世界を想像することができたがなんか、こう違うような......。
ここで僕は、自分のイメトレの世界に足りないものに気がついた。
──そうか!自分以外の時間が止まってるんだ!
そうと分かれば話は早い。
イメトレ修行の再開だ。今度は時間という概念も頭に入れてやってみる......のだが、これは相当厄介だった。
なにせ周りの時間を全て自分を全ていっぺんに動かさないと行けない。そして物理法則やルールなどもその都度条件などが変わってくるがそれを理解しないと行けないのだ。
これには相当苦労させらた。というか無理だった。少しの時間ならできないこともないが、そのことを考えるだけで脳のキャパシティーが使われて、頭がふらふらになる。
だから僕は、自分で時間を動かすのを放棄した。
もっと詳しくいうならば、自分で”理解”するのを放棄したというのだ。
もっともっと詳しくいうと、超小型の完全自立思考アンドロイドを作ってそいつに理解してもらうことにした。
そうするとアンドロイドが、時間を進めるにあたって必要な負荷を全て負担し、そのアンドロイドを理解することによって、すごく負担が減る。
そのことに気づいた僕は、座標認識させるためのアンドロイドと、時間という概念を均一に流せるアンドロイドを作った。
そして、その二つを統括するアンドロイドを作ってみた。
これはすごく効果があった。
なんていうか、今まで僕がちっぽけな脳を振り絞って毎日毎時間毎分考えたりしないでも、一つのアンドロイドを創り出すだけで全ての情報を意識する必要もなく忘れる心配もない。
なんつーかこれまじでチートじゃね?
これってただの僕の想像だよな?ただリアルな僕の想像だよな?
なんだか本当に異世界っぽくなっているような気がするんだけど。
僕は少し含み笑いを浮かべながら意識を集中させて想像した世界に立ってみる。
そこには太陽が爛々と輝き、空には真夏のような積乱雲が立ち込めていた。
少し歩いてみると乾いた地面がカサッカサッっと音を立てて地面が少し潰れた。
今までは作り物の世界だったのに時間を作ってからなんか本物っぽく見えるような気がする。
少し歩くと、大きな湖が見えた。
──その湖を覗くと波に揺られながら、しかしはっきりと僕の顔が映っていた。
よければ、評価、ブックマークお願いします