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第49話 ホワイトデー

挿絵(By みてみん)


 この物語は、足立未来高等学校に通う、栗原(くりはら)五反野(ごたんの)牛田(うしだ)(がけ)関屋(せきや)の五人が繰り広げる、ほのぼの日常系・学園モノ小説である。(栗原シホ)


 今日もいつも通りに教室に入ると、五反野さんが待っていた。

「おはよう栗原」

と五反野さん。

「おはよう五反野さん」

と私。

「明日土曜日だろ、オレの家に来てくれないか」

と五反野さん。

「垳さん達も行くの?」

と私。

「モチロンだ。伝えておいてくれ」

と五反野さん。

「わかった」

と私。

「頼むぜ」

と五反野さん。


 早速私は垳さん達にこの事を伝えた。

「なんで行くの?」

と牛田さん。

「多分何かあると思う」

と垳さん。

「当日のお楽しみだね」

と関屋さん。

「明日が楽しみだなぁ」

と私。


 そして土曜日。

私達は五反野さんの家の前に集まった。

「いよいよだね」

と私。

「早く入ろうよ」

と牛田さん。

私はチャイムを鳴らした。

「お、来たな」

と五反野さんが出てきた。

「今日はまたどうして私達を集めたの?」

と私。

「まぁ、中に入りな」

と五反野さん。


 …五反野さんの家の中。

「これを見な」

と五反野さん。

「あ」

私達が見たのは箱だった。

「この中には何が入っているの?」

と垳さんが聞く。

「気になるか、じゃあ開けるぜ」

と五反野さん。


挿絵(By みてみん)


箱のふたを開けると…

「あ、チョコ」

と私。

「オレの手作りだ」

と五反野さん。

「そうかぁ、バレンタインのお返しか」

と牛田さん。

「結構たくさんつくったね」

と関屋さん。

「まぁね、全員分用意しなきゃいけなかったからな」

と五反野さん。

「大変だったね」

と私。

「まぁな、でも自分でつくっていて楽しかったぜ」

と五反野さん。

「ホワイトチョコにミルクチョコにビターチョコまであるよ」

と牛田さん。

「手作り感あるね」

と垳さん。

「みんなで食べるんでしょ」

と関屋さん。

「モチロンだぜ」

と五反野さん。

「ではいただきますか」

と私。

「オレの手作りチョコを召し上がれ」

と五反野さん。

「いただきます」

と私達。


 …食べ終わった頃。

「どうだ?おいしかっただろ」

と五反野さん。

「えぇ」

と私。

「気合の入れ方が違うね」

と垳さん。

「これがレズパワーか!」

と牛田さん。

「それを言うなら百合パワーですよ」

と垳さん。

「え?そうなの」

と牛田さん。

「軽いレズはイコール百合ですよ」

と垳さん。

「そーなんだ。百合かぁ」

と牛田さん。

「それぐらいわかっていると思った」

と関屋さん。

「ボケかもすのもそのへんにして、そろそろ次行こうか」

と五反野さん。

「次って?」

と私は五反野さんに聞いた。


挿絵(By みてみん)


「ありがとな、栗原」

と五反野さんは突然私にキスをした。

「!?」

突然の出来事に私は動けなかった。

「え…」

さすがの牛田さんも何もしゃべらなくなってしまった。


 …そしてその後。

「今まで一番お世話になった栗原に感謝のしるしだぜ」

と五反野さん。

「突然すぎでビックリだよ」

と私。

「五反野さんマジ男前」

と牛田さん。

「昔はこんなんじゃなかった」

と垳さん。

「良いじゃないか、こういうのも」

と関屋さん。

「まさか本当に百合ホワイトデーになろうとは」

と垳さん。

「オレ達はいつまでも5人だ」

と五反野さん。

「それは高校卒業後でも?」

と垳さん。

「モチロンだぜ」

と五反野さん。

「そうね、いつまでも仲良しグループであり続けよう」

と私。

「そうね」

と関屋さん。

「こうして考えると、1年前はまだ新生活になれていなかった時期だったね」

と牛田さん。

「ウチも栗原さん達との時間が増えるっていう事だけで喜んでいたよ」

と垳さん。

「オレもいよいよ高校か…って思っていたなぁ」

と五反野さん。

「私はなるようになったってカンジ?」

と私。

「だろうな」

と五反野さん。

「あ、じゃあそろそろ家帰ろうかな」

と私。

「おぉ、もうそんな時間か。じゃあな」

と五反野さん。

「じゃあまた月曜ね」

と私。

そして私達は五反野さんの家を後にするのだった。

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