第45話 バレンタインデー
この物語は、足立未来高等学校に通う、栗原、五反野、牛田、垳、関屋の五人が繰り広げる、ほのぼの日常系・学園モノ小説である。(栗原シホ)
オレは追試の勉強中だ。(五反野アキ子)
私はいつも通り、学校を下校し、家に帰る時…
垳さんと牛田さんと関屋さんがついてきた。
「どうしたのみんな?」
と私が尋ねる。
「明日、みんなで栗原さんの家に行こうかなって思って」
と垳さん。
「ほら、明後日バレンタインだし」
と牛田さん。
「材料も用意したから、明日バレンタインチョコ作ろうと思うの」
と関屋さん。
「でも、あげる相手なんていないよ」
と私が言うと…
「その点については大丈夫」
と垳さん。
「じゃあ明日ね」
と牛田さん。
「え…大丈夫って?」
私は疑問に思った。
翌日、放課後。
「じゃあ、みんなで一緒に栗原さんの家に行こう」
と牛田さん。
「結局、作るんだね。誰用?」
と私。
「向うで説明する」
と垳さん。
「じゃあ行こう」
と関屋さん。
…そして、家に着いた。
「結局バレンタインチョコは誰用なの?」
私が聞く。
「今、一生懸命勉強している五反野さん用よ」
と垳さん。
「もうすぐ追試験だからね」
と牛田さん。
「応援チョコっていう意味合いも込めてね」
と関屋さん。
「なるほど、それ良いね」
と私。
…そして制作が始まった。
「五反野さんは苦いチョコは嫌いだから、甘いミルクチョコとホワイトチョコを使うよ」
と垳さん。
「なるほどなるほど」
と牛田さんと関屋さん。
「型を用意するね」
と私は道具の中から型をいくつか持ってきた。
「丸、四角、三角、ハート型…色々あるね」
と牛田さん。
「牛田さんどうする?」
と関屋さん。
「いや全部使うでしょ」
と私。
「そうね、沢山作りましょ」
と垳さん。
「わかった」
と私。
…そして冷蔵庫に入れて冷やす。
「五反野さん、喜んでくれるといいね」
と私。
「そうだね」
と垳さん。
…冷蔵庫から取り出す。
「うん、いい出来だ。じゃあ栗原さんの家で保管してもらって、明日五反野さんを栗原さんの家に呼べばいいよね」
と垳さん。
「そうだね」
と私。
「いよいよ明日はバレンタインデーだね」
と牛田さん。
「じゃあ明日ね」
と関屋さん。
「五反野さんにはウチから言うから」
と垳さん。
「わかった」
と私。
…バレンタインデー
私の家にまず牛田さんと関屋さんが来た。
「いよいよだね」
と牛田さん。
「そうだね」
と私。
「チョコ大丈夫?」
と関屋さん。
「大丈夫だよ、ほら」
と私はチョコを取り出す。
「本当だ」
と牛田さん達が確認する。
その時、五反野さんと垳さんが家の前に着いた。
…五反野さん達が中に入る。
「栗原、みんな、どうして集まってくれたんだ?」
と五反野さんが尋ねる。
「うふふ、よくぞ聞いてくれました」
と垳さん。
「じゃん!」
と私達4人。
「おぉ!チョコだ」
と五反野さん。
「今日はバレンタインデーだから」
と牛田さん。
「みんなでチョコを作りました」
と垳さん。
「五反野さん、追試勉強頑張っているみたいだし」
と関屋さん。
「私達からのプレゼントです」
と私。
「嬉しいぜ…オレはいい友達をもったなぁ」
と五反野さん。
「毎年、バレンタインデーはお互いにお店のチョコを出し合っていたけれど、今回は手作りだよ」
と私。
「毎年、ウチも持って来たよね」
と垳さん。
「そうかぁ、3人はそうやって毎年バレンタインデーを過ごしていたのか」
と牛田さん。
「アタシはあげる相手いなかったからなぁ」
と関屋さん。
「オレ、今度の追試は絶対に合格してみんなと進級するんだ」
と五反野さん。
「じゃあバレンタインチョコを召し上がれ」
と私。
「あぁ、いただきます」
と五反野さん。
…五反野さんが全部食べ終わったあと…
「おいしかったぜ」
と五反野さん。
「良かった」
と私。
「じゃあ次はいよいよ追試験だね」
と垳さん。
「頑張って!」
と関屋さん。
「アタイ信じてるから!」
と牛田さん。
「みんな心配するなって。オレはもう低い点数はとらないぜ」
と五反野さん。
「じゃあ、頑張ってね。来週の追試験」
と私。
「じゃあオレはそろそろ家に帰るわ。今日はありがとな」
と五反野さんは私の家を出た。
「ウチらも帰りますか」
と垳さんが言い、3人共帰った。
私は五反野さんを信じて結果を待つことにしたのであった。




