第43話 期末テスト
この物語は、足立未来高等学校に通う、栗原、五反野、牛田、垳、関屋の五人が繰り広げる、ほのぼの日常系・学園モノ小説である。(栗原シホ)
私は今日もいつも通り、学校に登校した。
教室に入ると五反野さん達が待っていた。
「おはよう、栗原さん」
「おはよう、栗原」
それぞれ五反野さん達が挨拶をした。
「おはよう、みんな」
と私も挨拶を返した。
「昨日のテスト、結果どうだったんだろう?」
と私は昨日の期末テストの事を垳さんに聞いた。
「来週の月曜に貼り出されると思うよ」
と垳さんは答えた。
「アタイちょっと心配かも」
と関屋さんがつぶやいた。
「オレ、少し心配だなぁ」
と五反野さんが言った。
「私は大丈夫かな?」
と私が言うと…
「ウチも大丈夫だと思う」
と垳さんが言った。
「アタイなんてちゃんと対策してテスト受けたんだからね」
と牛田さんが自慢げに言う。
「とにかく来週の月曜日に確かめよう」
と私が言うと…
「そうですね、皆さん今日はこの辺にしましょう」
と垳さんが言ったので私達はそれぞれの席に座った。
そして月曜日。
私が北千住駅の改札を出ると、五反野さん達がいた。
「みんな!」
私はすぐに駆け寄った。
「みんなで確かめようぜ」
とまず五反野さんが言った。
「1人じゃ怖いからね」
次に牛田さんが言った。
「では行きましょう」
と垳さんが言った後、私達は学校に向かった。
学校に着いて。
「ドキドキするよ」
と関屋さんが言う。
「あったあった、ここだね」
と垳さんが貼り出されている所を見つけた。
「ウチは高得点ですね」
垳さんの成績は今回も良いみたいだ。
「アタシも大丈夫だった」
関屋さんはほぼ平均点だった。
「アタイやっぱり数学がギリギリだった」
それ以外は牛田さんの成績に問題ないようだ。
そして私の結果もほぼ平均点で良かった。
「オイオイ、オレどうしたらいいんだよ!?」
と五反野さんが突然慌てた。
「え、あ…」
私達が見ると、『英語 追試』の文字があった。
「あちゃ~、他はなんとか大丈夫だったのにね」
と垳さんが他の教科の点数を見る。
「栗原!オレどうしたら良いんだよ!?」
と五反野さんが聞いてきた。
「私にそんな事聞かれても…」
私は困った。
「とりあえず、今日の放課後、残って考えようよ」
と牛田さんが言った。
そして放課後…
「やっぱりオレダメだな」
と五反野さんは落ち込む。
「そんな事ないよ」
と私がなぐさめる。
「でもこの後どうしましょう」
と垳さんは考え出した。
「そうだなぁ…追試対策をするとしか言いようがないけれど」
と関屋さんが言うと…
「英語だからね、大丈夫なのは垳さんぐらいかな?」
と牛田さんも言った。
「英語ならベルモント先生に頼んでアドバイスもらえば良いじゃない?」
と私が五反野さんに言った。
「そうか、そうだよな」
と五反野さんも理解したようだ。
「大丈夫だよ、なんとかなるって」
と私が言う。
それから私達は北千住駅でそれぞれ別れた。
「五反野さんは英語が苦手だからなぁ、追試合格してもらいたいなぁ。でも出来るかなぁ…」
私は心配でならなかった。
翌日…
「五反野さん…」
私が教室に入ると五反野さんはまた落ち込んでいた。
「家で何かあったみたい」
垳さんが教えてくれた。
「そっとしておいたほうが良いと思う」
牛田さんがそう言って五反野さんから離れる。
「アタシ達どうしたらいいのかな?」
関屋さんがつぶやいた。
「そんな事、私にも分からないよ」
と私は言った。
「アタイ、何とかしたい」
と牛田さんが言った。
「とりあえずみなさん落ち着いて!少し考えましょう」
と垳さんがみんなを落ち着かせるために言った。
「でもこのままほうっておくわけにはいかないよ」
と私は垳さんに言った。
「確かにそうかもしれない。でもウチでも五反野さんに教えるのは困難なのよ」
と垳さんは言った。
「ここはやはりベルモント先生に頼んだほうがいいよね」
と牛田さんが言った。
「五反野さんも一緒に進級しなきゃ意味ないもん」
と関屋さんも言った。
「そうね、早速ベルモント先生に伝えましょう」
と垳さんは言った。
「ちゃんと事情を話せばベルモント先生もわかってくれるはずだよね」
と私は言った。
「でもその前に、五反野さんを元気づけるのが先じゃない」
と垳さんが言った。
「そうだよね、じゃあ五反野さんのところへ行こうか」
と私は言って、五反野さんのところへ行った。
五反野さんはまだ落ち込んでいた。
「まぁまぁ、そこまで落ち込まないでよ」
と私が最初に言った。
「家の事だぜ。お前らには関係ないだろ」
と五反野さんは言った。
「そうかもしれないけれど、アタイは前向きに追試受けてもらいたい」
と牛田さんが言った。
「アタシはダイエット成功したよ。だからきっと五反野さんも追試合格出来るって信じている!」
と関屋さんが過去の成功例をあげた。
「そうかぁ…オレには無理だな」
と五反野さんは再び落ち込む。
「そんな事ないわ!五反野さん、諦めないで!」
と垳さんがはげます。
「私は出来ると思うわ。だって五反野さんだもの。今まで色々な事があったけれども、全部乗り越えてきたじゃない。だからきっと今回も乗り越えられると思う。そしてこれが1学年時最後の試練だと思うわ」
と私は五反野さんに言った。
「そうだよな、オレ頑張って勉強する!そしてみんな一緒に2年生になるんだ!」
と五反野さんは決意を固めた。
「じゃあ私達も手伝える時に手伝うからね」
と私が言うと…
「頼むぜ」
と五反野さんが返した。
こうして私達5人の最後の試練が始まったのであった。




