第36話 五反野ハーレム
この物語は、足立未来高等学校に通う、栗原、五反野、垳の三人が繰り広げる、ほのぼの日常系・学園モノ小説である。(栗原シホ)
牛田は関屋のダイエットを手伝っているぜ。(五反野アキ子)
12月に入り、急に寒くなった。
オレはいつもの通り学校に登校して、教室に入った。
どうやら栗原と垳はまだ来ていないようだ。
オレが1人で座っていると…
「五反野さん、今日は1人なんだね」
と後ろから粕壁が声をかけた。
「あぁ、他の2人がまだ来てないからな」
とオレ。
「こっちも越谷さんと草加さんがまだ来てないから」
と粕壁。
「そうか、友達が居ないと静かになっちまうな」
とオレ。
「そうだね、ちょっとお互いの友達が来るまでお話ししようよ」
と粕壁。
「いいぜ」
とオレ。
「もう今年も残り少ないから何するの?」
と粕壁。
「オレは栗原達と出来る限りの事はするぜ。後、出来れば年内に関屋のダイエット成功してほしい」
とオレ。
「そうだね、関屋さんがスリムになってくれたら丸く収まるのかな」
と粕壁。
「そうなると良いな」
とオレ。
「まぁ、川口らのアレも問題だったけれど、今こうして平和な日々を送れるのはいいと思うよ」
と粕壁。
「そうだよな。平和が一番だな」
とオレ。
「じゃあ、関屋さんがダイエット成功したらその後はどうするのかな?」
と粕壁。
「…う……どうするのか……後は将来かな?」
とオレ。
「ま…まだ深く考える事じゃないよね」
と粕壁。
「そうだよな」
とオレ。
「まぁ、五反野さんでも難しい事だよね」
と粕壁。
「そうだな、話を変えようぜ」
とオレ。
「そうだね、もうすっかりクリスマスシーズンだよね」
と粕壁。
「そうだな、クリスマスシーズンはイルミネーションがキレイらしいな」
とオレ。
「恋人といる時の雪って、特別な気分に浸れるんでしょうね」
と粕壁。
「オレら5人は彼氏いないからな…」
とオレ。
「同じくこっちの3人も」
と粕壁。
「そうか」
とオレ。
「でも五反野さん。彼女はいるでしょ」
と粕壁。
「ちょ!オレにそんな趣味ないぜ!」
とオレ。
「え?友達を通り越して恋人関係でしょ」
と粕壁。
「違うから!第一誰の事言っているんだ?」
とオレ。
「そりゃあ、栗原さん・牛田さん・垳さん・関屋さんの4人だよね」
と粕壁。
「オイオイ!四股かよ」
とオレ。
「どの奥さんが五反野さんにお似合いかな?」
と粕壁。
「百合夫婦はごめんだぜ!」
とオレ。
「あら、良いじゃない」
と栗原が後ろから声をかけた。
「栗原!」
オレは驚いた。
「末永く幸せになろうね、五反野さん」
と栗原。
「ちょちょちょ!待てって、栗原どうしたんだよ急に!」
とオレ。
すると後に垳も居た。
「垳!栗原と粕壁を何とかしてくれよ」
とオレ。
「ウチ、良い奥さんになれるように努力するから心配しないでね。未来のウチの旦那さん」
と垳。
「オイオイ!垳までどうしたんだよ。らしくないぞ!」
とオレ。
「ほらほら、いつの間にやら『五反野ハーレム』が出来上がっているぞ」
と粕壁。
「うわぁ!もうやめてくれ」
とオレ。
…牛田の悪い影響を受けたのか、栗原と垳。
と思った。
「そして昼ドラさながら、ドロドロな関係になるフラグかな?」
と粕壁。
「違うからな!」
とオレ。
「皆で結婚しちゃえば問題ないよ!」
と栗原。
「栗原さんの言う通り。5人の結婚生活が待ち遠しいなぁ」
と垳。
「オイオイおかしいぞ!」
とオレ。
「あ、丁度良い所に越谷さんと草加さん」
と粕壁。
「さっきから聞いてましたよ。『五反野ハーレム』ですって」
と越谷。
「お幸せに」
と草加。
「お前らまで!」
とオレ。
「そっちが『五反野ハーレム』ならこっちは『粕壁ハーレム』だぞ!」
と粕壁。
「えぇ!」
と草加。
「聞いてないよ…こっちも百合夫婦なんて」
と越谷。
「良いじゃないか」
と粕壁。
「良くないです」
と越谷と草加。
「オレも困るぜ」
とオレ。
「良いじゃない、百合百合していけば」
と栗原。
「百合こそ最高」
と垳。
…駄目だこいつら…早く何とかしないと…
とオレは思った。
…放課後。
「オイオイ、百合とかレズとかはなぁ、本気で女の子の事しか愛せない女の子の事なんだぜ」
とオレ。
「わかっているよ」
と栗原。
「大好きだよ、五反野さん」
と垳。
「牛田みたいな路線はやめてくれ!」
とオレ。
「私も大好きだよ、五反野さん」
と栗原。
「そのうち五反野さんも百合の良さがわかるよ」
と垳。
「うぇぇ…」
オレは戸惑った。
…と思ったのだが。
「なんちゃって!ウソでーす」
と栗原と垳。
「え?」
とオレ。
「本気だと思った?」
と栗原。
「ちょっと五反野さんをからかっただけだよ」
と垳。
「良かった、2人とも変な路線突き進まなくて」
とオレ。
オレはほっとしたのであった。




