第31話 学校のイメージ
この物語は、足立未来高等学校に通う、栗原、五反野、垳の三人が繰り広げる、ほのぼの日常系・学園モノ小説である。(栗原シホ)
牛田は関屋のダイエットを手伝っているぜ。(五反野アキ子)
私がいつものように教室に入ると、五反野さんと垳さんがやって来た。
「おはよう栗原!」
「おはようございます。栗原さん」
「おはようございます。五反野さん、垳さん」
それぞれお互いに挨拶した後、私は言った。
「何か用事?」
すると、五反野さんと垳さんはこう答えた。
「別のクラスの東十条と志茂って男子に」
「呼ばれたんです」
私は二人に聞いた。
「その二人に呼ばれたのはなぜ?」
すると五反野さんが答えた。
「オレにも分からん。とにかく来てとしか言っていなかったぜ」
「とにかく行ってみましょう」
と垳さん。
「ちょっと心配だな…」
と私。
東十条君と志茂君のいる教室へ向かう。
教室に入ると…
「待っていたよ!栗原さん、五反野さん、垳さん!」
「さぁさ!来て来て!」
と東十条君と志茂君が誘導する。
二人の後を着いていくとそこは東十条君と志茂君の席だった。
「まずボクのスマホを見てください」
と志茂君。
「これは…オレらの学校のホームページじゃないか」
と五反野さん。
「そう!その通り。問題はここから」
と東十条君。
「この日に関屋さんが学校飛び出したんだよね?」
と志茂君。
「ええ、間違いないわ」
と垳さん。
「見ろ、この日以降の更新履歴を。川口らを始めとするトラブルに関して一切書かれていない。モチロンこの日以前もだ」
と東十条君。
「どういう事?」
と私が聞いた。
「つまり今回の騒動は外部の人に漏えいしていないのだ」
と志茂君。
「つまり学校のイメージは保たれたのだ!」
と東十条君。
「ええっと…良いのか悪いのか、よく分からないなぁ」
と垳さん。
「良いことだよ!学校のイメージダウンになったら外部からボクらの高校に入る人が居なくなるだろ?」
と志茂君。
「ただでさえ少子高齢化の時代なのにね」
と東十条君。
「学校のイメージダウンと関屋・川口の問題、どっちが大事だよ」
と五反野さん。
「そりゃモチロン学校と生徒、両方さ」
と志茂君。
「そうなの?」
と私。
「関屋さんと川口の騒動のダメージをここまで最小限に出来たのは関屋さんの友達である君達のおかげだよ」
と東十条君。
「え…」
私達は返す言葉が無くなった。
「君達には感謝しているよ。君達がいなかったら関屋さんはあのまま自殺していたよ」
と志茂君。
「危うくボクらの学園から死亡者が出るところだったよ。本当にありがとう」
と東十条君。
「ほらみんなもその事で感謝しているって」
と志茂君。
見ると周りに生徒が何人か集まっていた。
「紹介するよクラス委員の王子さん、赤羽さん、上中里、神谷、田端さんだよ」
と東十条君。
「私達もあの3人組は問題視していたので、今回の騒動で本人達に気付かせる事が出来ました。本当にありがとうございました。」
と王子さん。
「えぇーと…これは?」
と垳さん。
「素直に喜べよ。他のクラスメイトも呼ぼうか?」
と志茂君。
「いやいや結構だぜ」
と五反野さん。
「私達牛田さんと関屋さんの様子を見なきゃイケナイから、これで失礼しますね」
と私が言って、教室を後にした。
私達3人は教室を後にした。
「確かに最小限に抑える事が出来たのは栗原のおかげだぜ」
と五反野さん。
「でも最終的には中川先生の助けがあったから、丸く収まったんだよね」
と垳さん。
「そうそう、私一人じゃ出来ない事なのにね」
と私。
「関屋、本気で自殺しようとしていたのかな?」
と五反野さん。
「確かに、私が来た時にはもう歩道橋の上だったもん」
と私。
「栗原さんを見て安心したのかな?」
と垳さん。
「私達が来ることを祈っていたんじゃない?」
と私。
「そうかもしれないな」
と五反野さん。
「あ!もうB組着いた」
と私。
…今は牛田さんと関屋さんに声をかけるのはよそう。
二人とも関屋さんのダイエットのために話し合っているんだもん。
おそらく五反野さんと垳さんもそう思っているんだろう。
放課後。
「そういえば最初は3人で学校生活が始まったんだよね」
と私。
「そうだな、あの頃は右も左もわからん状態だったもんな」
と五反野さん。
「そして結局部活は未所属になっちゃったね」
と垳さん。
「そして関屋さんとの突然の出会い」
と私。
「牛田さんを説得、和解して友達になった」
と垳さん。
「スカイツリー行ったり、池袋行ったり、由比ヶ浜行ったり、あちこち一緒に出かけたな」
と五反野さん。
「そして今回の騒動、解決、関屋さんがダイエットに挑戦」
と私。
「思えばいろいろありましたね」
と垳さん。
「でも、関屋ならゼッタイダイエット成功すると思うぜ」
と五反野さん。
「そうなる事を祈りましょう」
と私。
その夜。
ふとカレンダーを見た。
<10月31日(金)>
(そうだ、明日から11月だ)
そうでしたね。
私はやる事やった後に寝た。
翌日。
<11月1日(土)>
五反野さんから電話が来た。
「栗原、ちょっとオレの家遊びに来てもらっていいか?」
と五反野さん。
「いいよ」
と私。
どうやらきょうも楽しい一日になりそうであった。




