第30話 今後
この物語は、足立未来高等学校に通う、栗原、五反野、牛田、垳、関屋の五人が繰り広げる、ほのぼの日常系・学園モノ小説である。(栗原シホ)
前々回、オレ達のクラスに川口、安行、鳩ヶ谷の3人が新しいクラスメイトとして入って来た。
しかし、この3人は不真面目でしかも牛田がレズであることまで知っていたのだった。
そして前回それをいいことに、今度はオレと垳と関屋に嫌がらせを始めた川口ら3人。
それに耐えきれない関屋が学校を飛び出してしまったのだった。(五反野アキ子)
私達4人は関屋さんを追いかけた。
しかし、目の前に川口君らが立ちふさがった。
「どけ!」
五反野さんが言った。
「そうはいかないぜ」
と川口君。
お互いにらみ合う中…
「うわ!あの雌豚、逃げ足速いな。もう校門出て行ったぜ」
と安行君。
「!!」
確かに関屋さんは住宅地の中へ消えていった。
早く連れ戻さなきゃ。
その時、五反野さんは川口君の、垳さんは鳩ヶ谷さんの、牛田さんは安行君の両腕を掴んだ。
「栗原!今のうちだ」
と五反野さん。
「関屋さんを連れ戻して!」
と牛田さん。
「頼んだわよ!」
と垳さん。
「わかった。必ず連れ戻すからね」
と私。
私は関屋さんが走った方向をたどる。
大通りに出たので近くの建物に入った。
「あのすみません。私と同じ制服で大柄の女子生徒が走ってきませんでした?」
と聞くと、相手は答えた。
「大柄の女子生徒ならさっきここ通ったよ。国道4号線の方向に走っていったな」
「ありがとうございました」
私は4号線方面に走る。
すると国道4号線との交差点が見えたので近くの牛丼チェーン店に入って聞いた。すると店員さんが答えた。
「大柄の女子生徒ならさっきそこの交差点を右に曲がっていったぞ」
「ありがとうございました」
私はさらに走る。
しばらく走っていくと、歩道橋が見えてきた。
そしてその歩道橋の上に関屋さんもいた。
私は歩道橋の階段を駆け上がった。
「栗原さん!」
関屋さんは驚いていた。
「関屋さん、どうしてこうなったの?」
私は聞いた。
「川口君達の悪口に耐えきれなくて…」
と関屋さん。
「自殺はダメだよ!学校戻らなきゃ」
と私。
「でも…」
関屋さんが言いかけた。
「大丈夫だよ。きっとなんとかなるよ」
と私。
「アタシは…もう…」
関屋さんがまた何か言いかけた。
「私達がいるじゃない!大丈夫よ」
と私。
「じゃあ、栗原さんを信じるよ」
と関屋さん。
学校に戻ると…
「オーイ栗原!」
五反野さんが待っていた。
「なんとか連れ戻したよ」
と私。
「そうか良かった。実はあのあと中川先生が通りかかってな、川口達に注意してもらったんだぜ。それでもう川口達はもうやんないってさ」
と五反野さん。
「じゃあもう大丈夫なんだね」
と関屋さん。
「ああ、なんとか丸く収まりそうだぜ」
と五反野さん。
(私の知らない所で…こんな事があったんだね)
と私は思った。
放課後になって。
「これからどうするの?」
と私。
「うん。今回の事でわかったの」
と関屋さん。
「何がわかったの?」
と牛田さん。
「アタシ、太りすぎなんだって」
と関屋さん。
「…それは前から思っていたけれど」
と垳さん。
「だからアタシ、ダイエットしようと思うの!」
と関屋さん。
「おお!関屋がやる気になったぞ」
と五反野さん。
「じゃあ、アタイがお手伝いする」
と牛田さん。
「本当?」
と関屋さん。
「本当だよ。友達の悩みの相談相手にならなきゃね」
と牛田さん。
「それじゃあ頑張らなきゃね」
と私。
「アタイと関屋さんの二人でやるから、3人は普段通りの学校生活を送ってよ」
と牛田さん。
「本当に良いの?牛田さん、関屋さん」
と垳さん。
「ええ。アタシも牛田さんの意見に賛成するわ」
と関屋さん。
「決まりだな。じゃあ二人とも頑張れよ!」
と五反野さん。
「あっ!そうそう、足立クリーンマンの事なんだけどね。関屋さんのダイエットが成功するまでは栗原さんが行ってくれないかな?」
と牛田さん。
「わかった!まかせて」
と私。
「じゃあアタイ達はこれで」
と牛田さんと関屋さんは帰った。
「これからしばらくは3人ですね」
と垳さん。
「まぁ、すこし寂しくなるけれど」
と五反野さん。
「ダイエット、成功するかな?」
と私。
第4土曜日。
私は牛田さんに言われた場所に来た。
「お待たせ、今日は二人だな」
と足立クリーンマンがやって来た。
「ええ、今月も街をキレイにしましょ」
と私。
そして月曜日。
「あれからずいぶんたったけれど」
と私。
「今は牛田さん達の事はそっとしておいたほうが良いと思いますよ」
と垳さん。
「そうだぜ、成功すると信じて待とうぜ」
と五反野さん。
「そうだね」
と私。
こうして今、私達はふたたび平和な学校生活を送れています。
あとは関屋さんのダイエットが成功したらな…
と思うのであった。




