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第27話 谷中君と埼玉ガールズと綾瀬さん

挿絵(By みてみん)


 この物語は、足立未来高等学校に通う、栗原(くりはら)五反野(ごたんの)牛田(うしだ)(がけ)関屋(せきや)の五人が繰り広げる、ほのぼの日常系・学園モノ小説である。(栗原シホ)


 今日もいつも通りに学校に着いた。

私が教室に入ると、五反野さんと谷中(やなか)君が口ゲンカしていた。

「よけいなお世話だ!」

「ボクは長い方が良いと思うんだけど」

「オレはこの方が良いの!」

「ちょっと2人ともどうしたの?」

私がワケを聞くと、谷中君が答えた。

「いやぁ、五反野さんはいつも髪が短めだからさ、長くしないのかなって」

「確かに、小学校低学年の時までは伸ばしていたけれど、いつの間にかショートカットでいることが多くなったからね」

と私。

「え!?伸ばしていた時あったの」

と牛田さんと関屋さん。

「また見てみたいですね」

と垳さん。

「なんだ、伸ばしていた時期があったのか。なら伸ばしなよ」

と谷中君。

「オレは断る!」

と五反野さん。

「まぁまぁ、髪型は人それぞれだし、気にしないでよ」

と私。

「気にするさ!女子がこんなに短くて良いのか?」

と谷中君。

「良いんです!」

と五反野さん。

「もったいないなぁ」

と谷中君。

「一度は見てみたいなぁ、髪伸ばした五反野さん」

と関屋さん。

「アタイもー!」

と牛田さん。

「家に昔の写真があるから、休日にウチの家に来れば見せてあげますよ」

と垳さん。

「私も持っているよ」

と私。

「オイ!お前らやめろって!」

と五反野さんが顔を赤くして言った。

「ボクにもその写真見せてくれよ」

と谷中君。

「あなたはダメ!」

と垳さん。

「オ・コ・ト・ワ・リ」

と私。

「ひどいなぁ」

と谷中君。

「まぁ本人の事もあるからやめときますか」

と関屋さん。


挿絵(By みてみん)


「アタイもー!」

と牛田さん。

「えー、さっきの好奇心はどうしたの?」

と谷中君。

「というわけで、谷中君はあっち行ってください」

と垳さん。

「オレを怒らす前にな」

と五反野さん。

「こんな物理的な女子力で良いのか?」

と谷中君が言いながら去って行った。

「谷中君って何考えているんだろう?」

と私。

「知らなくて良いんじゃない?」

と垳さん。

「そうだよね」

と私。


 佐野(さの)先生と中川(なかがわ)先生が教室に入って来た。

「おはようございます」

と佐野先生が挨拶。

「おはようございます」

クラス全員も挨拶。

「さて、10月に入りました。来週はクラス替えですね」

と佐野先生。

(そういえばそうだったね)

と私は思いだした。

「とは言っても、あんまりメンバーは変わらないと思うけれど」

と佐野先生。

「先生、何人位変わるんですか?」

と垳さんの隣に座っている舎人君が言った。

「まぁ4、5人位かな」

と佐野先生。

(何だあんまり変わらないじゃない)

と私は思った。

「それから今月は夏服から冬服に移行する月ですよ。11月からは完全に冬服ですからね」

と佐野先生。

(まぁ私達5人はまだ夏服だけどね)

と私は思った。

「クラス委員の千住(せんじゅ)君は確実にここに残る。あと帰宅部も基本移動無しだからな」

と佐野先生。

(このクラスで帰宅部なのは私達5人の他は綾瀬(あやせ)さんと粕壁(かすかべ)さんと越谷(こしがや)さんと草加(そうか)さんだったよね)

と私は思った。

「このクラスで帰宅部は9人だよな」

と佐野先生。

そのあと別の話題を話して終わった。


 休み時間。

私達5人の所に埼玉ガールズ3人がやって来た。

「佐野先生が帰宅部が9人いるって言ったけれど私達3人とあなたたち5人とあと誰?」


挿絵(By みてみん)


と粕壁さんが聞いた。

「綾瀬さんだよ」

と私が答えた。

「綾瀬さん?」

と越谷さん。

「確かあんまり目立たない人だったよね」

と草加さん。

「悪かったわね目立たなくって」

と綾瀬さんが来た。

「いやいや悪気はないのよ」

と粕壁さん。

「あなたたちの思っている事は大体わかったわ。ださいたまガールズ」

と綾瀬さん。

「なんですって!」

と粕壁・越谷・草加さん。

「まぁまぁ、口ゲンカはよしなさい」

と谷中君が間に入る。

「男子が何の用?」

と綾瀬さん。

「東京都民だろうが埼玉県民だろうが関係ない。あの5人を見てみろよ、埼玉県民の垳さんと足立区民の栗原さん達が仲良くしているじゃん。だからキミ達も仲良くしなよ」

と谷中君。

「確かにそうね」

と粕壁さん。

「アタシ達が間違っていたのね」

と越谷さん。

「友達になりましょう、綾瀬さん」

と草加さん。

「そんな簡単に友達友達って言わないでくれる?そんなに簡単な事じゃないから」

と綾瀬さんは自分の席に戻っていった。

「牛田さん…」

私が声をかけると牛田さんはこう言った。

「まぁ、人それぞれだよね。綾瀬さんは綾瀬さんの人生、アタイ達はアタイ達の人生があるもん」

「そうだよな」

と五反野さん。

「まったくこれだから女子は…複雑すぎて最高だぜ!」

と谷中君がつぶやいた。

「今何か言いました?」

と垳さん。

「え!あっ…ボクそろそろ席に戻るわ」

と谷中君は席に戻っていった。

「気にすることはない。あなた達が約半年でここまで仲良しになれたように、私達3人も約半年で仲良くなれたからね」

と粕壁さん。

「末永く幸せに」

と越谷さん。

「ではこれで失礼します」

と草加さん。

そして3人は席に戻る。

「私達、これからも仲良くしていこうね」

と私が言うと。

「おう」

と五反野さん。

「OK」

と牛田さん。

「ええ」

と垳さん。

「はい」

と関屋さんが答えてくれた。

きっとこれからも友達でいてくれるだろうと思うのであった。

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