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第24話 埼玉ガールズ

挿絵(By みてみん)


 この物語は、足立未来高等学校に通う、栗原(くりはら)五反野(ごたんの)牛田(うしだ)(がけ)関屋(せきや)の五人が繰り広げる、ほのぼの日常系・学園モノ小説である。(栗原シホ)


 朝、ホームルームの前にオレと垳と関屋の3人で話をしていた。

内容は垳が最近気になっている青汁等の健康食品のことだ。

たぶん垳も関屋のことを考えているから、さりげなく健康生活にもっていこうとしているんだろうな。


 そろそろホームルームが始まるな。

佐野(さの)先生と中川(なかがわ)先生が入ってくる。

「みなさんおはようございます。9月にも入り、だんだん涼しくなってきましたね」


 お昼休み。

関屋の弁当は相変わらずカロリーが多そうだ。

それを栗原と牛田が心配そうに見ながら食べてた。

オレ達もそんな関屋に近づこうとした時…

「五反野さんと垳さんだよね。いつも5人で仲良く食べているみたいだけど、たまには私達と一緒に食べない?」

後ろから声をかけられた。

「えーと…誰だ?」

オレが聞くと…

「私は粕壁(かすかべ)

と紫髪の少女。

「アタシは越谷(こしがや)

と灰色髪の少女。

「ボクは草加(そうか)

と水色髪の少女。

「私達は3人で埼玉ガールズよ」

「アタシ達は入学してすぐに仲良くなったのよ」

「ボク達はみんな埼玉県から来ていることまで一緒だしね」

「ちょっと!ウチも埼玉県民なんですけど」

たしかに垳も埼玉県民だ。

「あらら、でも八潮市ってつくばエクスプレスの八潮駅以外特に何も無いイメージよね」

と粕壁が言った。

「春日部市は有名な作品の舞台にもなっているし、越谷市には越谷ダルマ、草加市には草加せんべいがある。アタシ達は恵まれているんだわ」

と越谷。

「考えれば、ココ足立区も日本一危険な街じゃないかな」

と草加。

「それは違うぞ!足立区の治安は悪くない!」

とオレ。

「それに八潮市にもいろんな名所があるのよ!」

と垳。

「でもさ、足立区民ってイメージ悪くない?」

と粕壁。

「そんな事ねぇ!」

とオレ。

「男は20人がかりで人襲うし、女は下品だし」

と越谷。

「そんなのデタラメに決まってる!」

とオレ。


挿絵(By みてみん)


「足立区の学生って喫煙率高いんだっけ?」

と草加。

「お前ら全員足立区の事を理解してねぇ!何を根拠にそんな事言うんだ?」

とオレ。

「そう?足立区って犯罪多発地域じゃないの?例えば20年以上前のコンクリート事件とか」

と粕壁。

「バカそりゃ足立区民にとって一番タブーな単語じゃないか!」

とオレ。

「じゃあこっちから聞くけれど、あなたは春日部市、越谷市、草加市の悪い所言える?」

と粕壁。

「う…そ、それは…」

オレは答えらえなかった。

その時だった。

「あのー、口ゲンカするよりも仲良くしようよ」

と栗原が話に入ってきたのだ。

「生徒同士仲良くしなきゃ。学校ってそういう所でしょ」

とさらに続けて言った。

「そ…そうだよな。栗原」

とオレ。

「ナイス栗原さん」

と垳。

「まぁ、足立区民全員がそうってワケじゃないよね」

と粕壁。

「足立区だって北千住、西新井、舎人(とねり)公園っていう立派な名所があるもんね」

と越谷。

「ボク達ちょっと言い過ぎたかもしれない」

と草加。

結局のところ8人で弁当を食べた。

…オレ達足立区民って他からはこんな風に見られているのかな?

オレは気まずい状態だった。


 放課後、粕壁と越谷と草加の3人はさっさと教室を出て行った。

何を急いでいるんだろう?

オレ達はいつも通り5人で北千住駅まで一緒に帰った。


 翌日。オレと垳はあの3人に声をかけた。

「おはよう!粕壁、越谷、草加」

「おはよう」

3人ともあいさつを返してくれた。

「昨日はどうして急いで教室を出たんだ?」

とオレが聞いた。

「それは、足立区は何が起こるかわからないから北千住駅までは急いで行くの」

と越谷。

「油断は出来ないからね」

と草加。

「ウチは登下校中は何も起こらなかったわ」

と垳。

「まぁあなた達は住めば都みたいなカンジで馴染んでいるみたいだけど、私達はそうじゃないから」


挿絵(By みてみん)


と粕壁。

「まぁそうだよなまだ半年経っていないもんな」

とオレ。

「自分達の家が一番落ち着く。そう思わない?」

と粕壁。

「まぁそうだな」

とオレ。

「そうですね」

と垳。

「私達もそうなのよ」

と粕壁。

「急行で越谷駅から北千住駅までは途中停車駅は新越谷駅、草加駅、西新井駅だけだし」

と越谷。

「急行で草加駅から北千住駅までは途中停車駅は西新井駅だけだし」

と草加。

「区間快速で春日部駅から北千住駅までは途中停車駅は無いし」

と粕壁。

「アクセスには困らないってやつか」

とオレ。

「結構飛ばすね、区間快速」

と垳。

「浅草駅から東武日光・会津田島駅を結ぶからね。浅草駅から新大平下駅の間は最低限の停車駅数だよ」

と粕壁。

「確か途中停車駅はとうきょうスカイツリー駅、北千住駅、春日部駅、東武動物公園駅、板倉東洋大前駅、新大平下駅だっけねぇ」

と越谷。

「快速だとその先も通過駅があって、確か途中停車駅はとうきょうスカイツリー駅、北千住駅、春日部駅、東武動物公園駅、板倉東洋大前駅、新大平下駅、栃木駅、新栃木駅、新鹿沼駅、下今市駅。東武日光駅方面は下今市駅から先は途中駅を通過して東武日光駅に。会津田島駅方面は下今市駅から先は各駅停車だっけねぇ」

と草加。

「お前らどうしてそんなに詳しいんだ?」

オレが聞くと3人は答えた。

「だっていつも使っている路線だもん」


 オレ達が席に戻ると…

「仲良くなれそう?」

と栗原から聞かれた。

「わ…悪いやつらじゃないみたいだな」

とオレは答えた。

「良かった」

栗原も喜んでいるようだ。

なんだかんだあって今日も学校生活が始まるのであった。

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