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第23話 友達の豹変とベルモント先生

挿絵(By みてみん)


 この物語は、足立未来高等学校に通う、栗原(くりはら)五反野(ごたんの)牛田(うしだ)(がけ)関屋(せきや)の五人が繰り広げる、ほのぼの日常系・学園モノ小説である。(栗原シホ)


 今日からまた学校生活が始まる。

私はあの不思議な出来事をまだ忘れられないでいる。(第22話参照)

「おはよう五反野さん」

「おはよう栗原」

…久しぶりの教室だ。

「おはようございます」

「あ、垳さんおはよう」

「おはよう垳」

…またいつも通りの学校生活が始まる。

「夏休みは変な夢見るし大変だったぜ」

「でも海水浴とかは楽しかったですよ」

「私は本物の妖怪に会ったんだからね」

すると五反野さんは…

「またまたそんなこと言って」

さらに垳さんは…

「妖怪なんているわけないでしょ」

「プクプクプー」

と私はムスっとした。

「よう!シホとキミ子とアキ子ちゃん」

後ろから谷中(やなか)君が声をかけてきた。

「ちょっと!なんでオレだけちゃん付けなんだよ!」

五反野さんが言うと…

「カワイイじゃん、その反応」

という谷中君の意外すぎる答えが返って来た。

「ふざけるな!オレに遊ばれたいのか?」

五反野さんが怒り出した。

「ボク、アキ子ちゃんにいぢめられたい」

と谷中君が言った直後に…

ゲシ!

五反野さんは谷中君の股間を蹴り飛ばした。

「うぎゃぁぁぁ!」

谷中君はそのまま私達から離れた。

「あれはちょっとやりすぎではないですか?」

垳さんが言った。

「ああいうのはうぜぇーんだよ。豚共め」

と五反野さん。

(…黒野アキ子)

私は心の中でそう思った。


 しばらくして。

「おはよー!」

「おはよう牛田さん」

「おはよう牛田」

「みんな大変だよ!」

「どうしたの?」

垳さんが聞くと、牛田さんがこう言った。

「関屋さんが豹変している!」

「おはようみんな。あれ?どうしたのみんな」

以前よりも太目の体系になった関屋さんが立っていた。


挿絵(By みてみん)


(…豹変している。しかもアッチの方向で)

おそらく他のみんなもそう思ったかも。

「あぁ、久しぶり関屋さん」

となんとかごまかした。

「ごめんね、夏休み中はみんなと会えなくて」

と関屋さん。

「いやいやそんなことないよ。今日会えたし、大丈夫だよ」

と私。

「あいかわらず元気そうだな」

と五反野さん。

「バカンスは楽しめました?」

と垳さん。

「もちろん!肉・肉・肉!チョコ・チョコ・チョコ!ケーキ・ケーキ・ケーキ!三昧だったよ」

と関屋さん。

「…やっぱり」

と牛田さん。

そりゃ太るわ。と私は思った。


 さて、夏休み明け最初の学校というだけあって佐野(さの)先生も中川(なかがわ)先生も気合いが入っているようだ。

あいかわらず中川先生が子供のように見える。

なんか、前期試験についての話をしてたけど、たぶん大丈夫。

考えれば今年度ももうすぐ半分なんだね。

今日から新しい英語の先生が入ってくるということも話していた。


 英語の授業の時間。

先生が入ってきた。

「グットモーニング、今日から1年の英語担当になりましたベルモントです。よろしくお願いします」

「先生、どこの国から来たのですか?」

垳さんが質問した。

「オーストラリアよ。私の母が日本人なので先生は日本語と英語のバイリンガルなのよ」

と先生が答えた。

「バ…バリリ…?」

「栗原、バイリンガルってのは二ヶ国語話せる人のことだよ」

と五反野さんが教えてくれた。

「オーストラリアは英語が公用語でしたよね」

と垳さん。

「正解」

と先生。

「そうなの?」

「栗原、これ常識だぜ」

五反野さんが言った。


 授業が終わった後…

「じゃあ、チャドの首都は?」

と私は五反野さんに質問した。

「なんだよいきなり!ていうかどこの国だよ?」

さすがの五反野さんも慌てた。

「答えはンジャメナです」

「はぁ?そんな首都あるんかい?」

「ありますよ」


挿絵(By みてみん)


「マジかよ」


 お昼休み

「ベルモント先生か」

垳さんがつぶやいた。

「結構やさしかったね」

と牛田さん。

「オーストラリアってどこの国?」

と私が質問した。

「この地図を見ればわかるよ」

と垳さんが世界地図を指さした。

「なるほど南半球か」

と私は理解した。

「てか関屋の弁当がヤバイぜ」

と五反野さん。

「ふわ?どうしたのみんな」

と関屋さん。

「から揚げにギョーザに麻婆豆腐。野菜はプチトマト2個ぐらいでクリームパンが3つも入ってる」

私が弁当を見て言った。

「他にもトンカツとシューマイも入っていたわよ」

と関屋さん。

「ちょっと偏ってないか?」

と牛田さん。

「アタシの弁当よ!文句言わないでよ」

と関屋さん。

「関屋さんのことが心配なのよ」

と垳さん。

「とりあえずメニューはちゃんと考えたほうがいいわよ」

と私。

「まぁまぁ強制しているわけじゃないから。オレ達は友達だろ」

と五反野さん。


 放課後、牛田さんと関屋さんが先に学校を後にし、私達3人は話しながら北千住駅に向かった。

「関屋は早くなんとかしないといけないぜ」

と五反野さん。

「でもなかなか口に出せないですね」

と垳さん。

「病気になっちゃ困るしなぁ」

と私。

「あの弁当箱を見たら『うわっ…関屋さんの弁当、油多すぎ…?』と言わざるをえないよ」

と垳さん。

「なんとか説得できないかな?」

と私。

「キッカケがないんだよな」

と五反野さん。

私達があれこれ話していたら、いつの間にか北千住駅に着いていたのであった。

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