第12話 学年委員会
この物語は、足立未来高等学校に通う、栗原、五反野、牛田、垳、関屋の五人が繰り広げる、ほのぼの日常系・学園モノ小説である。(栗原シホ)
ウチは今日も普段通り授業をうけて、普段通り栗原さんたちと過ごしていた。そして普段通り学校が終わるはずだった。
お昼休み、B組の学級委員の千住君が急に腹を壊してしまった。
ウチはその後、千住君からこう言われた。
「今日、生徒会の1年学級委員の集まりがあるんだけど、垳さん代わりに出てくれない?」
「どうしてウチなの?」
とウチが聞き返すと、千住君はこう答えた。
「B組のクラスメイトの帰宅部の中で一番頭よさそうだから。部活がある人たちに頼むわけにはいかないしな」
「そうか、今日部活ないのは『コンピュータ部』と『茶道部』だけだ。B組のコンピュータ部はバカしか居ないし、B組の茶道部は居ないし、だからウチというわけなんだな」
とウチは解釈した。
ウチはこのことを他の四人にも話した。
「千住君の代わりに出るなんて、私は凄いと思うよ」
「オレたちは大丈夫だから」
「すると今日はアタイら四人で帰るのか」
とみんな口々に言った。
「じゃあウチは放課後残るから」
とウチは言った。
放課後、ウチは1年A組の教室に来ていた。
今日はココで集まるそうだ。
教室にはすでにA組の亀有さんとC組の錦糸さんが来ていた。
その後、次々と他のクラスの学級委員が来た。
全員が揃った時にウチはあることに気づく。
「みんな女子じゃない?」
「あれ?きょうはB組のハーレム男は居ないの?」
とE組の王子さんが言った。
「今日は腹を壊したので代わりに垳が出ています」
ウチはそう答えた。
「これではただの女子会なのでは?」
とD組の荒川さんが言った。
「まあまあ、男子の意見は聞けないが、ひとまず今日はワタクシたちで決めなくては」
とA組の亀有さんが言った。
「改めて、垳さん。私はC組の錦糸よ。よろしくね。あそこにいるのがA組の亀有さん。そこにいるのがD組の荒川さん。あっちにいるのがE組の王子さん。そっちにいるのがF組の…」
「いちいち紹介しなくてもいいよ」
と王子さん。
「これだからお笑い組は」
と荒川さん。
「まあまあ、この会は主にABC組の三人を主軸に動いているので、非難はやめたほうが良いですわよ」
と亀有さん。
「…て、ウチも入っているの?」
とウチ。
「まあ今日は千住君の代わりだけれど、頑張ってね」
と錦糸さん。
「まあ今日話し合ったことは明日生徒会長にも伝わるし、真剣に考えますのよ」
と亀有さん。
「頑張ります」
とウチが言った。
まず亀有さんが言い出した。
「最近、お手洗いの使い方がなっていないと聞きますわ」
「男子トイレのことですよね」
とウチ。
「いや、女子がひどいと聞いているが?」
と亀有さん。
(ええーー!)
とウチは心の中で叫んだ。すると錦糸さんがこう言い出した。
「私のクラスの女子たちが言うには、個室トイレの中でオナ…」
「言わせないよ!」
王子さんが言った。さらに続けてこう言った。
「下ネタじゃないの」
「まあまあ、実際は使い方が汚いとか、そのくらいなんだけれどね」
と荒川さん。
「今日、男子居なくて良かったね」
とウチはつぶやいた。
「ワタクシが思うに学校のお手洗いはもっと健全でなければならないと思うのです。そこであなた方の意見が聞きたいのでありますのよ」
と亀有さん。
「そもそも学校でやる事自体、おかしなことよ。学校では禁止にすべきです」
と荒川さん。
「え?私の事?」
と錦糸さんが反応した。
「錦糸じゃなくて禁止。禁ずることよ」
と王子さん。
「まぎわらしいよう」
と錦糸さん。
「話が進まない」
とウチ。
「学校で禁止にしても家でやっていたら、もしかしたら学校でまたやりだす可能性があるから、在学中は全面禁止にすれば」
と荒川さん。
「プライベートの事まではなんとかならないですわ」
と亀有さん。
「よし。実際にやるのは禁止するが、妄想はOKにしよう!」
と錦糸さん。
「どんなルールだ」
とウチ。
「とりあえず、注意書きは書いておかないとね」
と王子さん。
「それ良いね」
と亀有さん。
「それじゃあ注意書きを書いて貼るということで、生徒会長に報告しますわ」
と続けて言った。
「やっと一つ片付いた」
とウチ。
「ていうか、ABCDEしか話し合いに入っていないよ。F以降もちゃんと参加して」
と王子さんが言った。
今度の議題は、各クラスの最近の様子についてだった。
次々いろんなクラスの状況が報告されて、残りはBC組だけになった。
「私のクラスはちょっとねぇ…」
と錦糸さんがウチに言ってきた。
「ウチもなんて話せば良いんだか…」
とウチも錦糸さんに言った。
すこしして…
「ウチのクラスはみんな自由に生活しています」
とウチ。
「私のクラスはみんなお笑い好きです」
と錦糸さん。
「それみんな知っている」
と王子さん。
とりあえず今日の話し合いは終わったようだ。
「じゃあお疲れ様ですわ」
と亀有さんは言った。
「今日は女子会みたいだった」
と荒川さんがつぶやいた。
ウチは翌朝、早速四人が集まった後、話しをした。
「トイレの使い方が汚い女子がいるけど、知っている?」
「私は知らないよ」
「アタシも知らない」
と二人が言った。
「ごめん、アタイよくやっている」
と牛田さん。
「やっぱり…」
とウチがつぶやくと…
「恥ずかしながら、オレもたまにやっているんだ」
と五反野さん。
「ええーー!」
五反野さん以外の四人(ウチも含め)は驚いた。
「五反野さん。まわりにも気を使わないと」
ウチは言った。
「学校ではやめとくよ」
と五反野さんは言った。
「アタイは?」
牛田さんが聞いた。
「牛田さんは絶対禁止」
とウチが答えた。
「しかたないじゃん?」
と牛田さん。
「普通学校では気を遣うの」
とウチ。
「今日も愉快な一日になりそうだね」
と栗原さんがつぶやいた。
まぁ、なんやかんだで今日が始まったのであった。