第11話 ゲームセンター
この物語は、足立未来高等学校に通う、栗原、五反野、牛田、垳、関屋の五人が繰り広げる、ほのぼの日常系・学園モノ小説である。(栗原シホ)
今週の学校も今日で終わり。だから私は五反野さんたちを集めた。
「明日ゲームセンター行かない?」
私が言うとみんな口々に言い出した。
「行く行く」
「アタシも行く」
「ウチはどうしようか…」
「まぁオレたち友達だからな、みんなで行こうよ」
「じゃあ池袋のゲームセンターで良いかな?」
私は言った。
「うん。じゃあ明日ね」
と四人とも言った。
私は西新井駅から出ている都バス「王40」に乗って、池袋駅まで行った。
池袋駅でみんなを待っていると次々集まってきた。
「五反野さんたちはどうやって来たの?」
私が聞くと五反野さんがまず答えた。
「オレは東武伊勢崎線で北千住駅まで行って、千代田線で西日暮里駅。そこから山手線で池袋駅に行ったわけだ」
続いて垳さんが答えた。
「ウチはつくばエクスプレスで北千住駅。そこからは五反野さんと一緒よ」
「アタイと関屋さんは京成関屋駅で京成本線に乗って日暮里駅まで行って、そこから山手線で池袋駅まで行ったよ」
と牛田さんも答えた。すると五反野さんはこう聞いた。
「栗原はどうやって来たんだ?」
「私は王40のバスに乗って来たよ」
「なるほど、一番お金がかかっていないな」
と五反野さんが言った。
池袋駅近くのゲームセンターに行った。
「まず何からやろうか?」
私が言うと牛田さんが答えた。
「アタイUFOキャッチャーがいい」
「じゃあUFOキャッチャーからやろう」
と私は言い、みんなでやり始めた。
熊のぬいぐるみのコーナーで挑戦してみた。
最初に垳さんが挑戦した。
「取れるかな…取れるかな…」
垳さんがおそるおそるクレーンを降ろす。
すると帽子をかぶった熊のぬいぐるみが取れた。
「取れた」
垳さんがぬいぐるみについている紙を見てみると「BBのおかあさん」と書かれていた。
「コレなんだろう?」
さらに紙を見ると「BB」「イエローオーラ」の文字も見られた。
「次はアタシの番」
と関屋さん。
さらにその後五反野さんもやった。
関屋さんは「もう」五反野さんは「うまくん」が取れた。
「意外とカワイイな」
「アタシ、初めて見るなぁ」
二人は口々に言った。
「次は私だね」
と私がやってみた。
だけれども取れなかった。
「あぁ、残念。どうする栗原?」
と五反野さんが聞いてきた。私は答えた。
「もう一回やる」
私は慎重にクレーンを動かした。そしてなんとか取ることができた。
「なにが取れたかな?」
取れたのは真黄色の熊のぬいぐるみだった。
「オレたちが取ったぬいぐるみはカラフルな服着ているから、ハズレじゃない?」
五反野さんがそう言うので、紙を確認する。そこには「BB」と書かれていた。
「もしかしてこの子が主人公なんじゃない?」
私が言った。
「確かに『BB』って書いてあるね」
と関屋さん。
「Wikipediaに載っていないところから、マイナーな存在なのかな?」
と垳さん。
「次はアタイね」
と牛田さんが言った。
しかし三度やっても取れなかった。
「うー…後少しなのにぃ」
牛田さんが四度目の挑戦をしようとした時…
「オレに任せろ」
と五反野さんが言った。
「どれ取って欲しい?」
五反野さんが聞くと牛田さんが答えた。
「オレンジ色の服を着た熊」
と答えた。
五反野さんは見事にそのぬいぐるみを取った。
「どうぞ」
「ありがとう、五反野さん」
牛田さんが紙を見る。紙には「はちみつ」と書いてあった。
「どうやら全部『BB』のキャラクターみたいだね」
と私は言った。
「男らしい女子…良いよね」
と牛田さんがつぶやいた。
次にビデオゲームのコーナーに来た。私たちはそこで分散することになる。
私は音楽ゲームというか、リズムゲームで遊んでいた。
タッチパネル式で画面にはCGの少女キャラクターが踊っている。
私はなるべくノーミス高得点を狙っていた。
さすがにノーミスは達成できなかったも、なんとか高得点は出せた。
ちなみに画面に映っているCGの少女の歌声は、音声合成ソフトを使っているようだ。
曲も既存曲が大半を占めているが、オリジナル曲もあるようだ。
結局6曲ぐらいやって、みんなと合流した。
「私はリズムゲームやったけれど、みんなはなにやっていたの?」
私が聞くとみんな口々に答えた。
「オレは格ゲー」
「アタイは弾幕」
「ウチはガチャガチャ」
「アタシはダンスゲーム」
みんなバラバラだった。
「垳さんはなぜガチャガチャ?」
私が聞くと垳さんはこう答えた。
「確実に景品がもらえるものをと思って…」
「オレもなかなか格ゲーのセンスあるな」
「弾幕勝ちまくっちゃった」
と五反野さんや牛田さんも口々に言い出す。すると関屋さんが…
「牛田さんスゴーイ!」
とほめたので、牛田さんは…
「もー、アタイったら最強ね」
と照れていた。
最後に私たちはプリクラを楽しんだ。
私と牛田さんのグループと、五反野さんと垳さんと関屋さんのグループで分かれた。
「ねえ知ってる?『プリクラ』は『プリント倶楽部』という製品の略称なんだよ。そしてなぜだか似たような機能をもつ他の製品も『プリクラ』と呼ばれているよ。だから『プリクラ』は製品の種類を指しているわけじゃないんだよ」
と垳さんが言っていた。
「じゃあ『プリクラ』の本来の製品の種類名はなんだい?」
と五反野さんが聞いた。
「『プリントシール機』や『写真シール機』とかかな」
と垳さんは答えた。
「栗原さんと写れてアタイ、嬉しいよ」
牛田さんが言った。
「興奮して鼻血出さないようにね」
と私が言った。
「大丈夫だよ。ここは一応外だし」
と牛田さんは言った。
ゲームセンターを出た私たち。早速私はみんなに言った。
「あそこのマクドナルドでお昼にしよう」
するとみんな了解したようだ。ただ、垳さんは
「たまには違う店行こうよ」
とつぶやいていた。
マクドナルドを出た後は、それぞれのルートで帰っていった。
私はバス、他の四人は電車で帰った。
今日のゲームセンターは楽しかったな。
と私は思いながらバスでゆっくり西新井方面へ行った。
翌々日、また学校が始まりいつものように登校してきた。
「おはよう五反野さん」
「おはよう栗原」
いつもの挨拶。
そしていつものように五人でワイワイ盛り上がる。
私たちの日常は今も、そしてこれから先も、楽しくなると思った。
40分を過ぎたころ…
「おはようございます」
と、いつものように佐野先生が入ってきた。
その後ろにはいつものように中川先生がついている。
中川先生の見た目は完全に小学生っぽいので、このあいだ居酒屋行ったら年齢を聞かれたそうである。
まぁ、いつものように今日も授業が始まるのであった。