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命題と恋愛

pre-命題と恋愛3

作者: 高居望

 この話は短編「命題と恋愛」の続編となっております。

 よかったら、前作にもお立ち寄りください。

 思考中。僕はこの三日間あること(、、、、)について考えている。くそ・・・今日が最終日だっていうのに。

 僕が何について考えていて、こんなに頭を痛くしているのかというと・・・ん?今何かひらめいた気が・・・。説明中断。僕は今の一瞬の光を捕まえにいく。・・・これだ!

「なぜ自分の外見を気にするのか?・・・これはなかなかいいかもしれないな」

 ふう、何とか間に合った。あぁ、読者を置いてけぼりにしてしまったけど、ここまで聞けば、僕が何について考え抜いていたのか明らだろう。ちなみに”置いてけぼり”には意外な語源があるから、興味のある人は調べてみるといい。

 話がそれたが、先ほどまでの思考内容は・・・そう、”命題”だ。

 ぼくはとあるきっかけから、週に一度彼女(、、)と命題について話し合うことになってしまった。そして、今回は僕が命題を考える係。最低でも討論の前日には命題を発表する約束になっているので、ぎりぎりセーフって感じだ。

「よし、メールするか」

そう決断して、彼女にメール。

 なんだか今日は疲れたな。僕は返信も待たずに眠りに落ちる。今思うと、もう少し起きておけばあんなことにならなかったのか・・・


 翌日。僕は、目覚ましの音ではない何か(、、)に反応して目を覚ました。

「ん・・携帯?」

そういって携帯を開く。アラーム設定なんてしてたっけな、なんて思いながら。

 メール着信件数、30件。・・・わぉ。これはもちろん、たくさんの友達からのメールがたまたま一気にきた、なんて普通の展開じゃない。僕の携帯に登録されているのは、せいぜい十人ぐらいなのだから。

 相手は・・・間淵幻まふちおとぎだ。しまった!昨日返信待たずに眠ったからか・・・

 以下メールの一部抜粋

・「素敵な命題ですね。私とどっちが素敵でしょうか?」

・「・・・返信お待ちしています」

・「何?私の質問に答えられないってこと?メールの返信ってそんなに難しいのかしら?」

・「・・・ふんっ!」

・・・以下省略

 怖い怖い!何かまずいことになってる?

「しくったなぁ・・・」

 過去を顧みる、すなわち反省。しかしまぁ、そんなことしても何も始まらない。今日幻の家に行くのに後3時間、この間に何か対策を・・・


 そして現在、僕は幻の家の前に来ている。今インターホンを押したところだ。今日は土曜日なのに家に車がない。

「はい・・・どちらさまでしょうか?人のメールを無視するような方は知り合いにいないはずですが」

 幻の声。・・・そういう怒り方か。

「とりあえず玄関まで出てきてくれないか?」

ここが作戦(、、)の要。幻が出てきてからの作戦に抜かりはない!

 ・・・ガチャ。

 幻が出てくる。俺は彼女の目を見て、事前に考えて・・・。あれ、幻さん、もしかして・・・泣いてた?

 彼女をよく見ると、はれた目、すすっている鼻、泣いていると断定できる要素満載だ。

「・・・ハグ・・・」

 彼女が何かつぶやいた。パグだって?パグってのは確か犬の一・・・

「あいさつでしょう。ハグしなさい・・・ぐすっ」

 それは日本ではあいさつではない。なんて思いながら、僕はある決心をする。

 僕はもうすでに、彼女のことが・・・

「・・失礼します」

 そういって彼女にハグ。ハグなんていうとなんだかフランクな感じがするから改めておこう。僕は彼女を抱きしめた。

「メール返信できなくてごめん。今あの答えを言うよ。もちろん、  さ」

「・・・馬鹿」

 それからは、彼女も落ち着いたらしく、僕を部屋に案内して着替えにいった。ちなみに彼女のさっきの格好はピンクのネグリジェ。アレはアレでかわいいのだが・・・


 そういってるうちに幻登場。格好は・・うわっ!白のキャミソールに赤のホットパンツ。露出多め。しかも・・・気のせいか豊かな胸元が普通より揺れている気が・・・

「今回は私が答える番ね。そんなの好きな人(、、、、)に見てほしいからに決まってるじゃない。外見より中身、確かにそれは間違っていないわ。でも、それは親しくなってからの話。仲良くなるまでには、オシャレの努力は必要だと、私は思うわ。現にほら・・あなただって今私に釘付けじゃない。まぁ、私ならどんな服装でも魅力的に見られる自信はあるけど」

 ・・・最後のせりふがちょっと引っかかるが、そういうものかもしれない。命題については問題ないが、これだとまるで僕が幻を見た目で選んだかのような感じで終わってしまう。何か言わないと。

「それが何も飾りをつけてない答えかもね。でも、君と僕はもう外見(、、)で判断する段階は超えてるよね?」

 ちょっといたずらっぽく言ってみる。彼女は思いがけない質問にすこし沈黙したがやがてこう言った。

「          」

 答えがどっちだったかは・・・僕と幻の秘密だ。

 

 どうもです。

 「命題と恋愛」第3作でしたが、いかがでしたか?

 ここまで続けるなら、連載としてやってみたいなともお思っています。

 ご意見、ご感想いただけると幸いです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白いっ!! 春と幻がどんどん惹かれ合ってて、微笑ましいです!! せやけど、書いてないところで何て言うとったんか、めっちゃ気になる・・・
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