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流星の降る夜に  作者: 双竜
ハルトエンディング
6/7

決意

~ ハルト Part ~


えー

この回は展開が早いです(笑)



恋愛小説なので主人公がずっとうじうじしてたら話すすみませんしね~







「だめぇぇぇぇぇぇえええええ!!!」



 自分の声で目が覚めた。サラリと顔の横を流れるのは長い黒髪で、あぁ、こっちなのかと涙が出た。


 心にポッカリと穴が空いた気がする。これで、もう、確実に俺は“俺”に戻れない・・・とどこか確信めいた思いがあった。


 そう思ったら涙が後から後から溢れてきた。


 自分という存在が、世界から消えてしまったような気がした。

 



 ボロボロと頬を伝う涙に、みんなを起こさない様に嗚咽を押し殺しながら泣いていたら



 コンコン



 と控えめにドアがノックされた。


 俺は涙を止めようと躍起になっていて、ノックに返事をする余裕が無い。



「・・・ルナ??」



 

 心配そうなI.K.(イケメンボイス)。これはハルトだ。


 勿論、返事なんて出来る訳が無い。


 俺は嗚咽を零しながら布団に顔を押し付けた。ハルトに心配をかけるのは本意ではない。



 泣いてるのに気付かずに去ってくれればいい。そう思った。



 でも、ハルトは去らなかった。


 がちゃ・・・と静かにドアが開く音がして、俺はビクリと身体を震わせる。


 駄目、見ないで・・・となんとも乙女チックな思考が頭を占める。大分染まってるっぽいなぁ、俺。



「ルナ・・・?泣いてるの??」



 ぐすんぐすんと布団に顔を抑えつけて無く私に戸惑ったのか、ハルトが恐る恐る・・・と言った体で声をかけてくる。


 完璧に心配させてしまっている。申し訳ない限りだ。



「怖い夢でも見た・・・??」



 優しい声にコクコクと俺は頷く。


 悪い夢を見たんだ。すごく怖くて・・・悪い夢。


 悪夢の余韻は消えなくて、止めどなく溢れてくる涙に身体を丸めるとフワッと暖かい感触があった。



 気付くとハルトがベッドの隅に腰かけていて、覆いかぶさるように俺を抱きしめていたのだ。


 柔らかな暖かい感触はほんわりとしていて何故だか安心する。



 ここにいて良いのだと。ここに今俺はいるのだ。と教えてくれるような暖かい存在にほっとした。



 ・・・うん、なんかちょっと落ち着いた。





 ・・・あちらにはもう二度と戻れない。何故か確信できた。


 悲しいが、でも諦めもついた。戻れないなら、こちらで未来を紡げばいいんじゃないか?と。


 そう簡単には割り切れない。少しだが、あっちの生活に執着もある。


 でも、開き直れるのが俺の長所だ。


 こっちに来た補正効果か、こっちの生活に愛着はあった。


 だから、なんだかやっていけそうな気がする。俺って意外と神経図太いなぁ。ホント



 しみじみ、そう思う。



 







「大丈夫??」



「・・・・うん、だいじょーぶ。ハルト、ありがとー」



 少し舌足らずな感じになってしまったが、心はこもっている。


 いろいろ整理出来たので俺は頷いて大丈夫だと意思表示をしてみせる。


 俺の感謝の言葉にハルトは、よかったと安堵の表情を浮かべると「寝るまでついてるよ」と微笑んでくれた。



 ありがとう、ハルト



 もう一度お礼を言って俺は眠りについた。





********



 

 目が覚めると、ハルトは部屋に居なかった。


 当たり前だ。でも、それがちょっと寂しかった。




 ・・・昨日、大混乱して大泣きしたお陰か、心はスッキリしていた。



 だから“流星 ルナ”として、全力で生きようと覚悟が決められた。





 22まで男として生きていた。だから戸惑いは大きい。


 でも、補正効果のおかげで思考は大分女よりになっているから後々違和感も無くなると思う。


 ハッキリ言って、スカートを履く事も今なら出来ると思う。


 こう考えてる自分の思考にも嫌悪感はない。


 


 いろいろ複雑だけど・・・・・。



 はぁ・・・・と溜息をついて、俺はクローゼットからワンピースを取り出した。


 少しずつ。


 少しずつでいいから、この世界に慣れようと思う。


 順応性の高さには自信がある。だから大丈夫。





 “私”は真っ白なワンピースに着替えて真っ赤に腫れた目を冷やすために部屋を出た。




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