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流星の降る夜に  作者: 双竜
プロローグ
3/7

情報収集してみよう



 リビングでの自己紹介会の後、いろいろと検証した結果、分かった事がいくつかある。


 ① 王子たちは所謂攻略対象と呼ばれる者達で、差と質の違いはあれど最初から(ルナ)に対して多少の好意を持っている。特に尻軽は危険


 ② ここは流星ハウスと呼ばれてる合宿所みたいな場所で、ハルトが寮長みたいな立場にある。

 

 ③ で、これが一番大事なんだが、俺の思考回路が何だか乙女になっている・・・という事も判明した。


 自室で、部屋の中をあさっていたときに判明したことだ。


 段ボールから出てきたぬいぐるみが物凄く可愛く感じられたりとか、部屋の片づけを手伝ってくれる王子(ハルト)にドキッとしたりとか。エトセトラエトセトラ


 そう思う瞬間は自然で何とも思わないんだが、少しして自分の思考を思い返すとゾワッと寒気がした。やべーなぁ、俺。


 この世界に染まるとヤバい感じがヒシヒシとする。



「ルナちゃん??」



「あっ、ごめんなさい」



 部屋の片づけの途中で自分の思考に悶々としていたら、開けっ放しのドアの前を通りかかった仙道(尻軽)が俺の名前を呼んだ。


 つい、反射的に謝る俺。何に謝ってんだろ・・・・。


 気付いた事その④だが、女言葉がスラスラ出る。うん、キショイ


「何で謝るのさ~」


 クスクス笑う仙道に頬を赤く染め(無意識の反応だ。他意はない)、俯く俺。



 おぉぉぉぉい!!戻ってこい、俺!!!!!!!やめろ、やめてくれぇぇぇえ!



 悶絶。自分の反応があまりにも女の子すぎる。心はオトコノコなのに!!


「可愛いなぁ、ルナちゃん」


「せっ・・・仙道さん・・・」


 部屋に入ってきて俺の頤を掴む仙道に、声が戸惑う。


 待て、尻軽。話せば分かる。落ち着け、落ち着くんだ!!




 俺が落ち着け。と言わんばかりの狼狽ぶりを心の中で発揮していると




「こら、剣。流星さんが困ってるだろ。やめろ」


 枝垂(お兄ちゃん)がスパーンッとスリッパで尻軽(仙道)・・・おっと、逆になっちまった。を殴り飛ばして俺からひきはがしてくれた。


 感謝。俺の貞操の危機だった。さすが、お兄ちゃん


「枝垂さん、ありがとうございます」


 枝垂の背後に隠れるようにコソコソと移動した俺は、真っ赤に染めた顔を枝垂に向ける。


 やめろ、顔をすぐに赤らめるんじゃない(ルナ)


 と絶叫するも、枝垂は特に気にした風もなくヨシヨシと頭を撫でてくる。


 大人な反応だ。さすがお兄ちゃん系。



「水樹でいいよ。怖かったでしょ??剣はいつもいたずらが過ぎるからな」



「あっ、私もルナでいいです。仙道さんは、・・・・遊びなれてそうですもんね」



「心外だなぁ。俺は一途だよ~??」



 俺も剣でよろしく!と笑う尻軽に俺は軽く溜息をつく。


 駄目だ、こいつは軽すぎる。要注意人物だ。



「ほら、剣が今日は飯担当なんだからさっさと昼飯の用意をして来い。ルナちゃんは朝ごはん食べてないしお腹すいたでしょう??」



「えっ・・・、あ、ハイ」



 そんなことないと否定しようとしたところで都合よくお腹がクゥ~と鳴った。・・・これは恥ずかしい。


 カァッと紅く染まった頬に両手をあてて隠そうとするも、二人にはバッチリと目撃されてしまったようで剣が「作ってきますかね~」と部屋から出て行った。



「そう言えばルナちゃん、ハルトは??」



「あ、ハルトさんは空いたダンボールを捨てに・・・」



「あれ?水樹どうしたの??」



 ずっと手伝ってくれていたハルトが部屋に戻ってきて合流。


 剣がいたときはパニックでなんとも思わなかったが、正統派美形(しかも性格も良し)な二人が並ぶと中身が男な俺ですら目の保養だと感じてしまう。


 もし、妹がこの世界に入り込んでいたら・・・・どうなっていたのだろうか。スゴイ気になる



「あぁ、ルナちゃんが剣にちょっかい出されてたから助けただけ」



「剣に!?何もされなかった!?!?」



「あ、はい。水樹さんに助けてもらったので。ハルトさん、ダンボールありがとうございました」



 過保護なハルトが心配そうな顔をするので「大丈夫」だと微笑みかけてやった。


 外面は完璧な妹がそばにいるので、女の子の動作は完璧だ。意識してないとボロが出そうになるが。



「そっか、よかった。」



 ほっとするハルトにクスクス笑いながら、片づけ再開。


 水樹も加わったため、トントン拍子で片づけは進んだ。


 背が高くて力のある男がいると部屋の片づけには大変便利だ。ぐっじょぶ









「お昼ご飯できたよー!!」



「「「はーい!!」」」



 ダンボール全てを部屋から運び出し、綺麗になったころに一階から剣の声が響いた。


   




 ちなみに剣の作った料理は完璧だった。


 まじ、うます


 何でこんなに料理上手なの??と思ってたら


「料理が出来ると女の子を口説きやすいんだってさ」


 と水樹がコッソリ教えてくれた。


 無駄なところに努力を惜しまないヤツなのか。と頭の中にメモしといた。




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