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沈黙のういザード  作者: サファイロス


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23/92

第23話 嵐はまだ終わっていない

受話器の向こうから、落ち着いた声が聞こえる。


「ご主人様、ご報告です。憂さんに関する件、整理が完了しました」


千秋の父の声が返る。


「わかった。詳細を聞かせてくれ」


石田は淡々と報告を始めた。

怪文書、破損事件、転落事故、脅迫メール――。


ひとつずつ、静かに整理していく。


「……現状、涼香さんの自白で四件の事件は説明可能です。

しかし、すべてが整合しているとは言い切れません」


そして、言葉を選ぶように付け加えた。


「憂さんが眠っている間、『雪姉』と寝言を漏らしました。

御陵家の長女・雪乃様は幼少期に交通事故で亡くなっています。

この寝言が、潜在的な記憶や心理的影響に関係している可能性があります」


「……なるほど。それは重要だ」


千秋父の声がわずかに低くなる。


「脅迫メールの件も、涼香の自白だけで終わらせるな。徹底的に調べてくれ」


「承知しました、ご主人様」


通話が切れ、静寂が戻る。


屋敷には、再び雨の音だけが響いていた。


石田は受話器を見つめながら、小さく息を吐く。


表面上は整理された事件。

しかし、心理的な影と未解明の“何か”が、まだ確かに残っている。


――静寂の中、嵐は終わっていなかった。

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